平成24年5月5日
(財)寿崎育英財団奨学生への皆様へ
理事長   寿崎 肇

3月は進学進級卒業など1年の締めくくりの月ですので皆様この1年や学生生活を総轄された近況報告が多うございます。出来るだけ多くの方を載せたいと思います。

○最初の方です。
この4年間、学業にサッカーにと全力を尽くして参りました。振り返ってみますと、至らない部分も沢山あり、目標であった現役での教員採用試験合格はなりませんでしたが、自分なりに有意義な実り多い学生生活を過ごすことの出来た4年間でした。こうして学業、サッカーに存分打ち込み、晴れて卒業の日を迎える事が出来るのも貴財団のご支援のお陰と感謝の気持ちでおります。現在私は実家に帰り、日々教員採用試験に向けた勉強に勤しんでおります。「中学校の教員になり、人間形成に貢献する」という目標を持ち続け、私自身も成長を続けて生きたいと思います。小学校から大学まで続けてきたサッカー、また中学から大学まで高いレベルの中で行うことが出来たサッカーでの経験を充分に発揮して教育の現場で私だからこそできる指導を行っていきたいと思います。私の経験の中で感じたものは、「厳しさの中に本当の楽しさがあり、楽しさを感じるには厳しさがいる」ということです。何をするにしてもうまくいくのは簡単ではなく、そこには必ず厳しさがあり、その厳しさを経験するからこそ、本当の楽しさを実感することができ、その楽しさがあるからこそ厳しさにも立ち向かうことができる。どうしても私はサッカーで感じることが、多くを占めてしまいますが、それがなんにしても、何かしらの学びを得てほしいのです。そのためには、厳しさ、楽しさを持つような段階まで打ち込まなくては、本当の学びを得ることはできないと考えます。

と結んでおられます。
サッカーを通じて悟りを開いた人生の達人と申上げたいお方です。中学の先生になることはご本人の最も得手ですから早くこの道に進まれることを心からお祈りいたします。私の事業の経験から考えますと、こんな方こそ、入社して1年もすれば教育部長になって頂きたいお方です。「人間形成に貢献」することで素晴らしい日本人づくりをお願い申上げるものです。ありがとうございました。


○次の方の報告です。
先日MOT(技術経営)の授業を考えたビジネスアイデアの発表会がありました。1班4名の構成で全4班が発表いたしました。私たちの班は「寝たきりの患者に解放的な自分好みの空間を提供する」というビジネスを考え、約半年間情報収集と分析を繰り返しビジネスモデルを練り続けました。このビジネスでは種々の技術を用い、病室の全ての壁に奥行きのある3Dの映像を流し、そのシーン別に適合した匂いも少し与える事で寝たきり患者の心を癒そうという試みです。開発費の充当が難しいことや、患者の苦痛の本質(親しい人と気軽にコミユニケーションをとる事が出来ない点)を上手く解決出来ていなかった事など、様々な問題がこのビジネスにあった為、情けなくも優秀発表賞は逃がしました。しかしビジネスを考える上での筋を学び、それを実行しようと心掛け続ける事ができたのは、非常によかったと思います。1年間のMOT特別教育コースを受講して得た「自分でよく考えて実行する力」を今後の人生に活かしていきます。

と結んでおられます。医学部でない学生がこのようなことを学ぶことを読まして頂き、各大学が、このような事をやり続けておる日本の大学は凄いと改めて思わされました。ありがとうございます。


○次の方の報告です。
こうして近況報告の手紙を書き始めて、もうすぐ1年が経ちます。1年の間に季節が4つも変わり、じぶんも様々な人々と出会い、沢山の経験をしました。その中で最も印象的な出来事は、この大学に入学できたことです。私にとってこの大学は、毎日何か新しい発見を与えてくれる最高の環境です。また様々な国の方と毎日交流できることも、とても恵まれているなと思います。最初は英語での授業や、自ら進んで学んでいく、アクティブラーニングにとまどっていました。しかし熱心に私たちに教え、1人1人の意見を尊重しながら、授業を展開してくださる教授や一緒に悩み考えてくれる友人や、とても親切にしてくださる先輩方のお陰で学校生活が毎日とても楽しいものになりました。また小学校、中学校、高校といった三種もの教員免許が取得できるプログラムがあったおかげで自分の将来の夢も広がりました。教職を取っている友人と、学校訪問で学んだことや、感じたこと、もし自分ならどのような教育を行っていくか、など語り合えることも、とても幸せです。しかし周りの友人の教育への熱意を聞く度に、自分の考えにまだ欠点が多くあることに気付かされ、不安に思うことも多々あります。その不安な部分が無くなるのか、広がるのかは自分の努力次第なので、後残り2年の間で無くしていこうと思います。また今年は海外研修があります。4ヶ月という短い間にどれだけの体験、経験を積み自分をどれだけ成長させることができるのか、このことが研修後の自分に大きく関わってくるので行くまでの約4ヶ月をしっかり準備していきます。また両親に多く頼らなければならないので本当に人生の中でも最高の経験ができる海外研修にしたいです。1年という時間を有意義なものにできたのも手紙を書いていく中で自分と向き合うきっかけを作って下さった寿崎育英財団心より感謝します。

と結んでおられます。
感謝の気持ちが行間を飾っておられます。すべてのもの、ことに感謝できる方、お幸せな人生間違いないと思います。ありがとうございました。

○どの方の近況報告も凄いものですが、次の方も凄いお方の一人です。
今月は後期の試験があり、後期の結果発表がある大切な月でした。期末試験は人生最高に頑張りました。毎朝4時から5時に登校し、意識が朦朧とするまで勉強し1時間程仮眠して夜中2時頃に下校し、即刻寝るという生活を2週間程繰り返しました。最初は朝起きてから風呂に入る作戦で目覚めをよくしようと試みたのですが帰宅の際に体が冷えすぎて疲れて布団に入っても寒さで1時間も眠れない、という失敗をしました。次の日からは、帰ってから急いで風呂で温まって眠る生活に変えました。知識定着のために最終日までは夜は必ず少しでも、寝るようにしようと決めていました。毎日3時間の睡眠時間を確保するよう計画したところ布団に入ってから1時間も寝付けない、というのは致命的でした。眠る前にシャワーを浴びる生活に変えたお陰で疲れがしっかりと取れてよかったとおもいます。
心配していた起床は試験前という焦りのお陰で毎朝難なく、すぐ動き出すことができました。私はよく母親から「土俵際で相撲をとるな」と指摘されます。後期、ずっと真剣に取組んできたつもりでした。欠点や前期で明らかになった課題も克服してきました。ですが試験が終わって、まだまだだったことに気が付きました。本当の土俵際まで来れば、自分の欠点なんて難なく、解消してしまえて、こんなに頑張ることができるのだと気がつきました。土俵際の力を土俵の真ん中に居るときに発揮できる人間であれるよう春休みを過ごしたいです。春休みは1年間の復習と答案練習をしようと思います。期末試験でいずれの科目も、先生の求める答案を試験本番で完成させることに苦労しました。相手に伝えるということ、専門家である読み手に読んでもらえるものであること、問題文から何を求められているかを正確に判断し、自分の意図をしっかりと伝えられるとうにすることを、特に意識して、常に答案を作成できるよう、国語力と専門知識両方を磨きたいです。

と結んでおられます。
「土俵際で相撲とるな」と躾けられ、それを悟られて勉強に勤しんでおられる姿には頭が下がります。私自身振り返っていつも土俵際で相撲をとっていた自分を反省いたしました。自分にも若い人達にもこのお言葉を伝えたいと思います。素晴らしいお母さんの長くご健康であられますことを心からお祈り申上げます。ありがとうございました。

○次の方の近況報告です。
前文略・・近況報告をさせて頂きます。私は今4月にある研修に向けて準備を進めています。研修とは新1年生にペープサイトやエプロンシアター等の保育パフォーマンスをすることです。いざ自分達で練習をしてみると、とても難しいことが多くて、どんな工夫をすれば1年生が楽しめるか等、クラス皆で考えながら活動をしています。クラスでの活動ということでもあり、クラスの中でトラブルもあります。しかし私は、このようなことも1つ1つ乗り越えていくことで、1人1人が成長していけるのではないかなと思います。
なので最後までクラス全員でしっかりと保育パフォーマンスが成功できるように頑張って行きたいと思います。1年生の笑顔がたくさん見られたら嬉しいです。短期大学での1年間を振り返ると、とてもあっという間でした。この1年はたくさんの人達との出会いがあり自分自身が成長できた年だったと思います。辛いことや悲しいことも、沢山あり、1人で泣いたこともありました。しかし楽しいことや嬉しいこともたくさんありました。自分の好きな保育の勉強ができたこと、実習を通じて多くの子供達と触れ合うことができたこと等、他にもたくさんあります。私が一番嬉しかったことは、多くの方々との出会いがあったことです。短大の友達、先生方、そして寿崎育英財団の先生方です。私は皆様のお陰で保育の技術を磨くことができ、人間として成長できた年だと思っております。

とおっしゃっておられます。
立派な方だと思います。“わたし”と言うことばがありません、すべてが自分の成長は周りの人々のお陰。そして相手の喜ぶことが自分の歓びとお考えの方です。どうぞ子供達を立派な人間に育てあげて下さい。ありがとうございました。

○最後の方のお話です。
卒業試験も無事合格しました。先日1日かけて生徒による刑事模擬裁判の実習が行われました。私は弁護人側として、被告人の無罪を主張する立場で証人尋問を担当しました。事前の準備も相当な時間をかけて、弁護人側のほかの学生と何度も何度も話し合い本番に臨みました。お陰で実習は打お成功。被告人も無罪になりました。証人尋問では、客観的事実を聞き出すような質問をしなければならなかったのですが、証人がうそをついていることを指摘するために、証人に意見を求めたり、自分の疑問を直接証人にぶつけずに、事実を聞きだす形で証人のうそを回りの人に分かってもらえるよう尋問するのが難しかったです。ですが証人尋問技術の本を何冊か読み準備した甲斐あって、模擬裁判を傍聴にいらしてた先生にお褒めの言葉を頂きました。5月に行われる司法試験とは直結しない科目ですが、ここ1週間ほとんどの時間を模擬裁判の準備に割き、実習をしてみて、大変でしたが、とても楽しかったとともに、早く実務家として働きたいと強く思いました。司法試験までの残り2ヶ月、悔いの残らないよう、絶対合格できるよう、受験勉強のみに全力を尽くしたいと思います。

と終わっています。
司法試験に臨む奨学生の方が全員合格して頂きたいと心からお祈りしております。



トップページ
寿崎育英財団とは
理事長挨拶
募集要項
お問い合わせ
寿崎育英財団各県案内
私を語る
 商業界

 寿屋OB会

 ロータリー

 理事長からの
 メッセージ


寿崎育英財団
住所 熊本市中央区水前寺6−1−38
TEL/FAX 096-340-8520

Copyright(C)2010 寿崎育英財団 All rights reserved.