平成29年4月28日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

拝啓
寒さ暑さも彼岸までと言われております。いよいよ桜の出番です。皆様お元気でしょうか。お蔭様で私も毎日家に落ち着く暇がない位です。奨学生の方々の近況報告を読ませて頂き凄い、凄いの連続ですので中に体を痛めつけておられる方、お父さんお母さんがハラハラしておられる感じです。自分の体がすべての基本です。でも頑張ってください。

最初の方は大学の県人会で会話は方言で話すと身内のように感じる方の近況報告です。では、

○私の在籍している大学にはいくつかの県人会が存在するのですが、私の出身である宮崎県の県人会の存在を入学して約2年たった今になって初めて知ることができました。そこで早速県人会に入会して活動に参加したのですが、時期が時期だけに、私のデビューは忘年会となってしまいました。しかし同郷の人ばかりということだけあって、初対面の人ばかりでしたが、会話が弾み楽しむことができました。それは周りの人の人柄も要因のひとつでしょうが、一番は方言にあったと思います。普段の大学生活では、宮崎県出身の友人と話す機会はあまりなかったので、熊本にいながら宮崎弁を耳にするのは非常に新鮮であり、心落ち着くものがありました。今後も県人会の人たちとの交流を大切にしていこうと思います。次はイベントに参加するために、人吉に行ったときのことです。12月の中旬に人吉で林業をITの技術で活性化させよう、というコンセプトのイベントに参加してきました。自分は友人と2人で参加したのですが、いざ会場に行ってみると熊本県内だけでなく全国各地から参加している人がいて驚きました。参加者約40名中半数は熊本県外から来られていて、非常に個性豊かな方たちばかりでした。学生の私にも多くの方が声をかけてくださり、全国各地のローカルな話を聞くことができました。大学の中に居るだけでは、老若男女、業種や出身を超えた人と関わる機会は滅多にありません。今回は自分から一歩踏み出して、世界を広げることの楽しさを実感することができました。今後共に積極的に人との交流をし、幅広い人間関係を作っていきたいです。

と結んでおられます。学生時代に幅広い人間関係を作り人生のプラスになさりたい近況報告でした。ありがとうございました。


次の方は医療に携わる方で、国の医療費の増え続ける現状、その削減に市町村の取り組みのお話のようですが、実習の総仕上げの報告です。9月から始まったことです。では、

○保健所や市町村センターで、地域看護を学ばせて頂きました。市町村センターでは、母子保健事業のひとつとして、母子保健手帳の交付から乳幼児相談、1歳6か月検診、2歳6か月児教室、3歳6か月検診に参加させて頂きました。母子健康手帳の交付は、保健師にとって妊婦さんと初めてお会いできる機会であるため、限られた時間の中で妊婦さんの心配ごとや、気がかりにしっかり耳を傾け、どんなことでも相談しやすい関係づくりに心がけておられることが分かりました。母子保健事業では、母子とその家族の方々の健康を妊娠期から子育て期にかけて、切れ目なく支ええていくことの大切さを学ばせていただきました。また、現在とくに高齢化が進んでいるという地域の実情から介護予防にも重点をおいて取り組んでおられました。介護の原因である骨折、転倒、関節疾患、認知症などを予防し、増え続けている医療費を削減するため、市町村独自で介護予防教室など、さまざまな取り組みがすすめられています。それぞれの地域にはそれぞれの特性や実情があり、その地域や個人が求めているニーズに合うように事業を展開していくことが大事だ、ということを実際の体験を通して学ばせていただきました。地域看護というのは、病棟や施設での看護とはまた違った看護のあり方があり、対象が暮らす地域で、その人らしく生き生きと過ごすことをお手伝いさせて頂くという魅力のある仕事だと、改めて思いました。次週からは在宅看護の実習なので、これまでの学びを深めていけるよう取り組んでいきたいと思います。

とおっしゃっておられます。実習することは本物の保健師と目標の力をもつ学生さんと思いました。


次の方は、入寮時から3年がたち入寮時の引っ越し、寮案内、基本的生活ルールの伝授など直接にご指導いただいた1つ先輩の卒業する4年生の送別会で当時の優しくご指導いただいた先輩の思い出を語ってくださいました。
では

○先日、本学の女子学生寮で今年度卒業する4年生の送別会がありました。気が付けば大学に入学してから3年が経ち、入寮時からお世話になった1つ上の先輩方はもう卒業する時期となり時間が過ぎるのはあっという間であることを実感しています。隣合わせの学生は入寮時の引っ越しから寮案内、基本的生活ルールの伝授など直接的に関わることが多いです。4年生は私たちを温かく迎え入れ、優しく指導してくださいました。そんな4年生の姿を見てきた私達は自分達も後輩に心を尽くせる先輩であろうと各々努力をしてきました。上の先輩から受け取った良いものを次の代に託し、次年度から下の代にも繋げ、可能性を広げていくことは簡単ではありませんが、何事にもかえがたい宝物であると思います。目には見えないつながりの大切さについて深く考えるきっかけとなった先輩のそばで、まだ学びたい気持ちはありますが、頂いたものの多くを大事にし、自分の中で育てていこうと思います。これからは卒業した先輩の活躍を祈りつつ、次期最高年として恥じることのない態度を心掛けていきたいです。

とおっしゃっておられます。感謝のお気持ちの素晴らしさ、ご恩がえしをなさろうとおっしゃるお気持ちを何度も読ませていただき私の方が感激いたしました。ありがとうございました。


次の方は司書として研修を行った感想の報告です。では、

○今回は司書研修として自己参加で武雄図書館と同じ佐賀県の伊万里図書館に行ってきた感想を主に述べていきます。まず、この2つの図書館は佐賀県にあり、対比的な図書館としてよく取り上げられています。武雄図書館は民営と市で作られた革新的図書館であり、伊万里図書館は市民の声を取り入れた理想の公共図書館です。武雄図書館は東京の代官山のツタヤをモデルにしたとあってスタイリッシュな空間でした。配架も日本十進分類法にとらわれない独自の配架となっていました。課題点としては椅子が少ない点と点検パネルが棚に設置してあるものの子供が届かない位置にある点でした。ただ現在は隣にこども館を建てており、それによってより椅子を置くスペースなどを拡げるとのことでした。伊万里図書館は随所に市民の要望が取り入れられていることがよく分かるものとなっていました。創作室は腰の高さにコンセントプラグを設けることで、しゃがむ必要もなく、転ぶ心配もないものでした。しかも絵具を使った際に乾かす台も外にあり、雨が降った時にも良いようにと、雨よけの屋根も出せるようになっていました。図書コーナーでは書架の間に椅子があり、庫の移動が小さく済むようになったいました。これは高齢化を見越しての工夫だそうです。子どもたちへの読み聞かせの部屋にもいくつもの工夫が凝らされており、素晴らしかったです。私は伊万里図書館のほうが、地域のために建てられた図書館に感じられ、好ましと思いました。しかしどちらも市民を思って作った図書館ということは共通していました。形や方針は違っても佐賀県に来てもらおう、居心地の良い図書館を、という思いは同じようです。地方創生が課題となっている今日、目玉となるテーマパークを作る以外の方法もあると考えさせてくれる視察となりました。

とおっしゃっておられます。この方が新しく図書館を作る係りとなった時を考えました。各地を見学してお造りになり、図書館のお手本を造る方になるだろうと思いました。何の事業でも同じです。この方のやり方は成功のコツを教えて下さっておられるように感じました。ありがとうございました。


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