令和7年1月16日 |
壽崎育英財団奨学生の皆様へ |
理事長 米澤 房朝 |
新年おめでとうございます。2025年のスタートでございます。早いもので昨年の能登半島地震から1年が経ちました。未だに水道も通らずご苦労されている方も多くいらっしゃるようですが、一刻も早い復旧ができるようお祈り申し上げます。奨学生の皆様は新年に何を思われましたでしょうか。2024年を振り返り新しい年の目標を是非たてて欲しいものです。
早速ですが10月から12月にかけて頂いておりました近況報告をご紹介したいと思います。何度かに分けてご紹介させていただきます。
時期が少しばらばらになっておりますが、ご了承くださいませ。 では、
※近況報告の冒頭の挨拶文は省略させていただきます。
◯先月の十日にJR鹿児島中央駅前AMU広場にて開催された「フェスティバル秋inAMU広場」に大隅法人ボランティアとして参加しました。今回の事業では『「子供の体験活動推進宣言」の実現に向けて、コロナ禍で奪われた子供の体験の機会を提供するとともに、家族や一般の方々に体験活動の重要性を啓発する』を趣旨として国立大隅青年自然の家や株式会社サクラクレパスなど全十四団体がブースを出店し十時から十五時三十分までイベントを開催しました。ほとんどのブースを無料で体験することができるため、気軽に立ち寄ることができ、今回の事業の対象としていた、体験活動に興味のある家族や一般の方々が多く訪れ、来場者数は私の予想を大きく上回り、四千人を超えました。ブースの内容は本当に様々で、各団体がそれぞれ思考を凝らして出店しており、私が担当したブースは霧島アートの森が出店するぬりえとしおり作り体験でした。ぬり絵では、株式会社サクラクレパスの協力でクリスマスや動物などの可愛いイラストとクレヨンを提供してもらい、子どもたちが思い思いに色を塗り、楽しんでいる様子でした。また、しおり作りでは実際に霧島アートの森にある作品のうち四つを小さくモノクロに印刷し、子供たちが自分で色を塗ったり、切ったりしたものを私たちボランティアスタッフがラミネート加工をし、穴あけパンチで穴を空け最後に好きな色のリボンを通してしおりにするといった活動でした。一日子供たちが体験活動をしている様子を間近で見て、触れ合って感じたことは、私たちがボランティアで持つべき力は子供たちが「自分でできるようになる」をサポートする力だということです。スムーズに作業をできていない様子を見るとつい手伝ってあげてしまいがちですが、子供たちも時間をかけてじっくりすることやアドバイスを伝えてあげることで意外と一人でできるのだという事実を目の当たりにしました。色々な体験活動が自然の家で行われ、そこに自分がボランティアスタッフとして活動する中で、せっかく参加してくれた子供の成長する機会を奪ってしまわないように、あくまでもサポートとして傍にいて、自らチャレンジして成功へと繋げてあげることが大事なのだと痛感しました。大学生になり、自分自身が指導者側、主催者側としてボランティアに参加することが多くなってきた今、今後のボランティア活動へ活かすことのできる経験をまた一つ重ねることができ、益々ボランティア活動への意欲が増すのを感じることができて一日となりました。これを機に自分は何を目標としてボランティア活動を続けていくのか、どんなボランティアスタッフでありたいかについて考えてみようと思います。
一つのボランティアを通してこれだけ多くのことを考え、そこから得たもの、またこの先どうしたいのか?考えられたとのご報告でした。何事も真剣に取り組んでおられる姿に脱帽です。人間的にも素晴らし成長をされているかと思います。貴重なご報告ありがとうございました。
◯先日「応用栄養学実習」という科目で高齢者を対象とした食事について学ぶ機会がありました。先月は嚥下機能が低下した方への対応を考えながら市販品を活用し、食べやすい食事を調理する実習を行いました。特に、先週の班ごとに嚥下機能が低下した方でも楽しめるクリスマス料理の献立を考え、実際に調理する実習が印象的でした。工夫した点やこだわりが班ごとに異なり、それぞれの発表を聞くことで多くの学びが得られました。例えば、食材を滑らかにペースト状にすることでのみ込みやすくし、見た目を工夫して季節感を演出するなど、どの班も対象者が食事を楽しめるように工夫されていました。調理後の試食では、見た目や味だけでなく対象者が安心して食べられるための細かな配慮が感じられ、とても勉強になりました。
私は現在、保育園での実習を希望しており、将来も保育園で働きたいと考えています。しかし、まだ学んでいる途中であり自分の考えがかわる可能性もあります。そのため今回のように幼児期以外の人を対象とした食事について学んで良かったです。どの年代でも、その人の状況に寄り添った食事の提供が求められるために、柔軟に対応できる知識と技術を身につけたいと思いました。実際に高齢者食を献立から考え調理した経験は、自分の視野を広げる貴重な機会になったと感じています。これからも幅広い対象者について学びながら自分にとって最適な進路を見つけていきたいと考えています。日々の学びを重ね、将来より多くの人に寄り添える栄養士になれるよう努めてまいります。9カ月間奨学金を頂き誠にありがとうございます。ご支援のおかげで学業に専念することができました。残り三カ月も、今まで以上に努力し学びを深めていきます。
栄養学実習という科目で高齢者を対象とした調理実習でのご報告。班ごとに分かれそれぞれの考えで、工夫を凝らして勉強になったとのことです。ご自身の知識となり良かったそうです。何事もきっと力になり、この方を助けてくれることでしょう。素晴らしい心構えのお方でした。ありがとうございました。
◯10月の近況報告です。今年の6〜7月に鹿児島県肝属郡東串良町において高齢者福祉センターと総合センターの複合施設を新たに計画することを目的としたワークショップに参加しました。私を含めた学生それぞれでプランを待ちに提案することとなっており、それらスケジュールが今月より本格的に開始しました。四年間と半年建築を学び、多くの建築課題を学生ながらに設計しましたが、今までの課題は実際にそのプランを使用する人はいない状態でのものでした。しかし今回は「実際にそのプランを使用する人がいる」状態での計画は明らかにこれまでと異なり、延べ床制限が予算によることや想定機能が実際に使用する人のためであることがより意識でき、とても貴重な経験ができている実感があります。また先月にはヨーロッパに赴き西洋建築を目にした際、日本の様式には無いアイデアのインプットが多くでき、本案にも反映させ計画することができています。しかし風土の違い(気候の違いや地震の多少など)により建築基準法に違いがあり、それらの擦り合わせを自分の中で行うことで、その建築がその土地になぜ建てることが可能であるかまた建つことが求められたのかといった点に気付くことができ、有意義な学びを日頃より得ています。
実際に使用できる建築を設計し、提案するという経験をされたとのこと。実際に使用することを想定することにより、いろんな事を考えないといけないのですごく良い経験ができているようです。いろいろな学びを日々得られているようで有意義な毎日をお過ごしのようです。学ぶ姿勢が勉強になります。ありがとうございました。
◯10月の活動ですが、大学では引き続き臨床実習に取り組んでおり、前半は呼吸器外科、後半は精神科にて実習を行っておりました。呼吸器外科では肺癌の患者さんを担当しました。この患者さんは癌の部分を切除することになったため、ロボット支援下で切除を行うこととなり、私も手術室に入り手術の補助を行いました。メスで皮膚や筋を切開し、癌切除後の縫合を行ったのですが、生身の人で行うことへの緊張感は大きかった半面、これまでの実習でモデルを用いて練習した内容を実臨床で行うことができ、その達成感も大きなものでした。今後の実習でも患者さんに対して手技を行うことがあるので、初心を忘れず、緊張感をもって適切な手技を行えるよう練習を続けようと身が引き締まりました。後半の精神科では、中学生の患者さんの担当となっております。私は精神科に関心があり、中でも児童精神領域に興味があるため、今回の精神科実習ではより一層熱を入れて実習に参加しております。担当の患者さんは精神科病棟に入院するのが初めてであったこともあり、最初は緊張感が強く、なかなかコミュニケーションをとることが難しかったのですが、興味のある漫画やゲームといったたわいのない話から関係性を深め、信頼関係の構築に努めています。また。自身の気持ちを言葉で適切に表現することも難しいため、表情を観察しながら診断や治療に関わる内容を少しずつ深堀りしておりました。精神科実習は11月上旬まで続くため、患児とのコミュニケーションを通じて精神科医療に必要な洞察力を磨いていきたいと考えております。
実習で実際に治療にあたり達成感を得られたようです。今後もその気持ちを忘れずに素晴らしい医療人になられることを期待します。ありがとうございました。
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