平成29年1月13日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

毎月の奨学生の方々の近況報告を読まして頂きながら学生の時しか出来ないと思いになりましたお話。学業の努力の結果のお話。自分の夢に向かって取得した資格のお話。相手の喜ぶことばかりやり続けてきたお話などなど感激する報告ばかりです。育英財団を南九州各県に作らせて頂いた理由は、各県に多くのお店を作らせて頂き1万5千名の社員が働ける場を作って頂いた各県のお客様のお陰に対して、このご恩がえしに何をすれば良いのかを悩んでおりました時、私の妻が「あなたが学校を中退したのは授業料を払って下さるお父様が亡くなったからでしょう」と言われて自分のようにつらい思いがやわらぐならと30数年前壽崎育英財団を設立いたしました。その奨学生の素晴らしさ。有難いことをさせて頂く有難さに、心から感謝申し上げるばかりでございます。ありがとうございます。

では最初の方は老人ホームに実習に行き84才の高齢者にいろいろ勉強になった近況報告です。

○私は老人ホームへ実習に行かせていただきました。今回の実習では学生が高齢者の方を1人ずつ担当し、その方の人生観や考え方、現在の思いなどを聞かせていただくことが目的でした。私が担当させて頂いた方は84才の女性の方で、お話好きの明るい方でした。一緒にお話できたのは3日間という短い期間でしたが、たくさんのお話を聞かせていただくことができました。高齢の方とお話させていただくと学ぶことがとても多く、たくさんの方とお話することで、高齢者とのコミュニケーションのとり方も学ぶことができます。同じ年齢の方でも耳の遠い方や目の悪い方がおられ、その状態は人それぞれが違うということを実感しました。また高齢でも普通の声の大きさでも話すことができたり、目が悪くなかったりする方もいて、高齢者には大きな声で話さないといけないといった思いこみはいけないのだと気づくことができました。3日間で学んだことを同じグループの学生とまとめて発表したことで、よりその学びは深まったと思います。また別の施設の実習に行った学生の発表からも多くのことに気づかされました。とても得るものも多い3日間だったので、この経験をこれからに生かしていきたいと思います。また私のアルバイトは学習塾で楽しく思い出せば8月に集中講義を行っており、私は今年初めてその講義を任せていただきました。講義をする前に復習をして、内容を頭に入れたり、どのように説明をするかを考えたりするのはとても大変です。長い時は11時から21時まで指導があり、毎日とても疲れました。でも生徒が「分かった」という言葉は嬉しくとてもやりがいがあります。お喋りを生徒に注意することが多いので私は、怖がられており辛いと思うこともありますが、他の生徒に「先生の授業は静かで勉強しやすい」といってもらえるので頑張ってアルバイトを続けることができております。これからも生徒達と一緒に頑張っていこうと思います。

とおっしゃっています。変な言い方ですが、人間というものは相手の人から歓ばれると生き甲斐を感じ益々やる気のでるものです。私の方こそ勉強させて頂きました。ありがとうございました。


次の方は航海士として世界の海を舞台に日本経済に貢献したいと一級海技士へ一発合格などの喜びを報告しておられます。では、

○私は将来航海士として世界の海を舞台に日本経済に物流の分野で大きく貢献することを夢みている者です。先ずは国家試験一級海技士の受験結果から報告させていただきます。なんと一級海技士国家試験は無事に全4科目(航海・運用・法規・英語)を一発で合格することができ、晴れて一級海技士の資格を得ることができました。その証に私の受験票と試験結果の写真をこの手紙に同封しておりますので、ご確認ください。今回このような良い報告が近況報告で出来たことを心から嬉しく思うと同時に、僕の夢を支えて下さっている壽崎育英財団に対して感謝の気持ちで心がいっぱいです。こうして私が国家試験に合格できたのも奨学金に助けて頂いたことで、一生懸命に勉学に励むことができたからに違いありません。心から御礼を申しあげます。これからも、まだまだ取り組まなければならないことは山積みなので1日1日を大切に過ごして一歩一歩夢実現のため精進してまいります。今月末には東京に本社があります、川崎汽船株式会社へ1週間のインターンシップに参加する予定です。その1週間では将来航海士として働く姿を思い描く1週間になることだと思います。この詳細につきましては次回の近況報告にて報告させて頂きたいと思います。

とおっしゃっておられます。読ませて頂きながら大きい夢実現の為に現役の大学生から一級海技士に一発合格なさった経験は一生この方の成功の源をお作りなられたものと思います。将来壁に打ち当たっても学生の時に「あれができた俺だ、出来ない筈はない」次々と成功なさっていく頼もしい方の近況報告でした。ありがとうございました。


次の方は県主催の海外との青少年交流事業に参加し、見るときく(読む)とは大違いのお話から県の事業に対して協力の決意などの近況報告です。

○今月の近況報告として県青少年交流事業の派遣団副団長として香港を訪問させていただきました。現地では、現地の学生が作成してくれたスケジュールのもと充実した日々を送ることができました。中でも特に心に残ったのは香港大学の見学でした。香港大学の学生の勤勉さに驚くと共に、私も彼等のように一生懸命に学習したいと思いました。また「国殤之柱」という天安門事件のモニュメントを見て民主主義の大切さを学びました。現地を訪問するまで色々な方法で現地について調べていましたが、実際に現地を訪れ触れて得たものは私が考えていた現実とは異なっていました。私は今回の研修を通じて、今の若者が国内外の事象にどのように関わればよいのか考えながら県の国際交流の一助を担いたいと考えるようになりました。まずは来月には市(県でなく)主催の国際交流事業で、ステージ部会リーダーとして今回学んだことを活かせるように励みます。

とおっしゃっておられます。短い報告でしたが若者の交流事業によって若い青年男女の参加者が幅広い日本人を創る、友達を作る。この県の事業として取り組んでおられる県は素晴らしいと思いました。ありがとうございました。


次の方のお話はガン患者が今後2人に1人とか3人に1人はかかるお話。小学生の教育の中に組み込まれる。私は90才を越しましたから、ガン患者も仕方ないと思いますが、若い方々が苦しまれるのは申し訳ない。ガンの無い世界が早く来てもらいたいと願うものです。では、

○今月中旬大学院博士後期課題の研修テーマ「がん患者」の生活支援の勉強のために島根県で開催された「がんサロン支援塾」に参加しました。1泊2日の1日目の朝熊本駅を7時6分の新幹線の乗り新山口駅に向かいます。そこで特急に乗り替え日本海側の島根県をめざします。島根県到着は10時30分でした。交通の発展は凄いものです。いよいよ1日半の勉強会が始まります。遠い所からは千葉県、石川県からの参加があり、職種も医師、看護師、社会福祉士、大学教授、私のような学生は1人でしたが多岐にわたる顔ぶれでした。沢山のお話を聞くことが出来て、考えさせられることばかりでした。その中でも特に印象に残っていることは、国立がん研究センターのセンター長のお話でした。「がん患者」は今後2人に1人、3人に1人と推測されています。「ガン」という病気や、患者を理解する為に学校教育に組み込まれる予定であるということです。まず小学生には「ガン」の理解より病気になった人の思いを知るという視点を養う、中学・高校生には「ガン」という病気がどのように進行するかという医学的な知識と「ガン患者」の思いを知るという福祉的観点を学習していくようです。しかし、子どもたちの教えるのは誰かというと保健体育の授業に保健体育の先生が行う。私はこの点に疑問を感じ質問しました。「専門職や社会福祉士、なによりもがん患者が教育の場面に出て、気持ちを述べることが大切ではないか。なぜ保健体育の先生が教鞭をとるのか。国の方針は何故こういうことなのか?保健体育の先生方も「ガン」という病気の勉強をしなくてはいけない、このような状態でそれが真に子ども達に伝わるものか。」国立がん研究センターのセンター長の答えが「そこなんですよね・・・。」と共感されていました。がん患者が増加していくなか「ガン患者」を理解する社会を作ることは、急務だと思います。その為にも子ども達に「ガン」を教え教育に力を注ぐことは大切なのですが、詰めが甘い気がします。島根県での勉強会は新しい情報が入手できてとても有意義でした。それと同時に勉強を積み重ね疑問を意見にして何かを変えていく位の力を身につけたいと切に感じました。

とおっしゃっています。
この方は大学院社会福祉学研究科の方で医学部ではありません。出席した方々で学生は自分一人で勉強なさった。しかし厳しい質問もなさいました。がん研究センターのセンター長様も良いことを質問してくれた、と内心喜んでおられるだろうと私は思いました。ありがとうございました。


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