令和4年8月4日
寿崎育英財団奨学生のお手紙
理事長 米澤房朝様
 

◯近況報告です

はじめに
前理事長、寿崎肇様がお亡くなりになられて、今年初めて近況報告を提出させていただきます。前理事長の寿崎肇様、並びに関係者様におかれましては、このたびはご愁傷様でございます。心よりお悔やみ申し上げます。報告の前にひとつ、天国にいらっしゃる前理事長に謝罪しなければならないことがあります。それは貴財団のホームページにおきまして毎月、「理事長からのメッセージ」を更新なさっていましたが、お恥ずかしながらそれを昨年度一年間見ていなかったことです。貴財団のホームページの中にメッセージがあることに気づいていたものの、奨学生には関係のない話だと勝手に思い込んでしまい、一切みていませんでした。ところが、今年度、採用の手続きにあたって再びホームページを見させていただき、何気なくメッセージを開いたところ、前理事長から毎月、奨学生の報告に対するメッセージが書かれており、驚きました。よく読んでみますと、他の奨学生の方々のご活躍、報告の文章力に圧倒されるとともに、それに対する前理事長の温かいメッセージが書かれており、感動しました。私も他の奨学生に負けず、感謝の気持ちを込めて報告を書いたことには劣りませんが、他の方に比べて、季節の挨拶や報告の文章力がなく、前理事長を気遣う言葉すら記入しておらず、大変恥ずかしくて自分に対し、落胆した気持ちになりました。しかし、令和4年1月10日のメッセージを見てみますと、私の報告を載せてくださっており、お褒めの言葉が書かれていました。それを見てとても嬉しく思いました。前理事長が真心込めて報告を読んでくださって、毎月お返事をされていらっしゃったのにお亡くなりになられた今頃になってそのことに気づいてしまい、本当に情けなく思います。そしてなにより前理事長に直接お会いできなかったことを悔しく思います。しかし、この失敗を反省し、天国の前理事長にも良い報告ができるよう、今後も大学生活を頑張りたいと思います。


◯拝啓
厳しい暑さが続いていますが、いがかお過ごしでしょうか。さて、この度は、昨年度に引き続き採用していただき、誠にありがとうございます。深く感謝致します。そして、ご挨拶が遅れましたが、私は●●大学法学部●年生の●●と申します。1年次から地域活性化に興味があり、ボランティアやサークル活動に取り組んで参りました。忙しくも充実した日々です。現在は期末試験と就職活動に励んでおります。改めましてよろしくお願い致します。以下4月から7月までの報告を致します。

4月 くまもと花と緑の展覧会
私は大学2年時の夏にインターンシップを契機に公益財団法人●●総合研究所という地元の経済活動を支援する研究機関と度々交流があります。その研究所からよく調査協力の依頼をさせていただくのですが、4月は「くまもと花と緑の展覧会」に関する依頼を受け、2日間協力させていただきました。調査内容はサクラマチクマモト付近で花博を楽しまれている方々にお声がけして、簡単なアンケート(花博に訪れた理由、花博の感想、購入した商品等)や会話を通じて経済効果波及を調査することでした。調査によって花博は熊本の経済活動に大きく影響していることが分かりました。同時に活性化のためのアイデイア等を聞くことができてとても勉強になりました。また、市民の方々の「くまもと愛」を感じ、素直に嬉しく思いました。この活動を通して、コロナ禍でも人を笑顔にできるものの存在が偉大であることを強く感じると共に、熊本の魅力を他地域にも発信していきたいと思いました。

5月 くまほーフェスティバル
私は法学部の行事実行委員会の●委員長を務めています。行事実行委員会は、学部の中で執行部のような役割をしており、新入生の不安解消のための企画、学部全体のイベント開催等を行っています。先輩方がリーダーとして引っ張ってくださった去年、一昨年はコロナの影響で一切活動ができませんでした。しかし、私達の代になり「このまま実行委員会の活動がないと、法学部に活気がでない。何とかイベントできないか。」とメンバー全員で話し合い、第1弾として新入生同士が交流するイベントを開催することを決めました。内容はオンラインで、クイズや座談会をするというものです。限られた時間の中で準備していたため、とても大変でしたが、実行委員会メンバーと協力して企画に挑んだため、結果イベントは大成功でした。参加者のアンケートでは「コロナ禍で友達が作れず、不安でいたがこの企画を通じて友達になれた」や「法学部にきてよかった」等と記入してくださり、涙が出るほど嬉しかったです。

6月 村おこし ●●自然放牧コース
「エコフ」というNPO法人が主催する村おこし活動に参加しました。これは地域のボランティア活動を通して「地球を知る・学ぶ」という目的で開催されたものです。参加直後は放牧ボランティアが地域おこしに何が関係するのか分かりませんでした。エコフの事前ミーティングでも「世話人のお手伝いをすることが村おこしにつながるようには見えにくい、しかし全てが村おこしにつながっている」と抽象的に書かれていたのでよく分かりませんでした。しかし、作業や移動の社内で世話人とお話するなかで、自分なりに答えが出せた気がします。地域において誰も使っていない荒れ果てた土地を利用し、そこに牛を放つことで牛が草を食べてくれる。そこに自然のサイクルが生まれる。誰も使っていない土地を利用することでそこから活気が生まれる。住民に文句を言われることも多々あるそうだが、それも地域づくりのひとつで、それらの問題をひとつひとつ乗り越えた先に地域の輪が広がりその地域が活性化していくのではないかと思いました。お世話になった世話人はその先駆者であり、過疎化による荒廃地を阻止する大きな役割を担ってくださっているのだと気がつきました。また牛舎ではなくて、放牧にこだわる理由も深くて感動しました。近年は、食べ物に溢れ牛や豚等を人間が「もの」のように扱う傾向がある気がします。しかし、世話人は牛にしっかりと向き合い、牛の幸せを考えて「放牧」というストレスフリーな環境を自然の力を利用して生み出しており「牛」を「生き物」として大切に扱っている姿が心に染み、感動しました。作業している中で驚いたことは、機械を使わずに、人と牛が共同で牧場をつくっていることです。手作業でとても大変でしたが、そうすることで、その自然本来の力を活かすことができるのだと感じました。また、ボランティアは活動することだけでなく、活動にあたって目的をもち、そこで何かしらの収穫を得ることが大切だと感じました。

7月 法学部オープンキャンパス
7月30日に●●大学法学部のオープンキャンパスの開催予定でした。ところが、前日に医療非常事態宣言が出され止むを得ず中止になってしまいました。私はそのオープンキャンパスで「先輩からの体験談」として高校生に話をさせていただき、その後は模擬授業でのお手伝いをさせていただく予定でした。選ばれた理由が普段の活動と成績を考慮したものでした。私が高校生の時に、同じイベントに参加し「絶対合格して、先輩になったら高校生の前で話したい!!」と当時から憧れを抱いていたため、小さな夢ですがそれが叶ってとても嬉しかったです。スライドをつくり、発表準備を入念にしていたため、中止が決まった時はとても残念でした。しかし、先生が「コロナが今より落ち着いたら、必ず開催する」と仰ってくださったので、別日に開催できることを期待します。何より悔しいのは高校生だと思うので、開催できましたら全力で熊本大学法学部の魅力をPRしたいと思います。

以上が報告です。現在試験期間のため、活動だけでなく勉強も精一杯頑張りたいと思います。いつも多大なお力添えをいただき、誠にありがとうございます。厳しい暑さが続きますが、お疲れを出されませんよう、お体に気を付けてお過ごしください。

敬具
●●大学●年 ●●



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