令和元年10月7日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

拝啓 秋らしくなって参りました。お変わりありませんか。台風や雨の被害に遭われた方々お見舞い申し上げます。自然の力には日頃の準備防御体制が頼りのようです。皆様から頂く近況報告、甲乙の区別がつけられません。素晴らしい報告ばかりです。全部ホームページに載せることも出来ず、特に奨学生の皆様の参考になるのではないかと思われる方の文献や私の独断と偏見で選んだ近況報告を載せさせて頂きました。

最初の方は皆様もなさっておられる事ですが、試験を1回で通過すべくなさっておられることです。では、

○試験勉強については、すべての科目を完璧にマスターしようと思うと時間がいくらあっても足りないことから試験を1回で通過するために3つの観点から試験に挑みました。1つ目は時間配分です。限られた時間の中で効率的にかつ漏れのないように試験勉強をすすめるため、勉強スケジュールの見える化を行っています。試験勉強を始める前に、試験日までに勉強可能な総時間と、科目ごとに必要と思われる時間を足し合わせ、スケジュールを作成しています。これによって全体をバランス良く勉強できたほか、他の科目を気にせずに現在の科目に集中することができました。2つ目はメンタルの充実です。上記のような見える化による不安感の軽減に加え、なるべく仲間と一緒に勉強することで、時にはリフレッシュしながら勉強を進めることで、モチベーションを保つことができました。3つ目は効率的な勉強です。まず、第一段階として、配布資料の目次を作成し体系と全体像の把握をします。第二段階では練習問題の答えを見ながら解き、出題された部分をハンドアウトやテキストに蛍光ペンで着色することで、内容の理解と合せて、重点事項を明確化し、ハンドアウトやテキストに一元化します。さらに、ゴロを作成したり、場合にはメモしたり整理したりします。第三段階では各論点の体系化とさらなる理解を深めるためテキストを通読します。第四段階では答えを見ずに練習問題を解きます。間違えた問題には印をつけ、印をした問題に問題がなくなるまで繰り返します。暗記を使うのはこのタイミングです。そして第五段階では、テキストを熟読し、さらに理解を深めます。論点に漏れがあれば補強します。第一段階から第五段階を通じて大局から個別、個別から大局の勉強を交互に行い、最終的に両者が融合するイメージです。これにより重層的かつ網羅的な勉強が効率的にできると考えて実践しています。話は変わりますが、ずっと前に行われた熊本での奨学生交付式で上野RKK社長からお話のあった「精神的、社会的体力をつけてほしい」ということについて考えてみました。ここで思い出したのは、私の熊本城マラソンで完走したときのことです。20キロを超えたあたりから足がだるくなり、30キロぐらいからは足が痛くて歩くのも困難になりました。しばらくは意志の力で乗り切りましたが、最終的には激痛に耐えられず痛み止めに頼りました。そうまでして完走できたのは完走しようという意志と、妻や沿道の方々など周囲の応援があったからだと思います。つまり完走するために自分にとって必要だったことは、目的達成の「意思」周囲の「応援」、痛みに耐える「我慢」、激痛を想定した「備え」でした。上野社長の言う精神的、社会的体力とは目的を完遂するための体力のことであり、まさにこれらの力だと思いました。まず「意思」については、意思を曲げる癖をつけないことが必要と考えます。したがって、普段から自分が正しいと思う行動を、しっかりとポジションをとっておこなっていきたいと思います。次に「応援」については応援していただけるような人格の形成と接触の頻度が必要と考えます。したがって、自分自身の人格を高める努力を行うとともに、コミュニケーションの質と量を上げるため、まずは挨拶を自分からすること、お礼と謝罪は、ついでではなく遠回りしてでもする、ということを心掛けたいと思います。次に「我慢」については、悪い立場に置かれたときに、安易な方法でそこから逃げるように抜け出すのではなくその状態に耐える必要があります。したがって目標達成のため必要なら恥や汗をかくことをいとわないように心がけたいと思います。最後に「備え」については想定外の事態で継続不能になっては目標が達成できないため、最悪の事態を常に想定して備えておくことが必要と考えます。このようなことをしっかりと考えながら生活していきたいと改めて思いました。

とおっしゃっておられます。
成る程成る程と貴重な教えを頂きました。ほんとうに事業経営についても大切な教科書です。ありがとうございました。


次の方は桜島、錦江湾横断遠泳大会で選手のサポートなど大学1年生の活躍報告です。では、

○私は大学生となり初めての長期休みとなりました。とはいっても、私はバンドサークルでの音楽活動は来るライブに向け仲間と共に練習に勤しんでいました。バンドサークルに入部してから私の交流関係が大幅に広がり、多くの先輩や他学科の人と親しく話すようになり忙しいけれど充実した日々を送れています。さて28日には桜島、錦江湾横断遠泳大会があり、私はアテンドとして選手のサポートをするボランティアに参加させてもらいました。大学生になって積極的に行ってきた活動の1つがボランティア活動だったので、5回の研修を経ての遠泳大会は達成感に満ちていました。数あるボランティアの中でも水上で行う遠泳ボランティアは珍しく鹿児島ならではの活動だと思うのでとても良い経験になり来年も機会があればぜひ参加したいです。遠泳ボランティアが終わったあとすぐレポートの提出や前期試験が始まりました。私の所属している商経学科は試験というより、レポート課題が多かったので大変でしたが、入学してからずっとタイピングの練習をしていたので文章を比較的早く打つことができ早め早めの提出をすることが出来ました。試験はエクセルの実技試験が不安でしたが、この科目を含め全て落とさずに取ることができたので良かったです。特に時間をかけて勉強した試験やレポートは90点以上で“優”を取ることができたのでとても嬉しかったです。後期では前期以上に良い成績が取れるようにサークルと両立させて日々精進して行きたいと思います。

とおっしゃっておられます。
大学入学して半年経っていない奨学生の方の行動力、凄いと思いますし、夏休み中にハワイに語学研修とのこと。大学在学中ボランティア何でもござれと感じられる方の報告でした。ありがとうございました。


次の方はアルバイトで接客の際問題を上司に判断を仰ぐ、でなく自ら判断してお客様満足の行動をとるお話や、相手に挨拶する声の音程で与える印象が異なるなどのお話に私も勉強させて頂きます。では、

○先月申し込んだ選考ありのインターンシップの一次選考は通過したものの二次選考には通過できなかったので近い日程の別企業のインターンシップを予約しました。佐川急便株式会社様と、ルートイングループ様です。前者では初めてのインターンシップ参加であったことや、かなりの少人数に静粛な雰囲気だったこともあり、全体として緊張したインターンシップになりました。企画プレゼンでも班内での話合いでは何とか発言できましたが、発表ではほとんど満足のいく出来ではありませんでした。2回目の参加となるルートイングループ様のインターンシップでは初参加の状況と一変して人数も多く賑やかで、何よりホテルのインターンシップということで畏まって張り詰めていた会場の雰囲気も司会者の方の話術で見事に解かれ、良い意味でとてもリラックスできるインターンシップとなりました。部門説明の中で宴会部門もありましたから、考えてみればホテルというのは本来人の心を楽しませるエンターテインメント性に長けていることを思い出しました。プログラムの中で特に印象に残っているのは、マナー講座です。姿勢やお客様と接する際のお辞儀の仕方など勉強になったものは多くありますが、特に声の出し方が印象的でした。お辞儀ひとつにせよ、ひとつひとつ丁寧に理由や理論も付け加えて教えて下さり、その中でも相手に挨拶する声の音程によっても与える印象が異なってくるというのは大変興味深く感じました。もちろんはきはきとした話し方は良いのですが、声の音程も意識的に上げて挨拶するとさらに良い印象を与えることができるとのことでした。言葉にすると簡単なように見えて実際にそれを毎日の日常の中で意識的に行っていくのは簡単ではないことだと思います。ところでマナー講座の中で様々な挨拶を皆さんと一緒にさせて頂きましたが、その1つに“いらっしゃいませ”も含まれていました。それまでどこか舌足らずだった私の挨拶も“いらっしゃいませ”の発声の際になると途端に声がはっきりとし、発音も良くなったのを自分も感じました。“いらっしゃいませ”はアルバイト中に頻繁に発するワードであり、日頃言い慣れている言葉はやはり違うなと思いました。全てにおいて日々の積み重ねが関わってくるのだと感じました。またこの時のプレゼン発表では初回時よりもリラックスしていたお陰か滞りなく進めることができ、短い準備時間の中でも本番ではうまく説明することができました。しかしその後のフィードバックでも指摘された通り、アピールポイントに欠けている部分がありました。何が原因だっただろうかと考えた時、班内の発表の順番も直前に決めるくらい時間が足りていなかったので、班の仲間に詳細を確認できなかったことが原因だと思いいたりました。私は確証がないことや間違ったことを発言し、後で弁解することになり印象が悪くなってしまうことを避けようと少ない情報量の発表になってしまいました。それらの点を省みて、今後のプレゼン準備では余裕を持った時間配分と、不安に思ったことは事前に班のメンバーに相談するよう努めようと決めました。実をいうと初回時もこの時も時間が足りずに最後に慌てて広用紙に記入を始めていたので、この時間配分というのは大きな課題だと感じます。インターンシップに参加したのは現時点で前述の2つのみですが、この2つに共通しているものを見つけることができました。それはお客様マインドです。佐川急便株式会社様では、通常の規則の範囲外になることであってもできるだけお客様の意に沿うように努力し、一方のルートイングループ様では過去に受けてきたお客様の要望によって今の客室内装になっているとのご講和がありました。このようなお客様マインドは今の私が行っている仕事にもあるものだと感じました。アルバイトを始めて約2年弱経ちましたが、最初の頃と比較して大分職場環境に慣れてきました。心の余裕があるからかもしれませんが、何かあった際の判断を全て店長や先輩に仰ぐのではなく、お客様にとってどうすればより良いのかを自ら判断して日々行動しています。インターンシップというと非日常的なものに感じるけれど根底にある企業理念や基盤であるお客様マインドは身近にあるものだと感じた体験でした。

とおっしゃっておられます。
お客様に接する商売、改めて勉強させて頂きました。ありがとうございました。実は私のさせて頂いた小売業は全店、朝礼の時に唱和する誓いがあります。それは5つの誓い。
1、 お客様第一主義を誓います。
2、愛と真実の商道を誓います。
3、笑顔のサービスを誓います。
4、物価安定の努力を誓います。
5、ご満足100%の追求を誓います。
今でも各地のOB会に出席しますと最初にこの5つの誓いを唱和して会合が始まっております。ホテル業も運送業も小売業もすべてお客様第一なのだと感じました。ありがとうございました。


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