平成26年9月8日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

今年の夏は私にとって経験したことのない暑い夏でした。皆様の近況報告を読まして頂きながらお元気なお姿、挑戦する喜びに満ちたお話。学生生活は今しかないと勉強する歓び、などなど90才に近い私にとってはワクワクするお話を毎月150名の方々から頂いて読まして頂いております。私の人生にとって、これに超えた喜びはありません。ありがとうございます。

最初の方のお話です。
先月の奨学生交付式では大変貴重はお話を聞かせて頂いた上食事までご馳走になり、本当にありがとうございました。なかなか社会人の方や上に立つ仕事の方のお話を聞くことがないので大変刺激を受けました。又他大学の奨学生のスピーチを聞いて私ももっと頑張らなければいけないと思いました。私は4月に4年大学に編入をし約3ケ月が過ぎました。
4年制大学は短大と異なり、管理栄養士に必要な専門の授業が多く、入学した当初は内容に追いつくことができませんでした。このままではいけないと思い、毎回ある授業を大切にし、分からないところは周りの友達に聞くことにしました。そうすることで、最近は入学した時よりも授業の内容を理解できるように、少しづつですが前に進むことが出来ました。ようやく授業においつけるようになったのですが、今月末には前期試験があります。今はその試験に向けて勉強をしています。家の方では祖父が入院し、心配しています。しかしますます管理栄養士に早くなって祖父のような患者様の為に、また病気になる前に食のサポートをしたいと強く思いました。そのためにも大学でもっともっと勉強したいと思います。
とおっしゃっておられます。老齢化の進む世にこのような学生さんが増えることは誠に有難いことだと私自身嬉しく頼もしく思いました。
ありがとうございました。

次の方の近況報告の方は大学の国際文化学科の方で発表会で詩の情景が伝わるように苦手な発音で漢詩の発表を行うことや写真部でのサークル活動のお話です。
では、私の近況報告を致します。中国語検定4級に合格することが出来ました。また今月の20日には凌雲林という中国語コンテストが学内で行われます。私は学内で中国語を学んでいる2年生のオーディションの結果出場者8名の中に選ばれました。凌雲林で2年生は「楓橋夜泊」という漢詩を暗誦します。苦手な発音に注意しながら市の情景が伝わるように練習しています。本番は緊張すると思いますが練習の成果を発揮したいです。現在私の大学に短期留学に来ている中国人学生も参加するということだったので彼等との交流も楽しみたいと思います。又私はサークル活動として光画部に所属しています。光画部とは一般的に言う写真部のことです。その光画部の活動として先日行われたトライアスロンの写真撮影をしてきました。動いている人を撮るのは難しかったですが一生懸命プレーしていることが伝わるような写真が撮れるように努力しました。競技者は中高年の方から小学1年生まで老若男女多くの人が参加しており競技が始まる前は楽しそうに、おしゃべりをしていた顔が競技が始まると皆真剣な顔になりとてもかっこよく見えました。また大会を運営している方とお話をすることもでき、このトライアスロンに関わるようになった経緯や大会に対する思い入れなど、トライアスロンに対する熱い気持ちを伺うことができました。これは私がいつも感じていることですが何かに一生懸命に取り組み、またそれを楽しんでいる人の目は本当にキラキラしていて、とてもかっこいいと思います。そして私もそんな人になりたいと思っています。このトライアスロンの大会は、私にそのことを改めて感じさせてくれる大会でした。

とおっしゃっています。
漢詩の心が相手の聞いてくださる方に伝わるようにとおっしゃっておられ、トライアスロンの始まる時の目のお話を読まして頂きながら、この方の人生は相手の立場ですべて見る人生。もう100年以上も前、自動車王と言われたフォード一世の言葉「若し世の中に、成功の秘訣があるとすれば、それは自分の立場からでなく相手の立場にたって考える能力云々」とおっしゃっていると教わりました。オレが俺がでは成功は難しいと教わりましたがまさにそのとおりだと思う私の人生でもあります。
ありがとうございました。

次の方のお話。大学院で博士前期課程で勉強なさっておられる方のお話。
吾々普通の人間から見れば当たり前と思うことでも質の向上の為に、良くなる、あるべき姿にもっていく為の研究日々模索と我々から見れば体がいくつあっても足りないほどの研究をなさっておられるお話です。
大学院での研究活動と授業の両立もうまく調整できるようになってきて、順調に日々の生活を送れています。研究活動の行っている内容は、木質系バイオマスボイラー焼却灰をコンクリート用材料として有効活用行うための研究です。この焼却灰は、そのままで水などの溶媒が存在すると人体に有害な重金属を溶出するため、安全に廃棄するためにはコストが非常に高くなってしまうのが現状であり、それをセメントで焼却灰を固化することにより重金属の溶出を防ぐことが出来ないか、なおかつコンクリートの性質を向上させる材料として実用化することができないかと日々模索している状況であります。自分で実験計画を立てて、いろいろと試しながら、時には方向転換したりして、研究を行っていますが、うまくいかないことの方が多く、日々意気消沈し、それでも前を向くというような状況であります。授業の方に関しても、学部時代とは大きく変わり、内容がぐっと難しくなり、先生方から学生に求めている授業理解のハードルも高くなっているように感じ、一度説明を聴いただけでは、理解が及ばないことも多くあり、大変苦戦しています。しかし学部時代では味わえなかったレベルの学問の域にいることに、少し興奮を覚えているのも事実であり、一日でも早く専門的知識を自分の頭の中で自由に活用できるようになるためにも、今の状況を苦しみながらも、頑張りたいと思っています。将来への展望としては、自分の頭の中でうまく描けていないのが現状でありますが、今やっていることが本来の自分につながると信じて、やっていきたいと思います。個人的な考えとしては、人にはそれぞれ可能性と個性があり、その人でなければできないこと、その人が生きがいとするものが必ず人間1人1人に潜在的に存在すると感じています。しかし私は自分にとっての譲れないもの何事にも代えがたいというもの、成し遂げたいことが明確ではなく、今自分はこの世の中においてどのような位置にいて今後自分自身がどのような位置を目指しているのかをしっかり把握できておらず焦りと不安を日々抱いております。ただそれでも時間は確実に過ぎていくので、最近ではあまり難しく物事を考えずにその時自分が感じたことを確かにしておこうというふうにしていきます。今後も残りの学生生活を充実させられるように毎日を励んでいきたいと思います。

とおっしゃっておられます。悩み苦しみの真最中という感じを受けます。
何だかもう近々さが見えてくる感じです。頑張ってください。
ありがとうございました。

次の方は水産物を扱う会社に就職が決まり、ご自身の目標である日本食文化を世界へ発信することに挑戦すべく勉強が始まっております。就職活動も無事に終わり水産物を扱う会社で働かせて頂くことになりました。日本国内はもちろん、世界各地に支社を持つ会社で目標であった「日本文化を世界へ発信すること」に挑戦できるものと思っています。
それに伴いマーケティングの基礎を学ぶべく現在市役所が主催し開講している「人材育成」という塾の講義に参加しています。農林水産分野の世代を育てることが目標です。講義には県内でご活躍されている会社の社長さんや、経済研究所の方のお話が聞けるとあって毎回学ぶ方が大変多く有意義な講義ですから、私も積極的に参加しています。講義を受けてから「商品を実際に作って売ることの難しさ」に気が付かされました。消費者のベネフィットを念頭に、買って頂ける商品作りを行うには、単によい商品を作るのではなく、その時の世の中の流れや、生活のライフスタイルを考慮した上で”消費者ニーズ”にあった商品を提供しなければならない。それでも売れない商品もあるなど難しい反面、買って頂けるプロセスを考える楽しさもあり、もっと深くマーケティングを学び、将来に活かしたいと思います。来月は東北の岩手県石巻市へ復興支援事業の一環で魚介類のサンプリングに行く予定です。東北で漁獲される魚介類の価値をさらに高めるために高鮮度流通のプロセスを構築することが主な目的です。

とおっしゃっておられます。
理論武装が出来ておりますから実践ではお客様から喜ばれるものづくり。夢も希望もいっぱいと言う方の報告でした。ありがとうございました。

 

次の方は学校の公費両学生として4カ月カナダのバンクーバーにお出になること。
テスト期間は勉強、勉強の毎日。でも自分の知りたいことを勉強できるチャンス。最後は来月の近況報告はどんな報告ができるか自分でも楽しみです。
とおっしゃっておられるかたです。
今月は学業として、そして部活動として大きなイベントがありました。まづ第一に学校の公費留学生選抜試験に合格しました。私の大学の学生として、カナダのバンクーバー、アイランド大学に4カ月間通えることになりました。試験には1人しか合格出来ず、狭き門でしたが、全力を尽くし、夢であった留学に近づくことが出来ました。もう1つは吹奏楽部の一員として県選抜のコンクールに出場しました。賞は惜しくも銀賞でしたが、仲間達27名と一緒に作り上げてきた曲を市民文化ホールという大きな舞台で演奏できたことは私にとって本当に楽しく幸せな時間でした。数カ月かけて練習してきた時間も辛かった時もありましたが大切な時間になりました。学費も生活費も全て自分でやりくりしなければならない私にとってこうやって奨学金を頂けるからこそ学業や部活動に集中することが出来ます。本当に感謝しています。今はちょうどテスト期間中で勉強、勉強の毎日を送っています。テストは難しく大変ですが自分の知りたいことを勉強できるチャンスでもあるので頑張って乗り越えていこうと思います。夏休みは留学に向けて準備を進め、又勉学にも励もうと思っています。また来月近況報告を書くのを楽しみにしています。次はどんな報告が出来るか自分でも楽しみです。

とおっしゃっておられます。
奨学金については載せまいと思っていますが、来月の近況報告を書くのが楽しみとおっしゃるので書かして頂きました。カナダへの留学生へは大学では選ばれて1人だとのこと。又この方はどんなつらい事でもプラス発想の方。何でも楽しい方向でお考えになる方。素晴らしい人生のお方だろうと拝察いたしました。ありがとうございました。

 

次の方は奨学生交付式の時に柿山先生のお隣の席で勉強になったお話を書いておられます。
おかげさまで私も大学に慣れて、日々夢に向かって勉学に励んでおります。
早速ですが私の生活近況報告をさせて頂きます。私は将来の夢である管理栄養士に近づく為に少しずつ料理の腕を磨きたいと考え、まずは1週間に一度必ず夕食を作ることを始めました。自分で買出しに行き、旬のものを使った献立を心がけています。夏休みに入って毎日しています。先日の交付式の際に柿山先生が新聞を読んでいる人と読んでない人はすぐわかるとおっしゃったことが、とても心に残り私も毎日読むことを習慣にしようと思いました。今は気になる記事を切り抜きノートに貼って感想を書いています。
今後も様々な知識を新聞から得たいと思っています。

とおっしゃっています。
この方はなんでも勉強だと思っておられる方。80才になっても90才になってもこのお気持ちを忘れず毎日過ごされるなら凄い方と言われることは間違いない、事業をなさったら他のうらやむ事業をなさるだろうと思います。
ありがとうございました。

次の方も私ごとに関することがありますが、お母さんの感動するお姿が私の母のようにも見えますので載せさせてきました。
奨学生授与式のことを母に話しました。今回はそのことを報告しようと思います。授与式では理事長のお話、奨学生1人1人への授与、そして来賓の先生方のお言葉を頂きました。奨学生の近況報告の番となり皆さんは私よりずっと若いのに、話の組み立ても上手に報告されました。私は近況を成績のことを中心に報告するのか、骨折のケガをしながら入院先で勉強してテストに臨み無事大学4年間を終えた話をしようか迷っていたところ順番が回ってきました。話していくうちにケガのことにも触れましたが、去年より貴財団の奨学生に採用して頂き最初に頂いた奨学金の入った封筒を切れずに大事にしまっている話をしました。授与式から数日後、実家を訪ね母に授与式の話をしました。封筒を大事にしまっていること。当日学生が来賓の先生方をお見送りした後、学生の私達は食事が途中になってしましました。実習等で式典に遅れて来た学生もいました。最後の先生を見送ると理事長が「まだ 食事が途中の学生がいるから、ゆっくり食べさせてあげて・・・」さあさあ・・と学生を元の席に着くように促されました。おかげさまで続きの食事がとれることができました。母にこのことを話しますと「理事長のその気持ちが有難い・・」とポロポロ涙を流し始めました。母の目から次々と涙が溢れティシュで両目を抑えるほどでした。「有難いね、本当にありがたい。理事長がどんな思いでされているかわかるかね。」「あなたの報告したのはそれでよかった。まずは理事長の思いに感謝の気持ちを口にしてよかった。」母に言わせると成績云々より感謝と御礼の言葉を先に伝えることが大切だと言いました。本来ならば私の年は社会貢献をして社会を支える側にならないといけないのですが今尚勉強をしてこのような形で支えてもらっているのは、母に対しても申し訳ない面もありますが奨学金を頂くことについて親子でじっくり話が出来ました。母の涙が今でも心に残っており、母の言葉は心に染みわたりました。人の優しさ、気持ちを受け止めることの大切さ、そして謙虚な姿勢を持つ大切さを改めて考える機会となりました。

とおっしゃっておられます。
理事長の名前が出て来るのは好みませんが、このようなお母さんとお話が出来る生活をなさってお母さんのお考えを教えてもらえる。この奨学生の方にも財団として心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

次の方は大学に通いながら郷土の質に力を入れて参加しておられる。国際人とはどのような人をいうのかの答えを出して下さっておられる近況報告です。
私は毎年6、7月は夏祭り互親組太鼓台の副班長として活動しています。前寿屋周辺をを中心に開催される夏祭りでは、地元の若者を中心とする互親組太鼓台が祭りの華と言われています。私は小学1年生の時に太鼓台の中で太鼓をたたく搭乗員として参加し、その後高校1年生時より担ぎ手として現在は副班長として、この伝統を守っています。しかし最近は担ぎたいという若者が減少しているのも事実です。今年は例年以上に会議を設け、安全にそして観客の皆様に楽しんでもらえるよう準備をしてきました。その結果が当日実ったものと考えています。来年もたくさんの方がわが郷里に足を運んで頂いてこの太鼓台を楽しんで頂きたいと思います。現在大学で学び世界、国際情勢にも常に目を向けています。しかし私の考えるグローバルな人間とは、地元のことをよく知り、愛してからこそ初めて外国の文化や情勢を受け入れていくことが出来ると考えています。グローバル人材と呼ばれている今日ですがそういう人材になりたいものは日本のこと、そして地元のことをよく学び愛して飛び立ってほしいと思います。私もしかりです。この思いを胸に、残りの学生生活も頑張っていこうと考えております。

とおっしゃっておられます。
私も年に何回か海外に参ります。昔は外国人とのお付き合い、そして外国のことの詳しい人を国際人と言われた時がありましたが、これでは自国の自慢や郷里のお話が出来ず唯相手国の話を聞くだけ、お互いが郷土や国の自慢話でお互いが理解できて友好な関係が生まれる、私は昭和38年から米国に行っておりますが国際人ではありません。もう少し国際人らしく振舞えば良かったなと後悔しきりです。この奨学生の方のお蔭で反省させて頂きました。ありがとうございました。

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