令和元年8月29日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

日今年は大雨の梅雨でしたが、漸く梅雨が明けました。37度を超える国内の地方もあり令和の年代は変化の楽しい年代になるのだろうか、と日々を楽しみにしております。今回のホームページに載せさせて頂くのは子供3人の母子家庭の高校中退、遠まわりして大学入学をなさった方とか奨学生交付式で先生のお話「楕円を考える」へのご自分のお考えなど私の勉強になったことなどを載せさせて頂きました。

最初の方は母親1人のパートで3人の子供を育てたその中の1人の方の報告です。では、

○先日の交付式に参加させて頂きたかったのですが、大学の講義と重なり参加出来ず大変残念でした。大学に入学して3ヶ月が経過し、少しずつ大学生活にも慣れ友人もでき、福祉について学び毎日充実した生活を送っています。私は母子家庭で育ち母一人のパートに収入で私を含め3人の子供を母1人で育ててくれました。そのため経済的に厳しく大学生活の不安が母子共にありました。母子家庭など経済的な事情により進学をあきらめ就職をする人もいる中、こうして大学に通えている事はとても有難く壽崎育英財団はじめ支えて下さる全ての方にとても感謝しています。私は高校を中退し遠まわりもしましたが、大学に進学し将来ソーシャルワーカーとして働き社会に貢献したい。資格をとり自立し母を安心させ恩返しをしたいという思いで17才の時に「高校程度認定試験(旧大検)」に合格し今年から大学に通っています。そのため高校生活を送れず味わえなかった友人との交友、学校生活の楽しさ、社会性などさまざまな事を学び日々をとても充実しています。

とおっしゃっておられます。
高校中退、一念発起高校卒業の資格をとり大学へ。そして社会へ貢献するとの希望。若くして生活の苦労。大成した方々は「若い時の苦労は買ってでもせよ」と。ありがとうございました。


次の方は6月3日熊本の交付式で先生のお話を聴き深くお考えになった報告です。では、

○さて今回は6月3日の奨学生交付式で熊本日日新聞の高峰論説顧問からお話のあった「楕円を考える」ことについて考えてみました。大平正芳首相の持論「楕円の哲学」は楕円には2つの中心点があることになぞらえ「政治も世の中も2つの相対するものが適度な緊張と調和の中に共存する」というものだそうです。大平元首相は「政府が引っ張っていって、それに唯々諾々とついていくような国民は、たいしたことを成し遂げられない。政府に不満を持ち、抵抗する民族であって、はじめて本当に政府と一緒に苦労して、次の時代をつくれる」という言葉を残したそうです。現在私は大学において講義を受け、実習や試験の準備をしています。楕円の哲学から言えば、私は教えられたことを謙虚に受け入れつつも大学側や教員に対して批判的スタンスをもつことによって、学生という立場でありながらも大学教育の現場を次の時代に発展的に残していくことが出来ると考えました。このような考えから、1点アクションを起こしました。我が大学薬学部は、本学から1キロほど離れた独立した立地となっております。薬学部棟には小さな図書室がありますがそこに新聞がありません。多くの学生は一人暮らしで新聞は購読していません。つまり薬学部のほとんどの学生は新聞を読んでいないことになり、実際私が聞き取りをした中でも新聞を読んでいる学生は1人もいませんでした。しかし6年制の薬学部は薬剤師を養成するための過程であり、その多くは地域社会で働くことになります。つまり地域社会のことを良く知っていることがよりレベルの高い仕事につながっていくことは間違いありません。このため薬学部において単に専門領域を提供するだけでなく、地域情報を学生が自ら知ることができるよう、図書室に新聞を設置して頂きたいと考えました。とても小さなことかも知れませんが、このような小さな学生サービスがより良い世の中につながっていくと考えました。そこで大学に対し、薬学部図書室に新聞を設置して頂くよう要望しました。その結果、大学からは予算面での課題があるとの返答があったものの、検討を始めて頂けることになり、その一歩として期間限定で薬学部に新聞の無料配布を行って頂きました。今後図書室で新聞の定期購読をして頂けるかどうかは分かりません。しかし「楕円の理論」のようにある程度の緊張関係を持ち続けることが相互の発展につながっていくことを期待します。

とおっしゃっておられます。
私もこの「楕円の理論」について考えさせられます。ありがとうございました。


次の方は奨学生交付式で先生方のお話、奨学生の近況報告にご自身の心境の変化の報告です。では、

○先日は素晴らしい奨学生交付式にお招きいただき誠にありがとうございました。この度の交付式後の私自身の心境の変化がございましたのでお伝えしたいと思います。多くの先生方のお言葉はもちろん、同じ学生としてそれぞれのやりたい事に全力で取り組んでいる同志の話を聴き、このように人に自信を持って自分を話せるような人間になりたいと思いました。それが現在の私の励みとなっております。したいと思っていたができなかったことにも挑戦しようと思い、現在2つの資格の勉強に取り組み励んでおります。また常々考えていた接客という仕事を体験したいという気持ちから2週間に1度程度ですがホテルの料理出しを始めました。接客をすることの大変さと同時に楽しさも学んでいます。マナーなどの一般的な知識も得ることができるので始めて良かったと思います。研究の方も忙しい中ですが少しずつ進めている次第です。財団のご支援のおかげで毎日自分自身の勉学に励むことができております。心より感謝申し上げます。

とおっしゃっておられます。
交付式に出席した学生の話は私にも勉強になります。一念発起死んでもやりあげるという決意のお話。仕上げた話で決意が決まったこの奨学生の心境変化の報告でした。


次の方は美術教師を目指す方です。展覧会で作品を褒められた時は嬉しさだけ。大学の先生の教えの「人に見てもらうことの大切さ」の理解出来たお話などの報告です。では

○この度は昨年に引き続き壽崎育英財団奨学生として採用していただき誠にありがとうございます。これからも一生懸命作品制作に励み美術教師となるという夢を叶えるために勉学と制作の両立を頑張っていきたいと考えています。近況報告と致しましては先日大学芸術学部美術学科全コースによる「学科展」という展覧会を開きました。もちろん私も作品を出しました。去年進級認定課題で描いたカラスの剥製を主役とした静物画です。この静物画は特別思い入れがあったので、この機会にこの作品を展覧会に出すことを決めました。今の研究に繋がる、初めてテンペラと油彩の混合法をチャレンジして描いた作品です。初めての試みだったこともあり、試行錯誤してやっとの思いで描きあげた1枚でありました。今回時間をつくって展覧会の受付係を引き受けたのですが、その際に展覧会に足を運んで下さったたくさんのお客様から、お褒めの言葉をかけてくださいました。その時は自分では自信がなかった作品を褒められたことで、単純に嬉しい気持ちしかありませんでしたが、改めて作品を褒めてもらえたことで、単純に嬉しい気持ちしかありませんでしたが、改めて作品に向き合うことでやっと客観的に自分の絵を見つめ直すことができたのです。その時私は初めて大学の先生方のよく言われていた「人に見てもらうことの大切さ」をやっと理解することができました。今月も別の場所で我が大学の美術学科選抜メンバーによる展覧会に出品するつもりです。折角選抜メンバーに選出して頂いたこの機会にこの展覧会でもたくさんの人々に自身の作品を見てもらうことで自分自身の作品姿勢を見直していきたいと思います。そしてもう1つ今頑張ろうと考えていることがあります。今年は特に積極的に公募展にいくつか参加したいと考えているところです。いくつか事前にどこに出品するのか決めていますが、その中でも特に頑張りたいのが「日展」です。洋画にとっては難関であると先生方からも話は聞いていますが、どうしても来年の卒展までに日展の挑戦することで自分自身をもっと成長させたいと考えていたからです。現在日展に向けての作品制作に励んでいるところです。他の公募展にも出品しながら制作に集中しつつも勉学との両立を今後も頑張っていきたいと思います。そして教員になる為にも今年も、1、2年次とはまた異なる様々な体験をしたいと考えています。経験することで己のよりよい人格形成の向上を目指していきたいです。

とおっしゃっておられます。
ご自分の夢に向かってあくなき挑戦をする姿、感激しました。ありがとうございました。


次の方はお母さんの誕生日と奨学生交付式が重なり交付式の先生方のお話と同じ年代の奨学生の近況報告が決意表明と受け止めお母さんに報告。お母さんも感動のことでしょう。では、

○実は6月1日から母が緊急入院しました。奨学生交付式は母の誕生日でした。母の誕生会こそ開催されなかったものの交付式に参加し、母に交付式に参加できたことを伝えたところ大変喜んでおりました。頂いた奨学金は母が退院するまでは生活費に充てさせて頂きたいです。現在は就職活動に励んでおります。2020年度卒業の大学生の就職率は昨年よりも良いとのニュースがありますが、私の場合は上手くいっておらず辟易しております。焦らず自分の納得のいく就職先に就職できればと考えております。また学外の活動といたしましては鹿児島県青少年連絡団体協議会の事業の子どもふれあい事業やリーダー事業というものにも携わっております。鹿児島県のこれからを担う小中学生の育成に携わることに誇りを持ちこれからも熱心に取り組んでいきます。

とおっしゃっておられます。
入院中のお母さんですから病室で交付式のお話を、時間をかけてゆっくりお話なさってお母さんの満足したお顔でお別れしたのだろうか。自分の入院した時を考えながら想像してその感じを書きました。又この学生さん母子家庭ではなかろうかと思いました。ありがとうございました。
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