平成31年7月5日①
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

拝啓 お元気でしょうか。お変わりございませんでしょうか 梅雨入りの話が出て参ります。満開の桜のイメージが残っておる今、梅雨入りと。もうすぐ新奨学生が決まり奨学生交付式が各県で始まります。ホームページに載せさせてもらう方のお手紙が3月終わりから4月にかけての分です。皆様から頂く近況報告は私だけでなく1500人の方々からもお読み頂いております。私は150名の奨学生の方が何かヒントになって頂くと有難いと時には涙をふきながらお手紙を写させて頂いております。皆様の深く掘り下げた学生生活はどなたがお読みになっても感激なさるだろうと思います。「若い時の苦労は買ってでもしろ」と若い頃教わったものでした。どうぞ頑張って下さい。では、

最初の方の報告です。幼稚園での個性豊かな幼稚園児とのおつきあい、そして指導の仕方。ご苦労なさっておられる実習の報告です。

○近況報告ですが、先週まで大学の附属かもめ幼稚園において実習させて頂きました。かもめ幼稚園は創立から50年以上が経ち卒園児が6300名を超える地域の根ざした伝統ある幼稚園です。園の特徴として広い園庭と整った保育室や遊具を有しており子どもの成長のための環境を提供しています。園での教育の目標として「1人1人の幼児の個性を伸ばし豊かな心情を培うとともに主体性、創造性、自主性を高めて、心身ともに健全な子どもに育てる」ことを掲げています。実習に先立って集団保育の中で先生たちがどのように園児に関わっているか学ぶことを目標にしました。集団保育となると大勢の中で他人と関わり合いながら過ごす環境が用意されます。衝突や意見の相違なども勿論でてきますが、子ども達はその中で折り合いのつけかたを学んだり、友達と遊ぶ楽しさを感じ、集団生活の中から社会性を身につけていきます。園にはいろんな子がいて、いろんなハプニングが起こります。全ての子どもたちに気を配りつつも子ども1人1人の心身発達をサポートするための関わり方、心構え、工夫等を働く人の実際から学び取りたいと考えました。実習の概要としては朝の登園の見学、午前の自由遊びにおいて園児と一緒に遊ぶ、朝の会への参加、行事に基づいた活動への参加、昼食の配膳等、様々なことを体験し、学ばせていただきました。かもめ幼稚園では通う園児の人数の多さ、広い園庭、大きな遊具に驚きました。実習開始時間の8時半は、園バスが到着し、ぞくぞくと人が集まってくる時間帯でした。朝の早い時間でしたが園児たちの元気なはしゃぎ声や笑い声であふれていました。参加するクラスは3日間のうち初日は年中のすみれ組。2日目は年長のゆり組、最終日は年少の梅組でした。教室に入った反応として年中さんは興味津津に寄ってきたのみ対し、年長さんでは興味はあるけれども、少し様子見を行い遠巻きに眺めており、年少さんでは興味は持つけれども人見知りのため思わず泣き出す子がでてくるなどがありました。クラスを見て回ることで、それぞれの特徴が顕著にみえてきて、発達段階に加えクラス構成園児や担当の先生による個性が組み合わさった結果、それぞれのクラスが出来上がったのだと考えるととても面白いと感じました。3クラスの中で一番印象深かったのは年中のすみれ組です。荷物を置くために教室に入ったのですが、はじめて見る顔に園児たちは興味津津で「だれ~?」「何で来たの?」「名前は?」と話しかけることを競うように自ら声をかけてくれました。人見知りなく寄ってきて仲良くしようと声をかけてくれる子どもたちの元気の良さに圧倒されながらも自己紹介の後、おままごと、外でのかけっこ、砂場遊びなどたくさん遊びました。その中で私が困ったことは子どもたちが一斉に声をかけてくれる中で、一方ではぶつかり喧嘩が起き、一方では別の場所に案内しようと手を引く子がいたり、また一方では希望が通らないからと癇癪を起こす子がいたりと大混乱の状態で1人1人の子に丁寧に対応しようとしたため状況の展開についていけないことでした。その結果一人の子を優先しがちになり、集団として遊べる機会をふいにしてしまうことなどがありました。なるべく中立の立場で喧嘩などでは状況把握のために話を聞き、子どもたちの伝えたいことを最後まで聞こうと努めていましたが、子どもたちの力だけで解決できる問題や自身の過干渉があったのではないかと考えます。子どもたちの間での衝突時、気持ちの代弁者としてどの程度関わるか見極めが大切だと学びました。この実習は集団保育の難しさを体験する良い機会でした。学んだことをこれからの臨床に生かしていきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
実習とはいえ貴重な体験のようにお見受けいたしました。人生これからもっと厳しい日々を過ごすことでしょう。悩みの体験の多い程同じ職場で尊敬される立場になります。悩みも失敗も多い程幸せになります。頑張って下さい。ありがとうございました。


次の方はベトナムからの留学生です。奨学生として感謝のお気持ちでお書きになっております。私の方こそ感謝申し上げるべきです。では、

○こんにちは私は大学の2回生、ホアと申します。ベトナムのハノイから参りました。去年の4月から1年間奨学金を頂きましたこと誠にありがとうございました。奨学金を受給したことにより、金銭面で余裕を持って学生生活を送れたため、バイトを沢山せずに多くの交流活動などに参加することが出来ました。私は授業外ではボランティア部に参加しています。活動内容としては平和園と呼ばれる場所へ行き、子ども達と遊んだり、話したりすることです。今年は餅作りなどの交流活動にも参加することができました。このように地域の人と話す事で多くの情報を得ることができました。人はどのようにコミュニケーションを取るかなど大学の専攻を選ぶのに役立てられるのではないかと考えています。先日私はベトナムに帰りました。そこで私はある旅行会社で見学する機会を得ました。私はこの会社見学で、自分が学びたいことは実際どのようなことか見つけるという目標を立て、見学に臨みました。見学ではどのようにツアーを作るかなどを教えてもらい、観光に関して新たな知識を得ることが出来ました。私は将来環境保護に関する観光活動について興味を持っています。観光産業の発展が著しい中、伝統的な文化を守りつつ、発展に踏み出すべきだと考えています。またこの1年間で毎月、自分の近況などを文書にまとめ手紙を書くのは私にとって非常に有意義なことでした。毎回手紙を書く際には、自分で自分自身を振り返れるよう、毎月ノートを書くつもりです。最後に私を1年という長い間も援助してくださり、ありがとうございます。本当に感謝しています。学生生活を送る中、様々な困難がありますが、この奨学金が私の学生生活の活力となり、勉強や課外活動などの両立が出来ました。今後も継続して頑張っていきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
留学生としては日本語何のよどみもなくという感じでした。旅行会社に勤めると素晴らしい社員として重用されるでしょう。ありがとうございました。


次の方は短大2年間のご苦労をおっしゃっておられます。では、

○私は3月21日をもちまして無事女子短期大学の英語科を卒業することができました。1年生の寮生活はじめ、この2年間は本当に密度の濃い生活でした。寮生活ではたくさんの 友達ができ県内外、また国籍を超えた交流などを通して学年全体の絆が深まりました。寮生活を送る中でさまざまなイベント活動や学習、試験など共同生活をしているからこそ良きライバルとして負けたくないという気持ちも持てたと思います。2年生にあがり私たちが後輩のお手本となるという自覚を少しずつですが実感していき、英語科は体育大会で総合2連覇を成し遂げ、1年生との絆も深めることができました。10月に行われた学園祭で英語ミュージカルを成功させ、また私は茶道部部長としてもお茶会を成功させることができ本当に良かったです。3月20日には国際秘書士、上級情報処理士の資格を取得することができ2年間諦めずに頑張って良かったと思いました。この短大で過ごした2年間は英語や多言語だけでなく、新しい発見や自分を知ること。さまざまな方々とのコミュニケーションの取り方など多くのことを学ぶことができました。何不自由なく生活を送ることができたのも貴財団はじめ、たくさんの方々からの支援のおかげだと実感しております。心から感謝申し上げます。

とおっしゃっておられます。
2年の間にたくさんの事を身につけて卒業なさった、そして社会人として活躍。国際秘書士、海外との関係を持つ会社の秘書。社長も素晴らしい方の入社に大変喜ばれることだと思います。ありがとうございました。


次の方は4日間のゼミ活動で英国をテーマに報告をしております。では、

○ゼミ活動とともに約4日間ロンドン及びケンブリッジを散策しました。1日目はほとんどを観光に費やしました。ベイカー街、ボートベロマーケット、伝統残る木造建築の百貨店リバティ・・・そのどれもが新鮮に目に映り、ただ楽しむだけでなく、彼の地の歴史を感じました。残念ながらビックベンは改修工事中で、木の足場に覆われていましたが、夜のライトアップは素敵でした。2日目はロンドン大学の学生との交流を行いました。そこでは日本語を学んでいる学生も多く日本語と英語を交えながらの会話が広がりました。イギリスの情報や、さらに滞在中の留学生からは他のヨーロッパ圏の料理や治安といった幅広い話題があがりました。そして友人は、その交流会の後も一人の学生とその日1日行動を共にしました。大人数での場では聞けなかったより深い話、例えばEU離脱について個人としてどういう思いを抱いているのか、といった話も聞くことができました。私の質問に彼は答えました。「自分の周りにいる人は経済状況の悪化を懸念してEU離脱には反対している人が多い。けれど僕は賛成だ。今、この国は政治に対して関心を持たない人々が多い。確かに経済状況が悪化するかもしれない。けれどそれで人々は政治に関心を持たざるを得ないし、結果としてより国が成長出来ると考えている」と。それを聞いた私は目から鱗が落ちるような思いがしました。彼の意見は私が調べた時には見ることのなかったものでした。EU賛成派の意見について本やネットで調べるとたいていは移民についての話題があがります。そのことを伝えると「もちろんそういった人々もいる。でも僕の理由は違う」ときっぱりと否定する内容が返ってきました。彼のような意見は日本では聞けなかったのではないかと私は考えています。また政治に対しての関心の低さも日本に似ていると感じました。貴重な意見や、意外な共通点を知れた、とても幸運な機会となりました。3日目はケンブリッジに場所を移し、ジャパンデーに参加しました。そこで我がゼミが行ったのはイ草を素材に使用したアクセサリー販売です。販売の際はイ草がどういったものかを先に説明し、その後アクセサリーの特徴を示しました。慣れない英語での販売や接客は骨を折りましたが、参加者が買って下さった際には大きな達成感を得ました。また短い時間ながらケンブリッジの素晴らしい街並みを見ることができました。今度はより長い時間を使ってケンブリッジの街を歩きたいです。4日目、帰国する頃には皆くたくたになっていましたが、口をそろえてもう1度イギリスに行きたいと言っていました。二度目のイギリス渡航の計画は何もないけれど、いつか実現することになるだろうと思っています。イギリスから帰国後、ほぼ時間をおくことなく熊本青年赤十字奉仕団(RYC)の活動に従事していました。今まで引っ張ってきてくださった先輩方が卒業とともに脱退し、これからは私たちだけで動かしていかなくてはなりません。送別会や高校生との交流会は無事成功させましたが、新学期開けた後の予定もすでに立っているので、まだまだ頑張っていこうと思います。終わりに1年間於いては2年間ご支援くださり本当にありがとうございました。毎月報告させて頂いておりますが、こういった活動にも皆様の支えがあってこそだと思っています。楽しいことばかりでなく、苦しいこともありますが、これからも挑戦し続けていこうと思います。

とおっしゃっておられます。
ロンドン、ケンブリッジ昔のロータリーの国際大会に参加した時、腹いっぱい歩いたことを思い出し、なつかしい報告書誠にありがとうございました。
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