平成28年9月26日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

平成28年度を迎え皆様お変わりございませんでしょうか。今年度4月14日と4月16日の震度7の熊本地震で激甚な被害を受け、壽崎育英財団の熊本で奨学生交付式と指導会は8月1日に終わりました。財団事務局はこれからが始まりのようでございます。皆様から頂く奨学生からの近況報告は昔も今も変わらず学生生活でしかやれない事や夢や希望など私のような割と高齢の者にとってはワクワクする文面に、時に目頭を熱くしながら楽しく読ませて頂き、独断と偏見でホームページに載せさせて頂いております。どうぞお読み頂いて学生生活や今後の人生のプラスになるように取り入れてください。

最初の方の近況報告です。

○悪天候が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。先日は7月分1万円振り込んでいただき誠にありがとうございました。さて近況報告ですが、実は私7月29日から9月25日の期間、双六小屋でアルバイトすることが決まりました。双六小屋というのは北アルプスにある標高2600メートルほどの場所にある山小屋です。時給はそれ程高くはないのですが、山小屋でバイトすることは高校生の時からの私の夢でした。というのも、そもそも私が医師を目指したきっかけは、高校時代の夏合宿中に先生が滑落したことだったからです。(山岳部に所属していたのですが悪天候の為に沢のようになったところから2〜3メートル落ちてしまわれました。自力で助かったものの片足の踵を骨折してしまい、その後数か月先生は松葉杖生活をされていました)その時2倍ほどにふくれあがった足を抱え、痛みに耐える先生の背中を見ながら(もちろんすぐ下山はできませんし、医師もいません)必要とされればどこにでも駆けつけられる医師になりたい、と思いました。今回わたしがお世話になる双六小屋は夏山診療所が開設させる山小屋の1つです。多くの体験や交流を得て実のある夏休みにできたらなと思っております。
「追伸として」お手紙にも書かせていただきましたが、7月28日から9月26日の間は原則電波の通じない場所におります。近況報告も10月にまとめさせていただく形になると思います。申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

とのことでございます。
双六小屋での山小屋のご体験を楽しみにしております。ありがとうございます。


次の方は教職課程の勉強で子供達と仲良くなる為にご苦労をなさっておられます。では。

○私は現在、大学において教職課程を履修しており、将来は高等学校の公民の教師になることを目標としております。教職課程を履修することで同級生よりも単位数が多くなり、授業に追われる日もありますが、学習内容は興味深いものばかりで、とても充実した日々を送っております。大学の講義以外の活動として、大学と同じ町内にある小学校において学習支援ボランティアとして主に授業中に児童の机上指導を行う活動に参加しております。この活動に参加した理由としては、教師になるために実際の現場で児童との接し方や教師の指導方法等を直接体験して学ぶためであることが挙げられます。また別の理由として小学生の時に通っていた児童クラブにおいて、大学生の方々が勉強を指導してくれたり、遊び相手になってくれたため兄弟のいない私にとって、寂しさを忘れることができて時間を過ごすことができた、という経験があるので、当時の恩返しの意味も込めて同じような活動に参加したいと考えていたからであります。この学習支援ボランティアの活動を行う中で教科書では学ぶことができない様々なことを学ぶことができました。その1つとして挙げられることは授業に集中していない児童への対応であります。私が実践した方法として書道の時間に作業していない児童に対して、その児童が既に書き終えた作品を褒めたうえで、着席するように促したところ素直に指示に従い作業に戻りました。しかし、別の日の同じ手法を別の児童に試したところ、ほとんど私と顔を合わせず、机にうつ伏せの状態になっている児童がいました。授業中に数回話かけたのですが、結局その児童とはほとんどコミュニケーションをとることが出来ずに終わってしまいました。この体験を通じて学んだことは「児童それぞれの個性にあった授業を行わなければならない」ということであります。これは大学の講義で既に学習済みの重要なテーマではありますがが、机上ではイメージしづらい部分でもあるため、実際に体験することで痛感することが出来たと、今では考えております。今回の学習支援ボランティアの活動を通じて、複数の課題を発見することが出来たため、次回からの活動では、その課題を解決できるように努めていきたいと考えております。最後に私は現在大学3年生でありますが、ふと思ったことがあります。それは大学という場所には様々な入口が用意されているということであります。つまり自分の決意次第で様々なことに挑戦することができる環境が整備されている、ということであります。高校生までの環境と大学での環境がまったく違うということを実感しております。大学進学という選択肢を与えてくれた母親に心から感謝しお世話いただいた方々の想いを胸に今後ともより一層勉学に励むことを誓います。

とおっしゃっておられます。
長い報告でしたが、読ませて頂きながら熟慮は成功の秘訣だと思い、挑戦することを誓う言葉、それに大学進学を許して与えて下さった処で私は胸にグッとくるものがありました。親孝行な方だなと思いました。ありがとうございました。


次の方学内の芸術祭でフラダンス部に属し最後の関係でもありお父さんが見学に来られたお話などです。では、

○わたしが所属している出版文化・大衆文化論ゼミではゼミ生それぞれ読んだ文献のレジュメを作り、発表した後に質問や意見交換をします。ゼミ生の発表は音楽雑誌についての研究や近代の女性誌についての研究など、興味深いものばかりです。私は百貨店や広告にまつわる本を読みたいと思い「デパートを発明した夫婦」(鹿島茂著)を選びました。ゼミ生からの質問や意見に答え、インプットだけではなく、アウトプットも必要な大変な作業ではありますが、自分が読んだ本について深く考慮するよい機会となりました。部活動について私はフラダンス部に所属していますが、7月6日学内で行われた芸術祭で引退となりました。学内最後のステージでは3曲踊り、実家から父が初めてフラダンスを見に来てくれたので、大変思い出深い日となりました。7月最後の週の期末試験を終えると、大学に入って3回目の夏休みとなります。インターンシップに参加することが決まっているので、企業の職場体験をして多くのことを学びたいと思っています。また資格取得のために勉強にも励みたいと思っています。

と結んでいます。
百貨店や広告についてどんな考察や発表をなさったのかが伺えなくて残念でした。ありがとうございました。


次の方は笑いの効果についての研究についてお話を書いてくださいました。長生きの秘訣でもあるのかなと思いました。では、

○私は3年生になり後期の実習に向け実践的で専門性の増した講義や演習に一段と難しさを感じています。九月末から始まる実習に備えて今のうちに学んだことをしっかり整理しておきたいと思っています。前期の選択科目では「自由課題演習」という科目があり、私は「笑いの効果」について研究しました。「笑い」が心身の健康によい影響を与えることは昔から経験的に知られていることで、世界中に似たようなことわざもたくさんあります。笑いと健康についての研究はノーマンカズンズ氏の論文からはじまったといわれています。著書「笑いと活動力」には彼はアメリカの編集長でしたが、病名、強直性脊柱症という難病にかかり「治る確率は500分の1しかない」と宣告されたそうです。そこで彼はビタミンCの投与と併せて毎日ユーモア全集を読み喜劇映画やコメディー番組のビデオを見て大笑いすることを課しました。すると苦しかった痛みがやわらぎ、数か月で完治させ、元の職務に戻ることができたそうです。そして現在、笑いと健康について多くのことが研究により明らかにされてきています。有名なところでは免疫力向上、アトピー改善、糖尿病患者の血糖値上昇抑制、ストレス軽減、抑うつ効果、脳の活性化などがあります。実際に、大学でのアンケート調査結果でもよく笑っていた時と、あまり笑わなかった時とでは、笑っていた時の方が体調が良く疲労感が少なく、気分の落ち込みが少なかった、ということがはっきり出ていました。日本人は生真面目な人が多く、笑いに対してあまり良い印象を持たず、ふざけていると思われる傾向にありますが、心身の健康の為には生活の中に積極的に笑いを取り入れた方が良いようです。私も難しい講義や試験勉強などに追われ笑えない日々を過ごすこともありましたが、後期の実習ではよく笑って元気で楽しく乗り切っていこうと思います。どうぞ生活の一部に笑いを取り入れられて健康的にお過ごしください。

ありがとうございます。この近況報告は私個人への忠告と受け止めました。ありがとうという言葉と笑いに努力して人様のお役に立ちたいと強く思いました。ありがとうございました。

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