平成27年9月22日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
  

新しい年度は6月の奨学生指導会からのように見受けられます。
皆様から頂く近況報告はどの方も甲乙つけられません。申し訳ありませんが、皆様がお読みになって何かご参考になれば、と思うものや私自身の感激したものを独断と偏見で書き移させて頂きます。今年度もホームページをお読みになり壽崎育英財団をご理解頂ければ幸甚に存じます。


では、最初の方の近況報告です。

○早速ですが、近況を報告させていただきます。今私は調剤薬局で実習実務をさせて頂いております。はや1ヶ月になります。薬局業務には慣れましたが薬剤師の仕事の大変さを改めて感じています。正確で迅速で丁寧な仕事に責任があるという仕事は医療に従事する以上当たり前のことなのかもしれませんが、学生である私はミスをしてはいけないという大きなプレッシャーと戦いながら実習をしています。実習での勉強会などには、参加費がかかるのですが、調剤薬局の社長のご厚意で社長が費用を負担してくださっております。私の明るい将来の為に応援をしてくださったり、協力してくださる方が沢山いることに感謝いたしております。実務実習も早いもので、あと1ヶ月になりました。家の家事と薬局での実務実習の両方を上手にこなしながら、今後の勉強にも力を注いでいきたいと思います。自分の将来は自らの思いで手繰り寄せなければ手に入らないのだと感じました。昔の人が忍耐とは希望を持ち続けることだ、と言いましたが本当にその通りだと感じています。諦めることなく、最後まで頑張りたいと思います。

と結んでおります。おっしゃる通りですね、希望を持つとは達成を目標としますから耐えて耐えて頑張るしかほかに道はありません。尊敬される薬剤師さんになってください。ありがとうございます。


次の方は蝉が地中に7年、娑婆に出て7日間の寿命のお話で感ずることや、ナガオカケンメイさんのお話。この学生さんの哲学も紹介しております。

○大学の帰り友人の自転車のカゴで蝉の幼虫が孵化しておりました。今まで私は生れて初めて孵化する蝉を見ました。とても感動いたしました。真っ白な体についている羽はまだ風でそよそよとなびく柔らかさです。見ているうちにしわしわだった羽がまっすぐ伸びました。翌日にはカゴからいなくなっていたので、無事に飛び立ったようで安心しました。彼らは7年も前からこの大学の土の中にいたわけなので、私達の先輩です。殻から出てきてまるで今生まれたように見えるのに不思議です。蝉を見ると誰かが言った言葉を思いだします。「蝉は何年も土の中で過ごしていて、やっと外に出て空を飛べると思ったら7日間しか生きられない。とても可哀想だ」と言う人がいるけれど土の中にいることが蝉にとって不幸せだったとは限らない。本当のことは表面的にはわかりにくいものです。人の言葉も 本心と裏腹なことがあります。あまり深く難しく考えるとしんどいよ、と人に言われますが、「本当のこと」を見る力を養いたいですし、柔軟に物事を捉えられる人間になりたいです。さて話は変わりますが、先日の夜、現在ロングライフデザイン活動家をされている有名なナガオカケンメイさんがお越しになり、講和を聞くことができました。穏やかそうな雰囲気であり、お話も上手で面白く、有名なデザイナーと聞いて勝手に抱いてしまう少し怖いイメージとは異なりました。驚いたのはナガオカさんの口から「僕は引きこもりで、人に会うのはとても苦痛だ」という言葉を聞いた時です。普通に流暢に話しをされていて、とてもそんな風には見えませんでした。腑に落ちない私が質問をすると、「人は苦手だし、話をするのも苦手だけど、今日だって学生に伝えたいことがあったから来し、興味をもって聞いてきれるなら、それに応えたい」と答えてくださいました。答えを聞いても本当に人間嫌いの人があんな風に話して、あんな風に活動ができるのだろうか?と信じられなかったため、後日大学の先生に意見を伺ってみました。すると、「彼の言っていることは本当で、彼は実際自分にできる精一杯のギリギリのところでやっている。余裕をもって力半分でやっているのではない。しかし、だから尊敬できるし、人に受け入れてもらえるんだ」という意見を聞くことができました。なるほどそうかもしれないと思いました。人とのコミュニケーションが上手いほうではない私はどうやったら上手い人のようになれるか、なれないとやっていけないのではないか、といつも思っていました。しかし生まれ持ったものがあるので、そう上手くはいきません。下手でもいいから一生懸命やりさえすればいいんだ、まずは。という新しい考え方が自分の中に加わりました。このナガオカさんのお話は今の私が聞くべくして聞いた気がします。よかったです。

とおっしゃっておられます。私も反省させられました。何事にも命をかける人生こそ充実した人生を送れるのではない。そうだ、そうだと感動いたしました。ありがとうございました。


次の方の報告です。

○私は大学院の社会心理学講座に籍をおくかたわら、市内の日本語学校でも日本語教師をしています。日本語教師経験は8年ほどになりますが、その間に留学生の学習意欲の低下や態度の乱れなどが、心の問題と大きく関わっていることを知り、彼らの心にもっと寄り添った指導ができればと、臨床心理士を目指して大学院(修士課程 神戸)へ進みました。30も半ばを過ぎてからの進学に若い子には負けない!と気負って入学したのですが、蓋を開けてみれば同期は皆、私より年上のお姉様方ばかりで30代の私を「まだ若い」と一蹴でした。しかし今思えばその環境は私にとって非常に有難いものでした。ある心理療法の技法に「リフレーミング」というのがあります。これはある事実に対し、人が与えている意味づけを変えて異なる見方でとらえ直す方法です。例えば30才を「もう30」と考えるのか「まだ30」と考えるかで、その後の人生の意味づけが全く違うものになります。いくつになろうが「やりたいことがある」とパワフルに学ぶ彼女たちと過ごせたおかげで私もまだまだ開かれた未来があるとリフレーミングさせてもらい、こうして博士課程まで進んでこられたのだと感じています。現在の博士課程では同期はおらず、時々不安になることもあります。しかし応援してくれている彼女たちの為にも、今年度から本格的に博士課程論文執筆に向けて調査を始めるとともに臨床心理士の試験にもチャレンジしようと考えています。

とおっしゃっています。
まだ30で大学院生。素晴らしい。私も負けないようにまだやりたいことがたくさん残っています。人様のお役にたつ為に生まれてきた、と教わりました。相手に喜んでもらうべきことがたくさん残っています。近況報告読ましていただきながら反省しながら勇気づけられます。ありがとうございました。


次の方はお盆を利用しての帰省し家族を喜ばせる為に自動車の免許を取り大学の街の魅力を知ってもらいたいとの報告です。

◯私はお盆に合わせて帰省し、人吉、球磨にてこのお手紙を書いております。故郷はのどかで涼しくてとても気持ちが良いです。近況報告としましては、お盆明けより自動車学校に通います。大学生になってから部活のない夏休みは初めて迎えたので、早速有意義に使おうと思います。免許を取得したらまずは家族を乗せてドライブに行きたいです。鹿児島の平川動物園や城山展望台など色んな場所に案内して鹿児島の魅力を伝えたいと思っています。鹿児島の魅力といえば毎年夏には桜島フェリーターミナルより桜島納涼観光船が出るようになります。7月後半から8月までお盆を除いて毎晩出港しておりますが、この船内の音響担当として働く機会をいただいております。お客様に最後まで楽しんでいただけるよう、司会者さんと連携してステージを進めていくのは、とても楽しく良い経験となりました。人に喜んでもらうことは私自身の喜びに通じるのだなと改めて学ぶことができます。半年後には就職活動を控え、社会に出る覚悟をしなければなりませんが、ここで学んだことを忘れないようにしようと思います。さて前回も報告しました、ぶり祭りですが参加店舗もある程度集まり、イベントの説明や具体的な内容の話し合いへと移っています。夏休みの間に参加店舗への説明を済ませパンフレットに載せる情報を集める予定なので、私も自動車免許を取り次第鹿児島に戻って活動に参加するつもりです。2年生の後輩たちも、とても熱心に活動してくれて今年も良いイベントを作り上げることができそうです。最後にかごしま水族館の生き物を紹介します。今回はピラルクーです。彼等はアマゾンに住む全長3メートルにもなる淡水魚で、私はよくこの魚の水槽の前で座って眺めています。うきぶくろを肺のように使って空気呼吸ができ、時折みせる息継ぎでは人間のそれよりも勢いがあって面白いです。大きな体でゆったりと泳ぐ様子は、とても優雅で気分を落ち着かせてくれます。

と、おっしゃっています。このような近況報告をホームページに載せますのは初めての試みですのでお許しを頂きたく思います。人吉球磨という山また山の地でお育ちになったこの奨学生の方の鹿児島での驚きです。どうぞお読みくださいますようお願い申し上げます。ありがとうございました。


次の方は語学留学で夏休みの約2か月間フィリピンでの生活の報告です。

○私は先月申し上げたとおり、語学留学でフィリピンのセブ島の町であるセブシティという処に滞在しています。ここは私の初海外であり、今後の学生生活を左右する重要な場所でもあります。滞在期間は夏季休業2か月全てを使った1ヶ月と26日です。フィリピンに来てから、私は毎日文化の違いや国民性に驚きと刺激を感じています。日本と違って発展途上国であるフィリピンは自分が最初に思っていた国とは全く違っていました。日本人がいかにお金を持っている国であり、不自由ない生活を送れる国であるか毎日感じさせられます。以前の私の中ではお金を持っているのが幸せであるという概念が染みついていました。恐らく現在日本人の多くがそう思っているだろうと思います。今私の滞在しているホテルはセブの中心部から少し離れた郊外にあります。ホテルを一歩出れば今の日本では考えられないような生活をしているフィリピン人を見る事ができます。一見不幸に暮らしているように見える彼等ですが、彼等の日常をよく見れば、毎日幸せそうに生活しています。日本人より幸せそうです。私も道を歩く時不思議と笑顔がこぼれてしまう程、陽気な雰囲気が流れています。彼等にとっての幸せとは一体何だろうか?なぜ彼等はあんなに幸せそうに暮らしているのか と毎日疑問に感じています。他人同志の距離が非常に近く、とてもフレンドリーです。私は自分自身の英語力を向上させる為に、ここに来ましたが自分の英語力の無さに失望しています。もし私が英語を喋れれば彼等とのコミュニケーションを取ることができます。日本人についてどう思っているのか、彼等にとっての幸せとは何か。そしてこの国についてより詳しく知ることができます。ここに来て他の国の人と繋がることの重要さと楽しさに気がつくことができました。まさに井の中の蛙でした。残りの1ヶ月と少し、ここで身につく英語力は乏しいと思います。しかし、もっとフィリピンという国について知りたいです。私はこの極めてわずかの期間の中で貴重な経験をしました。来週からは今のホテルより移動して大学付属の語学学校に入る日程です。そこでは様々な国から留学生が来ており、彼等と繋がれるチャンスがあります。語学学習に重点を置きながら人との繋がりを一番大切にしていきたいと思います。来月の報告で、より磨きをかけた自分を表現できるようのこの1ヶ月背水の陣の心構えで1日1日過ごしていきます。

とおっしゃっております。ありがとうございます。貧しい国で人々の生活で大変幸せを経験し人とのコミュニケーションの大切さを学んだ20才の学生さん。将来が大変楽しみでしょう。


次の方は何だかキリストの黄金律と言われる「己にせられんと欲すること他にもその如くにせよ」私の昔教わったお話ですが、それを実行しておられるような方です。

○まず1点目です。卒業研究の中間発表が行われました。4年になり、約4か月かけて行ってきた研究の進捗結果を報告しました。聴講者は学部の1年生から4年生でした。1年生には何をやっているのかを分かりやすく説明するために卒業研究の背景、課題、目的といった1つ1つのトピックについて理解してもらい易いように資料を作成し臨みました。具体的には資料には重要となる伝えたいことだけを記載しておき、口頭で補足を行う形をとりました。またそれぞれの学年で受講している講義に関連づけをしておくこともポイントになりました。実際の発表では多くの学生が、聴講者として参加してもらうことができ、非常に達成感がありました。また3時間という長い間、人前で話すことがなかったので、貴重な経験になりましたが非常に疲れた1日になりました。次に2番目です。本学で行われたオープンキャンパスに研究室のスタッフとして参加しました。私が高校生の時に本学のオープンキャンパスに参加した際に、大学生のスタッフの方々に多くのアドバイスを頂き非常に感謝した思い出があります。このご厚意に対しての恩がえしではないですが、この伝承を継承するためにも、私も高校生にとって会って良かったと思われるように努力しようと考え臨みました。実際のオープンキャンパスでは参加している高校生に対して本学で何を学べるのか、私自身が4年間で何をやってきたか等を説明し、それぞれの高校生が何を目指して大学進学を視野に入れているのかをもとに質問の時間を設けました。学科の紹介だけでなく本学の特待制度、単位について、バイトや学食について、など高校生の気になっていたことに対してアドバイスをしました。1日という短い時間の中で全てを伝えることは困難でしたが、それぞれの高校生の気になっていることについては答えることができました。学科の説明ももちろんですが、私生活やサークルについて等の質問には在学中の私達の方が実体験をもとに話すことができるので、ここだけは絶対に私が話さなければならない役割であると考えていただけに達成することができたので、この1日非常に疲れましたが大きな満足感を得ることができました。

とおっしゃっています。相手の立場に立って物事を処していく姿には感動しました。この方が会社にお勤めになれば大きい業績を上げてくださるでしょう。ご自身が事業をなさっても大成功間違いない方だと思いました。ありがとうございました。

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