平成30年11月15日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

朝晩は涼しさを通り越して少々寒さを感ずる今日この頃です。 皆様お元気でしょうか。近況報告を読ませて頂きながら大学の卒業に向けてのご苦労、いや並大抵の努力でないご苦労に有難く、唯々感謝申し上げてあります。何を感謝するのかと申しますと、私として涙して読ませて頂く奨学生の方々の30年後の日本。は誠に素晴らしい日本。徳川300年から明治維新から150年と振り返ってみれば世の為、人の為に命をかけて日本を護った若い方々のお陰でした。どうぞ熊沢藩山先生のお言葉「憂きことの尚この上に積れかし限りある身の力試さん」失敗、ご苦労を重ねることが、ご自身の器をひと回りもふた回りも大きくしてくれるものです。頑張って下さい。

最初の方は申し訳なくお許しを頂き「捨てる神あれば拾う神あり」を例にして申し訳ありませんが、お許し頂いて始めさせて頂きます。では、

○私は今、授業料や生活費、携帯の通信費に至るまであらゆる出費を奨学金とアルバイトでやりくりしております。そんな中で両親からは当然自動車学校に行くなら自分で貯金して行くようにと言われておりましたが、30万円という金額を貯めるのは容易なことではなく、在学中の免許取得を半分諦めておりました。ところがこの夏突然母親から連絡があり、祖母と両親で半分ずつ費用を出すから、免許を取りなさい、と告げられました。子育てに投資つくし、今は年金で細々と生活する両親や祖母がなけなしの生活費から自分の為にコツコツ貯金をしてくれていたのだと思うと申し訳なさと感謝で胸がいっぱいになりながら涙があふれそうになりました。その後9月頭から自動車学校に通い始め無事一昨日卒業することができましたので、あとは28日熊本で行われる学科試験に合格すれば晴れて免許取得となります。免許を取得した暁には真先に両親と祖母を連れてドライブに行こうと考えているところです。また夏が終わると、また楽しみなことがあります。それは3年の後期からついに臨床科目が始まることです。専門器具が必要になるため高額な費用がかかりますが、その費用にはいただいている奨学金を使わせて頂きたいと思います。今までは基礎科目がメインだったので人の体の構造や働き、薬のことや細菌ウイルスのことなどについて主に学んできました。今後の土台となる重要な内容であることは確かですが歯科の内容、自分たちの将来のイメージと直接結び付く内容ではありませんでした。一方では今後始まる臨床科目はダイレクトに歯科の仕事や自分達の将来に結び付く内容になっていますので、今から楽しみにワクワクしています。勉強も大変になって来るとは思いますが、今まで以上に頑張っていこうと思います。

とおっしゃっておられます。
免許が手元に、ご両親や祖母ちゃんとドライブが出来ると良いなと思います。事故を起こしませんように。事故を起こさないのが親孝行でもあります。ありがとうございました。


次の方は論文の報告会を前にプレッシャーのお話はマイナス発想。開き直った感じを受けますが人生すべてプラス発想は成功のもとだと申しあげて良いのではないかと思います。では、

○今月は大学院で大学院生が論文の進捗を報告する定例会が開かれました。私は今月の定例会にエントリーしたので、今月が報告の月となりました。先月は夏合宿のことを報告しました。8月は夏合宿のことを報告いたしましたので、今回の報告は7月から準備してきました。夏合宿は私が在籍しているゼミの教授と学生の仲間の前で発表するのですが、今月行われた定例会は数名の教授と他のゼミ生も列席します。報告者はかなり緊張して、聴いている側も報告者の緊張が伝わってきます。報告が終わると質問が様々あります。以前のことですが先輩方が質問に答えきれず、マイクを握り締めて困惑し泣きそうになる光景もありました。自分も「質疑答えきれなかったらどうしよう」どうしても困った先輩方のシーンが頭をよぎります。マイナスイメージをしないように切り替えますが、論文の出来にもまだ自信がなく「この部分が自分でも深められていない・・・」「この部分を突っ込まれたらどうしよう」と不安はより一層膨らみます。自分で自分にプレッシャーをかけるような日々を送り本番を迎えました。当日の報告者は私ともう1人いて2人でした。このような緊張の中報告者がお互いの司会進行も努めなければなりません。報告会がスタートすると「覚悟を決めよう」と自分に言い聞かせました。「最善を尽くそう!」一番自信がない部分も正直に「わからない部分です。自分も思案しているところで時間をかけているところです。」といった内容を口にしたと思います。教授の指導は分かりやすく、窮地に追い込まれることもありませんでした。そうです、結局「案ずるより産むがやすし」の結果に終わりました。報告会が終わると大きな重石が頭の上から外れたような思いにもなりました。本学の大学院生は必ず論文の報告を1年に1回このような形で行わなければなりません。だから私は今年のノルマは達成となりました。しかし論文の中間発表をしたにすぎず、論文の一部分を取り上げたに過ぎません。今後も全体の完成を目指して気分新たに精進していきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
人生とはどんな処でもどんなことでも勉強させて頂くものと思いました。この近況報告は大変感動させて頂きました。ありがとうございました。


次の方は寮に入った過去の自分の絵に再会した感動と、絵をかくのは自分1人で描くのではなく、皆さん、見物の皆さんの意見などで描いたある絵は心で画いているようにお見受けします。私は絵の見学はしますが、自分で描いたのは小学生の時だったので、絵の見方で間違いがありましたらお許し下さい。では、

○今月9月25日まで私の大学は夏休みでしたが、コンクールに出品するための作品制作、学部が参加するイベントのお手伝い。以前賞を頂いた自分の作品が飾られている展覧会に行ったり、将来のためにもっと見聞を広めるため、美術研修に参加したり忙しい日々でした。しかしこの年の夏休みは今までの自分をじっくり見直し、己の新たな弱さを知ることができ、自覚できたとこによって成長することが出来た素晴らしい夏休みになりました。特に私を成長させてくれた出来事が賞を取った自分の作品が飾られている展覧会に行ったことでした。その飾られている私の作品は賞を頂いたことで、主催者の方の所蔵となるので私のもとに二度と帰って来ることがありません。そのような事情から、もう一度自分の作品と会ってきちんとお別れをしに行きました。そして実際に熊本からはとても離れた地に飾られている自分の作品の姿を見つけた途端、涙があふれました。葛藤の中で描いたその作品は故郷から離れた遠い地で立派な姿で飾られてあったからです。ここに来てから、ようやく私は本当に有難い賞を頂いてんだという事をやっと理解できました。理解した時、今まで私を支えて下さった方々の顔が次々と思い浮かび、感謝の気持ちでいっぱいになりました。絵はたいてい1人の人物によって描かれますが、私は今まで出会って来た人々と一緒に描いているんだとそれを自覚することが出来た夏休みとなりました。この出来事により心機一転してより一層作品制作に取り組むようになりました。賞を取るぞ!という浅ましながら欲を持って、たくさんのコンクールに積極的に作品を出品することで、もっと自分を成長させていきたいです。

とおっしゃっておられます。
意欲というのか、挑戦と申し上げて良いのか凄いと申し上げる言葉しかありません。私の若い現役時代多くの社員に毎日お客様に喜んで頂くことが1日の仕事だと徹底することが足りなかった、と。この奨学生のお手紙で反省しOBの方の会合の時申し上げたいと思いました。ありがとうございました。


次の方は鹿児島で教職に就きたい方。実習に奄美で学校へ。離島教育の魅力を報告して下さいました。では、

○私はこの夏期休暇を使って「学校環境観察実習」と呼ばれる奄美の学校で実習に行って参りました。将来自分の生まれ育った鹿児島で教員になることを目指している私ですが、離島を訪れたことも、小規模校の授業を経験したこともありませんでした。大学の授業で知識として離島における教育について学んでいたのですが、訪れる前は離島教育に対して漠然としたイメージしかもっていなかったため、教師として離島に赴任することへの不安が大きくありました。実際に奄美の学校を訪れてみると。昔に比べ整備が進んでいるため、生活していくのにほぼ支障がないこと、人間関係が強いつながりを持っているために大変な事も全員で協力して解決できること。専門以外の教科についても児童、生徒と一緒に学びながら教授できることによって自分の人生の幅が広がること、何より少人数という利点から児童生徒1人1人と向き合い寄り添うことができること等、教師の視点から実際に学校を訪れることによって離島教育の魅力について多くを知ることができました。実習を通じて一番心に残ったのが現地の先生がおっしゃられた「何をするにも少ないから出来ないというのは絶対理由にしない」という言葉でした。この先生がいる中学部は中学3年生が1人中学2年生が1人という。中学生2人の極めて少ない小・中学校であった。そのような状況でも、体育の授業ではチームで戦うバスケットボールやサッカー等の競技は小学生や他の教員も混ざって授業を行ったり、国語や道徳などの話し合い活動が多い授業では島にある他の学校とも協力して共同学習を行ったり、と工夫次第では鹿児島県本土とあまり変わらない教育を実践できることを教えていただいた。私はこの実習を通じて離島教育における実態を把握できたことだけでなく「教師として子ども達に何ができるのか」という教師の持つべき一番重要な核について気づくことができた充実した6日間を過ごすことができました。そして教師という仕事に対して「なりたい」という気持ちがさらに高まると共に自分の知らなかった鹿児島の魅力について知ることができた、自分にとって有意義な経験になりました。来週から大学の授業が始まります。この気持ちを忘れずにさらに勉学に精進し、夢に向かって頑張ります。

とおっしゃっておられます。
書き写させて頂きながら感動の連続でした。私は昔代用教員をした事がありました。この奨学生のような気持ちではなかった自分が恥ずかしい。このような小学校の先生が多くなれば日本の将来に安心して眠れると思います。ありがとうございました。
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