平成25年9月2日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 
 皆様から頂きます近況報告のどなたから頂いた分もすべてホームページに載せては、と思い読まして頂いております。130通を読まして頂き私が書き移して、打ち直し、担当の方に渡します。読まれる方が大変だろうと思い結局私の独断と偏見で記載しております。お許しを頂いてお読み下さいますようお願申上げます。

 先づ最初の方は小学校での英語の授業は反対と。でも政府がこれにふみ切ったのは何か理由がある筈。だったら自分は教師として何を身につけるべきかと考え教師になった時、何を英語で子ども達に伝えるか。大学のプログラムです。米国のシアトルでのキャンプ場で寝泊りしながらお手伝いをする。留学です。 8月12日から約1ケ月間アメリカに行きます。大学が主催するプログラムで、あるキャンプ場施設でお手伝いをさせてもらいながら、寝泊りをし、現地の人と暮らす。というものです。場所はシアトルのレベンワースという所にある施設、グルーン、ウォールド、ギルドです。私が海外で生活してみたい、と思いはじめたのは、小学6年生のころでした。学校でホームステイの案内のプリントが、配布されたのがきっかけです。体験談を読み、面白そう、私も行ってみたいと思いましたが、まだ小学生だったので自分には絶対無理だと思い親に言い出せませんでした。それからずっと何となく海外に行ってみたいなと思っていたときに、このプログラムに出会いました。施設で働きながら生活するということで、かかる費用が比較的に安く、1ケ月も長く滞在できるのは、今のこの時期しかないと思い、このプログラムに参加しようと決めました。家族に話すと快よく受け入れてくれ、費用は私がバイトしながらお金を貯金し、その費用額に達したら両親と祖母に返すということで折り合いがつきました。このプログラムに参加することが決まり、私には2つの目標ができました。1つは何事にも積極的に体験し、自分の視野を広げること。もう1つは英語を通じて子どもたちに何を伝えることができるのか、自分なりの答えをだすというものです。小学校で本格的に英語の授業が導入されました。私は正直、これには反対です。英語の授業よりも、日本語を使ったコミュニケーションをとる時間にあてた方がいいのでは、と思うからです。核家族化が進み、地域のつながりが稀薄している環境で、子どもたちは育っています。そのような子どもが一日に話す人は学校の特定の友達、先生、自分の両親と兄弟だけではないでしょうか。これでは自分が持つボキャブラリーも少なくなり、突然自分の知らない人とコミュニケーションをとらざるをえなくなった場合、どうしていいのかわからなくなります。だから授業ではデイベートなど自分の意見を主張し、他人の意見を聞くという機会や、老人ホームなどに行って、自分の知らない人と話す機会などを、もっと取り入れるべきだと私は思います。しかし英語の授業はすでに全国の小学校で始まっています。それなら教師になろうとする私たちは、これに対応していかなければなりません。この時、私はふと「じゃあ、英語を通して子どもたちに何を伝えられるのだろう」と思ったのです。政府がこれに踏み切ったということは、きっと何か意味があるはすですが、私にはまだわかりません。本場のアメリカに行き自分自身で体感し、答えを出そうと思っています。今は保護者を招いて行われる結団式に向けて英語でスピーチをする練習をしています。堂々と発表できるよう、練習を重ね、それ以外でも教育テレビを使って英語の勉強を少しずつしているところです。
とおっしゃっておられます。アメリカから帰ってどんな勉強が出来たのかを伺いたいものです。大へん楽しみです。私が若い頃(戦後でしたが)英語の勉強するなら英語で喧嘩出来るようになれ、など聞いたことがありました。この奨学生の方はアメリカでキャンプお手伝い、寝泊り、現地の人と暮らす。帰国なさったら英語のベテランになる。私の方がワクワクします。 お体に気をつけ十分に勉強して来て下さい。 ありがとうございました。

 次の方は大学院水産学研究科に籍をおかれている方です。 日本食のブームは魚の鮮度指標だとして、その構築を目的に研究をなさっておられます。 現在私は魚の鮮度に関する研究を行っています。魚はお好きですか?私は首折れサバ(ゴマサバ)を使って研究をしています。その内容は魚介類のグローバルな鮮度指標の構築が目的です。今日、世界各国で寿司や刺身を食べる日本食ブームがあり、魚を生食する機会が国外で増えてきています。その理由としては消費者が健康への関心が高まったことで魚の良さが見直されていることや食のグローバル化が進んだという背景があります。その中でグローバルに食を扱う際重要なのは鮮度管理です。しかし鮮度といってもその良し悪しの判断は、とても一般の方には難しいことで、ましてや生臭さを食べる習慣のない海外の方々へ、わかりやすく説明するためには、新たな鮮度指標の枠組みが必要とされていることから今回の研究がスタートしました。以前オーストラリアに滞在中、日本食の人気の高さに驚きました。私達が日頃一般に食べている食事は外国の方々にとっては「fantastic,beautiful,amazing」だったのです。これからどんどん世界に広がりを見せる日本食文化を正しく伝えるためにも研究の重要性を改めで感じました。私の夢は世界中で「今日は魚を食べに行こう」という機会をもっともっと増やしていきたいです。魚を食べる食文化を活性化することで「水産」をさらに盛り上げて行きたいのです。日本国内では魚離れと言われていますが、この状況を少しでも改善したいと思います。大学院生となり学部生時代との違いに驚きました。講義に実験にそれぞれ高いレベルを求められるので時間の使い方やスケジュールの組み方、健康管理などの大切さを改めて考えさせられます。ですから頻繁にスケジュール帳を使うようになりました。たくさんの事が重なり大切なミーティングを忘れてしまったことがありました。そんなミスをなくすためにも手帳をしっかりと使いこなしたいです。また朝の1時間を大切に心掛けするようにしています。少し早く大学へ行き前日の振り返りやその日の計画を立てています。1日を効率よく過ごせるようにと自分なりに試行錯誤しています。9月に三重大学で開催される日本水産学会へ参加するのでその準備を行っています。よい発表となるよう自分の納得いくまで頑張るつもりです。 とおっしゃっておられます。魚の鮮度を指標として世界の基準になるものを研究しておられる。私も商売柄魚を扱っておりましたが当時はありませんでしたが切身は色を見て鮮度が良いとか悪いと行った程度でした。果物は糖度13では美味しいとか数字での発表です。この研究が成功しますと日本だけでなく世界中の業者の喜ぶことではないだろうかと思います。凄い研究です。成功をお祈り申上げます。 ありがとうございました。

 次の方は貴重な国際交流のお話とオープンキャンパスで高校生に自論をお話をしたお話です。 先週の1週間私は国際交流に参加していました。本校は韓国のソウル大学との学生交流を行っています。そして先週はソウル大学学生がこちらに参りましたので県立病院や福祉施設、また観光名所を一緒にめぐりました。会話はほとんどが英語で、最初会話が全くできませんでした。しかし時間が経つにつれて、徐々に会話ができるように、なってきました。英語という言語的コミュニケーションだけでなく身振り手振りも会話をすることができ、会話することがとても楽しくなってきました。また、環境も大事だと思いました。それは日本の学生だけの時も、できるだけ英語で会話することで英語のリスニング力がとても向上したと思います。一週間という短い時間でしたが、韓国の学生との交流は自分にとってとても貴重な体験になりました。夏休みの後半には、本校の学生の代表として、ソウル大学に交流をしにいきます。日本以外の看護の体験できる、ほんとに貴重な体験になると思うので、しっかり学んでいきたいと思います。本当にこの交流で人との出会い、一期一会の素晴らしさを改めて実感しました。私はオープンキャンパスで高校生に対して、在学生として話をしました。何を伝えればいいのか、とても悩みました。そして考えた結果、一番に、あきらめないことの大切さを言おうと思いました。その中で「どんな状況におかれても可能性はゼロではない。もし、その可能性がゼロになるときは、それは自分自身にあきらめたときである」という言葉を高校生に伝えました。自分自身が高校生の時に感じた言葉です。高校生には、ぜひ夢をあきらめずに勉学に励んでもらうことを望み、また自分自身も夢に向かってあきらめずに、日々の努力を焦らないようにしていきたいと思います。 とおっしゃっておられます。 夢をあきらめない、素晴らしいお考えを高校生の時からお持ちとのこと凄いなと思いました。私の現役時代では遅まきですが、30才代2夢は必ず叶うもの、を実感し、以後は夢の実現の為の挑戦の日々でした。奨学生の皆様も同じお考えで今日を築いておられるものと思います。 ありがとうございました。

 次の方は若い身でありながら人生の苦労を嘗めつくしておられる感じの近況報告です。
最近の私は4月から始めたアルバイトの疲れが蓄積されていたようで体調を崩すことが多くなり、いろんなことに支障が出ています。進学や卒論のことに集中するために、バイトをしない方が本来いいのでしょうが、私の準備不足で4年時の学費を払うことが難しくなってしましました。もっと早くから、しっかりとバイトをして、お金を貯めておくべきだったのですが、日々の忙しさと楽しさでお金の問題を後回しにしてしまっていました。きっと現実逃避をしてしまっていたのだと思います。私は大学のことならどんなに忙しくても楽しく頑張れるのですが、バイトのことになると、どうも思いつめてしまう所があります。閉塞間に押しつぶされそうになってしまいます。おそらく高校の時の経験がそういう気持ちにさせてしまうのだと思います。私は普通高校を退学し、通信制高校に入学してずっとアルバイトをしていました。勉強したいのに働かなければならないとい状況に苦しみながら、大学に行くことだけを希望に歯を食いしばって辛いことにも耐えてきました。そして今また同じ状況が私を苦しめています。両親に頼ることもできず友達と悩みを分かち合うこともできず、無力感や焦燥感に支配されてしまいます。応援してくださる方々のために、もっとがんばりたいのに、がんばれるはずなのに少し疲れてしまいました。立ちどまってしまっても容赦なく過ぎていく時間が怖いです。自分1人の生活や命を支えることがこんなにも重いものだとは、知りませんでした。お金、時間、身体、能力・・・すべてに限りがあります。もっと力が欲しいです。今月やっとお金の目処がつきました。しばらくはアルバイトを減らして大学のことに集中できます。やるべきことをやりとげてやりたいことを見失わないようにしたいです。次のお手紙では明るく元気な私であるように今を頑張ります。 とおっしゃっておられます。 お金の苦労だけでもなく人生の苦労を体験しておられるようにお見受けいたします。お金の苦労は人生の中で貴重な体験です。経営者とお話をしておりますと次の社長を息子に譲りたいなどの相談で申上げるのは、お金の苦労をさせては如何ですかと申上げます。 この奨学生の方はお金の苦労と言うあまり人には言えないご苦労をなさったお方です。 ありがとうございました。

 次の方は日本の建築技術を世界に発信するために研究なさっておる方です。 7月は日々の学習を行いながら研究に力を入れました。私は建築構造の研究を進めています。地震や津波などの天災により建物が倒壊し、人命および財産を損なうことを防ぐ研究が主に緒なります。日本の建築技術は他国よりも圧倒的に発展している状況です。それは日本が地震国家だからです。他国は、日本では比較的小さいと考える地震でも大きな被害に見舞われることがあります。このようなことを防ぐために日本の建築技術を世界に発信していかなくてはなりません。そのために私はシンガポールで行われるPSSC(Pacific Structural Conference:環太平洋鋼構造会議)に論文を投稿しました。自分が行った研究成果を世界に発信して行うと思いました。7月はその論文編成と発表用のパワーポイント作成を進めました。様々な文献を参考にしながら、海外の研究者に分かりややすい原稿、図の作成に時間をかけて取組みました。発表は10月ですが、それまでにしっかり練習を重ねていきたいと思います。また私は留学生のチューターを担当しています。(チューターとは日本に来たばかりの我が大学の留学生を生活面、学習面など様々な場面でサポートする人のことです)7月は留学生に日本語指導を行いました。またその留学生は私の研究の後輩であり、研究に関する指導も行いました。多文化圏の人と交流することで、毎日発見があり、自分自身の成虫につながっています。今後もこういった交流を積極的に行いたいと思います。 と結んでおられます。 短い近況報告でしたが凄い凄いと思いながら読まして頂きました。シンガポールで行われる会議は日本国を代表して発表なさるわけです。出席した方々は日本は凄い日本に学べとおっしゃって頂けるだろうと思いました。どうぞ頑張って下さい。ありがとうございました。

 次の方は俗に言われる秀才と言われる方ではないだろうかと思います。私なんどは及びもつかない方だと思いました。 8月6日に前期定期試験を終え夏期休暇に入りました。大学の友人に会う機会が少なくなり、少し寂しいですが、アルバイトやレポート作成に精を出しています。試験の結果は今月23日に発表されます。良い報告が来月の近況報告として書ければ嬉しいです。「公衆衛生看護概論」という保健師になるには必須の科目で試験があったのですが全ての問いに満足のいく解答ができました。もしかすると満点がとれたかも知れません。具体的な点数までは発表されないのですが「秀 優 良 可」の4段階の内の最上級である「秀」を釣ることができたのではないかと思います。昨年は全33科目中「秀」が11個「優」が13個、「良」が9個でした。今年は頑張って奨学生として恥じない成績を残したいです。もちろん学業も大切ですが人間性もしっかりと伸ばせるよう、様々なことを見て、聞いて感じて学習して参りたいです。先日、親戚の赤ん坊を初めて見ました。会った瞬間に小さな命があることに感動しました。これからどのように大きく育っていくのか、とても楽しみですし、同時にいつまでも今の赤ん坊の可愛らしさを忘れずに大きくなってほしいと思いました。いとこであるその赤ん坊の母親は子どもの世話で大忙しでした。しかし面倒だと思うのではなく、心から子どもを愛しているのだとの感じが手に取るように分かるのです。私も母にそのように愛情タップリに育ててもらったのだと思うと照れくさい反面とても嬉しいものです。感謝しています。小さな子どもを見る度に私は大きく育つには、多くの人々に支えられてこそだと感じています。私も今は愛情を受けてばかりですが、いつか与えられる人になりたいと思います。 とおっしゃっています。33科目中秀が11とは驚きです。凄いと思います。集中力があり日頃の努力の賜です。私もこの年ですが、一所懸命「秀」をたくさん頂けるよう頑張りたいと思いました。ありがとうございました。



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