令和7年2月20日
壽崎育英財団奨学生の皆様へ
理事長  米澤 房朝
 

前回の続きです。
10月〜12月にかけて送って頂いた近況報告から抜粋させていただき、掲載しております。
挨拶文を含む冒頭部分は省かせていただいております。ご了承下さいませ。



◯今月は進路についてとても悩む月となりました。様々な園の見学をするうちに、本当に自分が勤めたい園はどのような園なのか見失いそうになることもありました。周りの友人などが続々と就職先が決定し、早く決めなければと考えてしまうことがありました。そんな時に友人が「焦らずゆっくりでも大丈夫だよ」と励ましてくれました。その言葉のおかげで、自分がどんな保育をしたいのか、今まで見学に行った園はそれぞれどんな特徴や方針だったか、一番合っているのはどこなのかを改めて見直すことができました。自分の考えに近い保育所に勤めることで、より自分の力を活かして良い保育ができると考えます。自分の力を最大限に活かしながら子ども達の成長のサポートができるような保育所に勤められるように、頑張りたいと思います。
令和六年も残り1ヶ月を切りました。二年になり、実習や就職活動などで大変だと感じることもありましたが、その分楽しい思い出もたくさんあり、あっという間の一年でした。年が明けると、楽しみにしている「二十歳の集い」があります。地元に戻り、小学校や中学校の頃の友人と久しぶりに会い、話をすることがとても楽しみです。そして、短大生としての時間も残りわずかとなります。一月の下旬から短大最後の定期試験があり、それが終わると卒業式まで講義はありません。そのため、試験後の約二カ月間は、保育者として働く前の準備期間になります。その期間をどう過ごすかによって、四月からのスタートが全然違うと思うので、無駄にせず、充実させられるようにしたいです。ピアノの練習や手遊びのレパートリーを増やすこと、教材作りやこれまでの講義で学んだことの復習などをしたいと考えています。自分が楽しく働くため、そして子どもたちにとって良い先生になるための準備をしっかりしたいと思います。残り三カ月の学生生活を充実させられるように勉学に励んでいきたいと思います。

ご自身の将来どうなりたいか?にしっかりと向き合い真摯な姿勢で取り組まれている姿に感心いたします。また残りの期間をしっかりと四月からの生活へ向けての準備期間と捉え、さらに精進をされるご様子です。きっと子ども達にとって良い先生になられることでしょう。ありがとうございました。



◯近況報告でございますが、大学が休みの日に放課後等デイサービスのボランティアに積極的に参加し、とても有意義な時間を過ごすことができています。放課後等デイサービスには、コミュニケーションをとることが苦手な子どもや、静かにする場面、空間でお話をしてしまう子ども、計算が苦手な子どもなど様々な子ども達がいることを理解しました。最初は、関りが分からなく戸惑うことが多かったのですが、時間が経つにつれて子ども達との距離感が掴めていき、楽しく遊べるようになりました。しかし、ボランティア修了後に全身筋肉痛だったので普段から身体を動かすことが大切だなと痛感しました。また、子ども達との関りの中で、できないことではなく「できること」に目を向けた支援を考えていくことが大切だと学びました。そのため、子ども達の強みやいいところに気づいたら、本人に言葉にして伝えることが重要だと感じました。これからも様々なボランティアに参加して、より多くの経験を得て自分自身のさらなる成長に役立てたいです。

ボランティア活動を通して、様々な経験をされ、そこからいろいろな事を学ばれているようです。しっかり学んだことは成長に繋がってくると思います。ありがとうございました。



◯私は大学の保育コースに在籍しているのですが、特別支援学校教諭免許状を同時に取得するため、特別支援教育に関する科目と履修してきました。十月二十八日から二週間、今までの学びをもって実際に支援学校で実習を行いました。小学部二年生を担当し、児童と積極的に関わり、研究授業も行いました。児童の実態は様々で。初日はどのように対応するべきか、コミュニケーションの取り方一つでも悩み、大学での学びを活かすことができませんでした。しかし、先生方の姿を観察する中で、児童に合わせてコミュニケーションの方法を選択することを学びました。話すことが好きな児童とは会話を通して関り、発語が困難な児童にはカードや手話を用いて関わるなど、それぞれ方法があることを知り、次の日から実践しました。研究授業に向けても、実地授業を重ね、日々改善点を指導して頂く中で、児童が主体となる活動の在り方を学ぶことができました。今回の実習で学んだことを、大学でさらに深めたいと考えます。
そして、先日就職第一希望の保育園の採用試験を受けました。アルバイトをさせていただいている保育園です。現在結果の連絡を待っている状況です。結果については来月報告させていただきます。少しずつ気温も下がり、秋の季節を感じられるようになりました。しかし日中との温度差が大きく、体調を崩しやすくもあります。これから卒業論文の執筆に力を入れるため、体調管理に気をつけたいと思います。

採用試験の結果待ちとのことですが、来月きっと良い報告をしてくださることと思います。くれぐれも体調に気をつけて論文に取り組まれてください。ありがとうございました。



◯先週の日曜日に一級建築士の製図試験が終わり、やっと肩の荷がおりたところです。11時から17時30分まで休憩なく図面を完成させなければいけない試験なのですが、緊張で手が震えてしまい、勉強の成果が出せず、悔しい終わり方となってしまいました。12月末の結果発表までドキドキですが、気持ちを切り替えて、次は卒業論文と卒業設計に本腰を入れて頑張りたいと思います。
さて、今回は「摂食障害」について私が最近見聞きしたことや、自分が考えたことについて書かせてもらいたいと思います。実は私も19歳?くらいの頃に摂食障害で病院に通っていたことがあります。私の場合は自分で食べる量をコントロールできんかうなる「過食」とい症状でした。「拒食」「過食」「過食嘔吐」などの症状をまとめて「摂食障害」と呼ぶのですが、実はこれらは同じような原因で発症するのだそうです。「食べられなくなる」「食べ過ぎてしまう」という真逆の症状なのに驚きです。原因としてはどちらも「痩せ」に対する過剰な執着ですが、その根っこには子どもの頃の愛情不足や人間関係で大きなストレスを受けていた等、精神的な問題がひそんでいるのだそうです。ですので、表面的な症状だけを見て、無理矢理ご飯を食べさせたり、もしくは食べさせなかったりするなどを患者にしてしまうと、悪化してしまう可能性が大きいと教えてもらいました。
精神疾患の病気は身体的な病気と比べて死亡率が高いですが、その中でも摂食障害は死亡率7%と非常に高い割合です。これから生きていく上で、自分はもちろんですが、自分の周りの人が精神的に辛そうな時に、寄り添ってあげられるように気をつけたいと思います。

摂食障害という症状について初めて知りました。貴重なお話をありがとうございました。



◯今月は先月のお礼状にも記載していた毎日日記の効果について報告させていただきます。先月のお礼状にも記載していた毎日日記の効果について報告させていただきます。先月の時点においては、私はネガティブ思考でした。そのため毎日「今日頑張ったこと」「今日の一言」を記載するようにしました。「今日頑張ったこと」には些細な頑張りまでできるだけ多く書くようにしていました。その日にあった良い事に目を向けることで、少しずつ前向きに考えることができていると実感できました。「今日の一言」には、その日の出来事と心情、改善点とそのための対策を記載していました。いました。一カ月続けてみたところ、自分の思いを紙に書くことで、気持ちを整理することができると感じました。また今までであれば押し殺していた思いも表出すことができ、とても気持ちが楽になりました。まだ毎日日記を記載し始めて、一カ月経つくらいですが、昔の私と比べてとても前向きに物事を考えることができていると実感できています。
また毎日日記と同時に「三週間のTODOリスト」を作成し、実施の有無がすぐに分かるようにしていました。このTODOリストには、習慣にしたいきたいと思う事柄を書いています。行動科学の「三の法則」行動心理学の「インキュベートの法則」によると、新たに習慣にしたいことを二十一日間続ければ、顕在意識から潜在意識になり習慣として定着すると言われています。実際に三週間続けてみると、多くの事柄が習慣化しました。特に、大学三年生の頃から「改めて英語力を高めていきたい」と考えており。今回TODOリストに入れたところ、一カ月忘れることなく継続することができています。三週間続けることができなかった事柄に関しては、次のTODOリストにも入れることで習慣化できるように工夫しています。この一カ月間で改めて「実行すること」の大切さを学びました。考えているだけでは何も変わりませんが、実際に行動することで様々な良い結果を得ることができました。今後も考えるだけでなく「実行していくこと」を大切にしていきたいと思います。

自分で変わりたいと毎日日記をつけることにより良い方向にむかっているそうです。素晴らしいお話ありがとうございました。



◯11月はテストが連続する月でした。自家用操縦士資格の学科試験と大学の中間テストが重なりハードなスケジュールでしたが、全てのテストで満足のいく結果を出すことができました。学科試験にも合格しました。貴財団のご支援で勉強に集中する環境を作ることができています。継続してサポートいただき、誠にありがとうございます。
11月中旬に、福岡県筑前町にある大刀平和記念館を訪れました。ここは日本で四番目に造られた陸軍飛行場があった場所です。空襲で破壊された跡地に記念館が建てられています。建物内には飛行隊員の遺品や墜落したB29の残骸など、様々な展示物があります。その中で一番の目玉はゼロ戦です。実際に使用されていた機体が展示されており、コックピットの見学もできます。現代の旅客機はコンピュータ制御されている一方、ゼロ戦はアナログ計器でした。また当時は航法支援設備が発達しておらず、地文航法(地上の物標を見て飛ぶ航法のことです)がメインでした。間違いなく操縦技量は昔のパイロットのほうが優れていたと思います。技術が進歩するにつれ求められる能力は変化しており、現代のパイロットはマネジメント能力が求められます。一生勉強だと先生から口酸っぱく言われますが、それは時代に変化に柔軟に対応するために必要なのだと改めて思いました。資料館の見学を通じて、戦争の悲惨さを重く感じました。二十歳前後の若者が特攻に赴くなど、現代では考えられません。しかし、近隣諸国は軍備を増強しており、日本は有事のリスクに直面しています。我々には過去から受け継いだ平和を守り、未来へ託す義務があると思います。先日に衆議院選挙がありましたが、投票率は相変わらず低水準でした。属人的で無関心だと、一部の意見しか政治に反映されません。複雑な国際情勢のなかで、日本がより良い方向に進むためには様々な意見を取り入れて活発な議論をすべきであり、そのためには国民一人一人が政治に関心を持つことが必要だと思います。大学の同級生と政治の話をして、世に中に関心を持つように心掛けようと改めて思いました。
パイロットとして生涯を全うする覚悟と、平和のために今できることは何かを考えさせられる見学でした。パイロットの仕事とはどこか職人気質があります。専門知識の一辺倒にならないように、教養を身につける意識を心かけていきたいと思います。

平和記念館を訪れた事から、戦争について、政治ついついて、ご自身の未来について考えられたようです。一つのことからここまで考えをしっかり持たれる、凄いです。このような方が増えると良い日本になっていくことと思います。ありがとうございました。



◯はじめに、先週までドイツに留学しており、九、十、十一月分の近況報告並びに奨学金受領書の提出が滞っておりましたことをお詫び申し上げます。
さて、先述の通り、九月からつい先週までの三カ月間ドイツのティービンゲンという街で研究留学をしてまいりました。今回の研究内容は、熊本大学で取り組んでいる火災報知器などの使用されるガスセンサの光を用いた性能向上に関する研究をさらに深めたものです。具体的には、さまざまな光の波長や検知対象ガスを条件に加え、それらがガスセンサ材料とどのように反応するかを詳しく調査しました。ドイツの研究では、精度の高い装置やクリーンルームの充実ぶり、また学生たちの知識の豊富さに驚かされる場面が多々ありました。研究成果として、特定の光の波長に対して高い応答を示すガスや、光照射時にガスセンサ材料表面で特異的に生成する反応生成物を発見することができ、大きな進展を得ることができました。これらの成果については、今月末の熊本大学での報告会で発表する予定で非常に楽しみにしております。また、ドイツでの生活は初めてのことも多く戸惑いもありましたが、多くの新しい経験を得ることができました。テュービンゲンの美しい街並みに心癒され、休日にはカフェで読書をしたり川沿いを散歩したりして過ごしました。十月にはミュンヘンのオクトバーフェストに行き、遊園地やテントでのビールを満喫しました。また、レジデンツを訪れ、豪華に装飾された部屋や宝石に圧倒されました。十二月にはクリスマスマーケットに足を運び、本場のクリスマスの雰囲気を存分に味わいました。他にも家の近くにあったホロコーストの慰霊碑では歴史の悲惨さを肌で感じる機会もありました。霧の中をお城までハイキングしたことも、印象的な体験の一つです。
生活面では、特に料理に対する興味が大きく深まりました。きっかけは、料理好きなドイツ人の友人が日本料理を一緒に作ろうと提案してくれたことです。それ以来、週に三回ほど自炊する習慣がつきました。また、自分の誕生日にはケーキ作りにも挑戦しました。限られたドイツの食材を使いながらおいしい料理を完成させる喜びを味わいました。帰国後は反対に日本の食材を使ってドイツ料理を再現してみたいです。
テュービンゲンでの留学を通じて、異なる文化圏での研究手法や生活スタイルを学べたことは私にとって大きな財産となりました。今後は、この貴重な経験を活かして日本での研究をさらに充実させるとともに、留学先で築いたつながりを大切にしながら、国際的に活躍できる人材として成長していきたいと考えております。このような貴重な留学の機会を与えてくださった教員の先生方、現地で支えてくださって皆さま、そして留学を陰ながら支えてくれた家族に、心より感謝申し上げたいと思います。また、貴財団のご支援により、日々の生活費の一部を賄うことができたことに大変感謝しております。

ドイツ留学で、研究の関することだけでなく、いろいろな学びをされたとのご報告。周りの方への感謝を感じていらっしゃいます。きっとこの経験が役立つ日がくることでしょう。うございました。




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