令和3年10月26日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

拝啓
10月に入り熊本県のコロナ感染者昨日2人、その前5人、またその前日は0人でした。皆様コロナ終息後の心の準備。学業の対応は大丈夫ですか。世の中事業者の対応は大童です。ここで私が大変だ、大変だと申し上げなくとも今の状況報告は9月分です。皆様の変化対応は事業者に較べますと猛スピードの速さの感じを受けます。


最初の方の報告は出身高校の職員研修で講演をなさったICTの教具から文具の時代などのお話です。では、

○秋晴れの候、貴財団にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。さて今月分の奨学金を頂戴し、学費に充てさせていただいております。厚く御礼申し上げます。奨学生である以上引き続き学んだことを社会へ還元して参ります。私の近況といたしましては、母校である熊本県立第2高校の職員研修で実践発表を行ったことが挙げられます。「ICT×教育×大学×社会との繋がりーあらゆる学びを創造的にデザインするー」と題し、発表内容としては研究活動や大学、大学院、研究室の紹介、勤務している中学校での授業実践、これからの教育のあり方について等。これまでの実践の様子などを盛り込んだものとなりました。本発表は先生方ご自身のICT活用アクションプラン策定へと結びつける機会となったとのことです。熊本県立第2高校とは、今後も高、大連携の取り組みとして、このような活動を継続していく予定です。ベテランの先生方に向けて私のような者が発表して良いものか烏滸がましい限りではありましたが、このような機会を頂戴できたことに大変感謝しております。お世話になった先生からは「もはや若者の活動ではないということで社会的付加価値があるということだね」とお言葉をいただき、気が引き締まる思いです。少しでも母校の発展に寄与できていれば嬉しい限りです。参加された先生からは以下のような感想が届きました。(原文のまま。抜粋)
  • 今、接している生徒たち以上に学校生活でもICT機器を活用しているデジタルネイティブな生徒たちとこれからは接していかねばならないし、ICTは教具から文具へ。
  • できないじゃなくて、生徒同様学んでやろうとする姿勢が大事。
  • まずはICTを使ってみることが重要と感じました。その上でこれまでの授業の良さも生かせる工夫を重ねたいと思います。
  • 発表が適度なスピードで行われ大学での研究内容やICTの実践がよく伝わったのではないかと感じました。それがとても良かったと思います。大学の研究内容を一人の教員が網羅して理解することは難しくありますが、大人数が進学する県立大についての理解が深まったことは、今後の進路指導へ視点を広げるものになったと思います。
以上先生方のご感想でした。新秋の折末筆ながら貴財団の皆様の益々のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

とのご報告でございました。
最初に感じましたのは学生が母校の先生方に講演する。何故だろう。何の為だろう。よく許可が出たものだ。など考えながら書き写しました。この大学院生は母校の発展に寄与したい。先生方は深く喜ばれた感じでした。ありがとうございました。


次の方アルバイトで責任のポジションになり、世の人々すべての方が働く。「はたをらくさせる」ことの使命を感じた報告です。では

○いくぶん残暑も和らぎ、しのぎ良い日が多くなりました。私は今月夏休みですが、特に旅行に行くこともできなかったためアルバイト三昧の毎日を過ごしました。大学に入ってアルバイトを始めてから約1年半が経過し、責任の大きいボジションを任されたり、後輩に仕事を教えたりする機会が増えました。アルバイトは時にはしんどいなあと思うこともありますが、それよりもっと多くのことを学ぶことができると感じています。実際、高校までの自分は1円のお金も自分で稼いだことがなかったので、その大変さとありがたさをあまり感じていませんでした。しかし今では、スーパーで買い物をするだけでもお金の価値を感じ、感謝するようになりました。両親は私達が知らないところで、たくさん努力をして、働いて、私の生活を支えてくれているのだ、ということが分かると、ありがとうという気持ちで胸がいっぱいになり、勉強や趣味や遊びをもっと全力で頑張ろうというパワーにつながりました。またアルバイトをしてみて、今まで知っていた表に立って輝く職業の他にも、裏で人々の生活を支える仕事がこんなにもあるのかと気づきました。私が生活しているその全ては、どこかの誰かに間接的にたくさん、たくさん支えてもらっているのだと気付くと働いている全ての人に感謝したいし、その方々がかっこよくてしかたがありませんでした。私もアルバイトを通して誰かの役に立ちたいと思ったし、はやく夢を叶えて、たくさんの人の力になりたいと強く思いました。このようにアルバイトを通してたくさんのことを学び成長できているのかなと感じます。これからも勉強と両立させて頑張りたいと思います。最後になりましたが、今月もご支援ありがとうございました。夢を叶えるために、大切に使わせて頂きます。秋冷の折、くれぐれもご自愛ください。

とおっしゃっておられます。
私のように大正時代の生まれの者この方をアルバイトにより悟りを開いた方と申します。改めて感謝の人生を感得なさったのです。ご苦労さまでした。ありがとうございます。ありがとうございました。


次の方、9月は自動車学校の合宿、障害者施設での勉強、心理学の勉強など多くの勉強の月でした。では、

○暦の上では秋分も過ぎ少しずつ日暮れが早くなってきたようです。寿崎様におかれましては、お健やかにお過ごしのことと存じます。さて今月も給付奨学金をいただきありがとうございます。おかげさまで9月も経済的な心配をすることなく元気に過ごすことができました。夏季休暇は終わり、昨日から後期授業もはじまったので前期同様しっかり勉学に励もうと思います。9月は自動車学校での合宿、介護等体験による障害者施設での勉強、そして心理学の勉強を行いました。自動車学校の合宿では北海道や東京といった普段関わることのない様々な県の人々と年齢、学年を問わず2週間朝から夜まで共にしました。最初は運転に不安を抱えていましたが、新しくできた多くの友達と助け合い無事卒業検定に合格できました。障害者施設では援助観察や入居者様方との関わり合い。スタッフの方々とのお話など様々な学びに繋がる経験となりました。接し方や態度など最初はどうすればよいか分からず、戸惑うこともありました。しかしスタッフの方の接し方や援助の仕方などを観察したり、積極的に毎日入居者の方、1人1人に話しかけていったりしたことで最終日はその施設の一員になったように感じることができました。最後に心理学の勉強についてですが、私は現在心理学関連の大学院への進学を考えています。9月は主に本を読み、内容をまとめ、ゼミの教授に見てもらい、フィードバックをいただくという流れを繰り返しました。進学など考えたこともなかった私ですが、貴財団のご支援のおかげで視野も広がり、また新たに挑戦することができます。また確定はしていませんが少しずつ形にしていけたらと思います。季節の変わり目でございます。ご健康に留意され、ますますご活躍されますことを心よりお祈り申し上げます。

とおっしゃっておられます。
自動車学校は合宿で2週間全国からの人でしょう。大変楽しく運転免許の取得。障害者施設での1人1人との話し合い。これはどんな職場でも必要大切なことです。夏休みが有効に使われ良かったです。ありがとうございました。


次の方は予習での映画観の報告です。今月だけで映画を9本観たことの報告です。変わった報告です。では、

○蝉の鳴く声に残暑を覚えつつも、行き交うトンボの姿を見て秋を感じるこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。さて9月は大学が夏休み期間中ということもあり、バイトをしたり、資格の勉強をしたりと個人的に有意義に過ごすことができました。その中でも私はこの夏映画に熱中しました。きっかけは9月末に映画を鑑賞するという講義があり、その下準備として1人で映画を観に行ったことでした。私はそこで「モンタナの目撃者」という洋画を観たのですが、平日の日中に観に行ったということもあり、私を含めて2人しかおらず、とてもゆったり観ることができました。このように映画を1人で観に行くこともスクリーン上で字幕映画を観ることも、2人だけのシアターで上映されたことも全て初めての体験でした。その時のワクワク感や快感が今でも忘れられません。更に映画が終わった時まるでジェットコースターを乗り終えたばかりのような高揚感が得られました。そしてしばらく作品の余韻に浸っていました。その後友達の家で2作品、先述した講義で6作品映画を観て今月だけで9本観ました。これを通して感じたことは映画には人の心を動かす力があり、1度観て終わりではなく2回目、3回目と回数を重ねることによってまた違った印象を与え、心に届き、留まり続けることができるということです。よく映画の名作には「不朽の作品」という肩書がつきますが、その意味がようやく分かったような気がしています。これからもっと色々な作品に触れていきたいなと思います。一方学業の面では前期の成績が出揃い全て単位取得できました。10月から後期授業が始まります。またこの学期後に研究室配属もあります。しっかり気を引き締めて過ごしていきたいと思います。以上で近況報告とさせて頂きます。雨や暑さなど不安定な気候が続きますが、理事長様もお身体ご自愛ください。

とのお話でございました。
映画は人の心を動かすとのお話。大正生まれの私。お店の前が映画館でした。思い起こしますと「よっしゃ、俺もやるぞ、昔も今も同じだな」と感じました。ありがとうございました。


次の方は視覚・聴覚障害で障害児保育の講義の後、友達にお願いして実験をした報告です。では、

○奨学金のご支援ありがとうございます。夏休みが明け、後期の講義がはじまりました。毎日新しいことを学ぶことはできて楽しいです。障害児保育の講義で視覚障害、聴覚障害の方の感じ方を知るための体験をしました。友達に腕をもってもらいながら段差のある場所を、目を瞑って歩いたり、何も話しかけずに水を飲ませたりしました。体験する前は「こうすると伝わりやすいかな」と想像することしかできないので、私の言葉かけでは、歩きにくそう、飲みにくそうに見えました。私の言葉が足りてないのだなと感じました。体験してみて、食べる瞬間、飲む瞬間だけ声をかけるよりも、今食べ物飲み物がどの位置にあるのかを細かく伝える方が分かりやすいなと感じました。また実際に自分がこのようにしてもらえたら、信頼できるなと思います。将来実際に視覚障害や聴覚障害の方と関わる時には信頼してもらえる関り方をしたいなと思いました。体験することで、自分の言葉に足りないことや、かけてほしい言葉を知ることができました。学校生活でも、考えるだけでなく、体験して知るということを大切にしたいなと思いました。新しいことに積極的に挑戦し、多くのこと、多くの知識を身につけられるよう頑張ります。

とおっしゃっておられます。
体験も経験も貴重なものです。何でも自分さえ良ければ、は世の中通れません。体験経験が相手の役に立つこと喜ばれること、皆相手の立場で考え行動することが成功の秘訣だと私の人生も事業もやってきました。ありがとうございました。


次の方は膵がんの芽を発見し英語の論文でまとめておられるお話です。では、

○少しずつ暑さもおさまり朝夕は涼しくなってまいりました。理事長のおかれましては、健やかにお過ごしのことと存じます。さて今月はこれまで私が行ってきた膵がんの「芽」ともいえる非常に悪い細胞を発見した研究について英語の論文をまとめています。膵がんは非常に予後が悪いことが知られておりほとんど治療法はありません。そんな中、膵がんのスタートではないかと思われる細胞(その1つの細胞から膵がんのかたまりが出来上がります)を見つけ転移や抗がん剤処方後の再発にも関与することをつきとめました。この細胞を治療標的にすることで、マウスモデルではかなり治療効果が確認されました。膵がん克服のための新しい切り口になるのでは、と論文を書いています。このような基礎研究は世界中で行われています。私も少しでも人類の健康に貢献できることを願い精進するばかりでございます。多くの方々のご指導にも感謝しつつ論文が無事発表できれば、と思います。今月末から横浜で日本癌学会学術総会が開催されますが、そこでも成果を発表します。(コロナウィルスまん延のため現地へは行けませんが・・・)今月いただいた奨学金は研究データの解析の勉強をするための書籍費に充てさせていただきました。感謝いたします。それではまた来月お手紙をおくらせていただきます。時節柄くれぐれもご自愛ください。

との凄いお話でした。
人類の健康に貢献する膵がんの芽の発見、我々の知識では膵がんは世界で最も悪質なガンです。人間の終末を迎える病気です。治るぞと思いました。このお手紙を書き写しながらこの研究はノーベル賞を受賞なさる研究だと思いました。世界の膵がんの方々が自分も長生きができると感謝の声が湧き上がると思います。実は私の妻が膵臓癌で亡くなりました。このお手紙読ませて頂きながら、妻の早死がもっと遅れてくれたらと悔やむばかりです。私の泣きごとですみません。この研究ノーベル賞を是非受けて頂きたいなと思いました。ありがとうございました。




トップページ
寿崎育英財団とは
理事長挨拶
募集要項
お問い合わせ
寿崎育英財団各県案内
私を語る
 商業界

 寿屋OB会

 ロータリー

 理事長からの
 メッセージ


寿崎育英財団
住所 熊本市中央区水前寺6?1?38
TEL/FAX 096-340-8520

Copyright(C)2010 寿崎育英財団 All rights reserved.