令和2年10月13日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

拝啓
「天高く馬肥ゆる秋」と教わったことがあります。なつかしい諺?です。お元気でしょうか。
人生は世のため人のために奉仕する、体は1つ。お体には十分お気をつけ勉学に励んで下さい。皆様からの近況報告は9月分です。皆様の報告事項がたくさんありました。頂いた分は甲乙つけ難くホームページに載せる皆様、全部ともできませんので、勝手に選ばせて頂きました。お許し下さい。書き写させて頂きながら、お一方お一方のお考えなど私にとって大変勉強になります。有難いことだと感謝しております。ありがとうございます。

では、最初の方です。出掛けることができない分介護の仕事を始めました。施設の介護ではなく「自立生活」をモットーに重度障害者の自宅に行き家事や身体介護のサービスについての勉強を深く記録したものです。では、

○今年は出掛けることのできない退屈な夏でしたので、私は介護の仕事を始めました。介護の仕事は3K(きつい、きたない。危険)なんて言われるそうですが、新しい世界や価値観を知ることは、とても新鮮で刺激的でとても楽しく気付かなかった大切なことに気づくことのできる素晴らしい仕事です。毎回とても勉強になります。私のいる事務所は「自立生活」をする重度障害者の自宅に行き、家事や身体介助のサービスをしています。「自立生活」とは、ここでは主に重度の障害者施設ではなく、地域社会で親から自立して暮らすことを指します。多くの障害者は学生時代から学校も分けられ、施設に入れられます。私がしているのは介護とは違い、一人のヘルパーが一人の利用者さんを担当し、利用者さんの指示されたことだけをする介助です。障害者のためのサービスを考えるには、当事者が中心となるのが最善だということで、この事業所の代表も重度障害者です。ヘルパーの研修も当事者が行うのですが、私は研修の中で「危険を冒す自由。過ちを冒す自由」という言葉が強烈に印象に残りました。例えば障害者でもカラオケオールはするし、夜更かしもします。呼吸器を付けていても海外旅行をしたり、たばこを吸ったりします。好きな物しか食べない人もいます。しかし自由がないだけでなく、私達が当たり前に経験できる危険や失敗を経験する自由がありません。私はそんなことをこれまで考えたことは一度もなかったので、自由のない不自由さは想像できたのですが、障害者が他者によって経験や失敗の機会を奪われていた、ということには考えが至りませんでした。「自立生活」を支援する介助者はその自由を決して奪わないように失敗しそうな時でも止めませんし。余計な口出しもしません。ただ利用者さんが「これをして」と言った時だけ働きます。使用者さんは家族でもない他人と24時間生活しているので、自分の介助が気の利く介助か、余計なお世話か常に気を付けて利用者さんのストレスにならないよう気を配っています。介助をする中で色々な気づきがありました。私は大学で病気の勉強をしてきました。この病気の原因はこれで、どういう経過をたどり、平均〇才で亡くなるということを沢山学んできました。ですが障害をもたらす病気のことは知っていても、障害をもって暮らす人生については、これまで一度も考えたことはありませんでした。今は医療が進歩し、障害があっても長く生きられる時代です。病気しかみていないと障害のある人生を悲観してしまいますが、自立生活をする使用者さんは、私よりも明るくて、前向きで知識が豊富で自分らしく自由に生きられる時代になるように活動している人達がいます。私もここでの出会いや経験、学びの機会に感謝して重度障害者の自立生活を支援することで、彼らの力になりたいと思っています。毎回勉強になること、考えさせられることが多すぎるので、またいつか寿崎様にお伝えする機会があったら嬉しいです。課外活動だけでなく大学の勉強もしているので、ご安心下さい。

とおっしゃっておられます。
病気の原因が〇才で亡くなることを研究なさっておられる大学院生の方の報告です。書き写して頂きながら凄い、凄い、素晴らしい。深く考える勉強を私も反省させて頂きました。ありがとうございました。


次の方夏期休暇を利用して勉強なさったこと、英語はスピーキング力に。小学校教科は指導法に。では、

○私ごとですが、来週から大学の後期授業が開講される予定です。後期間は前期間と同様にオンライン学習を主体とした講義形式が採用されました。自宅での学習のため継続的に自らを律し、心身ともに健康に気をつけながら後期間の学習に精進しようと心掛けております。夏期休暇中ですが、8月の近況報告で記させて頂いた通り英語学習及び教育についての学習に精一杯取り組みました。英語学習はスピーキング力を集中的に強化しようと試み、オンライン英会話を毎日1レッスン受講ました。最初は自分の意思を英語で伝えることができず、苦労しましたが、徐々に話せるようになり、自信につながりました。教育についての学習は主に小学校教科について学びました。それぞれの教科における特徴や指導法についてのレポート学習に取り組み、各教科を深く理解できたと実感しています。結果的には夏期休暇前に掲げていた目標をこなすことができたので、有意義な休暇を過ごせたと思います。最後にいつもご支援ありがとうございます。月末より新学期が始まりますので、感謝の気持ちとともに再び気持ちを切り替えて勉学に精進していきます。

とおっしゃっておられます。
夏期休暇中の勉強で、自分の意思を英語で伝えることができた事と小学校での指導法もOKです。ありがとうございました。


次の方「老いAge」についての研究をなさる方で「老い」についての取り組みの報告です。では、

○今月は医学薬学の専門性と社会文化科学の素質を併せ持つ高度な博士人材を育成する為に本学で行われているHIGOプログラムのカリキュラムを受講いたしました。「老いAge」について医療系の学生のみならず、様々な分野そして様々な国の留学生とディスカッションを行い「老い」を予防する医学的研究や社会的取り組み(都市設計等)新型コロナ感染拡大環境下における高齢者への医療や倫理的なとらえ方について考えを深めることができました。自分(大学薬学教育部博士課程1年の方です)の親など大切な人が威厳を持って年を重ねることができる社会を作ることのできる研究者、医療従事者になりたいと目標を持つことができました。来月も奨学生として学びを深め研究に邁進したいと思います。
とおっしゃっておられます。
人間として尊厳をもって年を重ねることの出来る「老い」を研究して下さる大学に感謝です。ありがとうございました。


次の方は1年間の大学病院での臨床実習が終わったら卒業試験、国家試験の模擬。大変です。では、

○9月の近況報告をさせて頂きます。私達の学年は9月25日をもって無事に大学病院での臨床実習を終えることができました。1年間の実習は振り返るとあっという間だったなあと思います。多くの患者さんと接する機会をいただき学びを深める機会を頂いたことに感謝です。そして実習が終了して息つく暇もなく今度は卒業試験が始まり、国家試験のための模擬試験の受験と慌ただしい毎日です。ですが、この貴重な時間を利用して知識の確認と整理をしてまいりたいと思います。なかなかアルバイトをする余裕もなく財団の奨学金を利用して問題集、専門書等購入しています。

とおっしゃっておられます。
我々の大切な、大切な生命を見守って下さる方が寿崎育英財団の奨学生です。我々の誇りです。ありがとうございました。


次の方は卒業研究での学びを宮崎県の観光振興について結論は「安全安心の確保」のお話です。では、

○今月は卒業研究での学びを書かせて頂きたいと思います。私は現在「COVID-19」における宮崎県の観光振興の調査・分析」というテーマで卒業論文の作成に努めています。大学時代に6か国に7度の留学を通して、海外と宮崎の観光業を比較し、より多くの外国人観光客に宮崎をはじめとする九州の魅力を体験してもらい、九州を好きになってもらいたいと思うようになり、インバウンド観光について勉強してきました。しかしコロナウィルスの影響で観光産業は大きなダメージを受けています。そこに国は観光需要喚起策としてGO TOトラベルキャンペーンを実施することを政策として決め2020年7月22日から開始、10月1日から東京の発着も解禁となりました。ニュースや新聞で様々な意見が述べられたり、自分自身も過去の震災の観光需要喚起策である「ふっこう割」を先行研究として調べたり、観光需要の低下に対する対策を学術的に学んできました。多くの疑問を持ち宮崎県の観光会社に企業訪問を行い、インタビュー調査を行いました。私は調査を行う前は観光客の獲得のために新たな旅行商品の開発や情報発信の改善はもちろんですが、それよりも優先度高く行われていたのは「安全安心の確保」でした。「安全」はホテルや飲食店での感染対策や宮崎県の感染情報を提供するなどを行っていました。安全の確保はそれぞれの対策で可能ですが、難しいのは「安心」の確保であるそうです。「安心」は安全の対策を行っていても観光客が安心できなければ「安心が確保でした」とは言えません。その確保をすることでワーケーションやマイクロツーリズムなどの観光形態の変化にも対応できるのではないかとおっしゃっておられました。様々な資料やデータから学べないことをインタビュー調査から学ぶことができました。この調査を通して現場を知らない学生がGO TOトラベルキャンペーンは効果的なのかということを考えるには、まず現場の声を聞いて、何が課題でその解決にどのようなアプローチを行っているのかを知ってからでなければいけないと強く感じました。まだまだ学びを深めていきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
宮崎県の観光振興のため6か国に7度の留学をなさった方で、宮崎への観光の為に研究をなさっておられる方です。宮崎にたくさんの方6か国の方が来て頂く。宮崎県から表彰状を差し上げたい方。ありがとうございました。


次の方は保育園で子どもたちへの勉強の様子を楽しく報告していただきました。では、

○私は実習にむけて子ども達が楽しめるよう指導案を立案しています。現場で一度もやったことがないので想像が難しいのですが、一所懸命がんばっています。不安や緊張がもちろんあるのですが、スムーズに悔いのないようにできたらいいなと思っています。また絵本の読み聞かせなどもがんばりたいです。私は絵本の読み聞かせが得意です。1年生の時に行った実習で読み聞かせをした際、子どもたちが真剣に聞いてしっかり反応してくれたことで、とても嬉しく、自分の自信にも繋がりました。今回の実習でも子ども達を楽しませることができる読み聞かせができたらいいなと思っています。実習での私の目標は積極的に動き、保育士の動きや対応など見てたくさんのことを学ぶことです。私はこの奨学金をいただいているのを感謝し、保育士資格取得できるようこれからも頑張りたいと思います。

とおっしゃっておられます。
子ども達の喜ぶことにピントを合わせて勉強しておられるように伺えます。ありがとうございました。どうぞ今後ともに子どもの喜ぶ、次は先生も喜んで頂く、卒業したら隣人、友人に喜んで頂くこと。


次の方修士論文への焦燥感は貴重なあせりの体験でしょう。もう論文も最後。就職したら悩みを楽しんで。では、

○さて大学院の夏季休暇も終盤に入り、修士論文への焦燥感に駆られながら日々を過ごしております。今月いただいた奨学金で大きめのホワイトボードを購入しました。何に使うかというと、頭の中の情報整理のためです。調査で出てきたキーワードを付箋に書いてホワイトボードに貼りグループ化していくことで、新たな情報や見えなかった事実に気づくことがわかりました。可視化の効果に驚きました。論文作業に疲れた時は愛犬と思いっきり遊んで癒しをもらっています。今年の7月に動物愛護センターから私の家にやってきた、うめちゃんという犬です。最初は人に怯えていましたが、今となっては朝晩の散歩も元気に走り回り“このコロナ禍で運動不足の私のいい運動パートナーです。この現在の不自由な環境の中でもこうして日々自分の興味のあることを学べることに感謝しながら論文執筆を頑張ります。

とおっしゃっておられます。
ホワイトボードの活用で可視化の効果に驚き、愛犬うめちゃんのお陰で運動不足解消。ありがとうございました。


次の方は看護学科3年の方。3年の後期は半年間実習「母性」という領域の実習、大変楽しみに。では、

○9月は実習が始まる月です。私は今看護学科の3年生なのですが、3年の後期は全てが実習になります。約半年もの長期間の実習は初めてなので、とても緊張しております。しかし楽しみな部分も多々あります。まずは上旬に保育園への実習に行きました。幼い子達と関わる機会はないので、貴重な経験をさせて頂きました。そして下旬から本格的に病院での実習が始まります。領域ごとにわかれているため、まず「母性」という領域から実習をしていきます。私は助産師を目指しているため「母性」という領域に実習は、人一倍楽しみでなりません。まだわからないことばかりで、未熟ですがこの実習を通して成長していきたいと思います。そしてコロナのなか実習をさせて頂ける環境に感謝をし、実習にのぞみたいと思います。「健康であること」を大切にしながら精一杯学んでいきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
ご自身助産師を目指しており、「母性」という領域からの実習には人一倍楽しみでならない実習の報告。ありがとうございました。


次の方前期はコマ数が多く授業や課題に追われ体力的に大変だったとの報告からです。では、

○私は新型コロナの影響で開始が遅れた前期の講義がやっと全て終わり、期末のレポートやテストを乗り越え短い夏休みが到来しました。前期は今までの大学生活の中で最も半期の授業、コマ数が多くて授業や課題に追われ体力的にとても大変でしたが、反対に同時に複数の授業を受けて異なる講義の学びが交差して生かされるという体験をしました。文学を学ぶ知識は少し厚みを増したように感じ、人生を豊かにする学びをしている実感から嬉しく思いました。アルバイトでは始めてから少し経つコンビニでの店頭のPOP製作担当としての役目を任されています。自分の得意を生かせる場があり、自分が必要とされていることを感じながら働いているのでとても楽しい職場です。1週間と少ししかない夏休みですが、集中講義でもう少し学び実家に帰省して家族とゆっくり過ごす時間を大切にしようと思います。

とおっしゃっておられます。
アルバイトで店頭POP製作担当は自分の得手を生かせる場です、自分を必要とするアルバイト。とおっしゃっておられます。


次の方です。今月は教育実習と大学院入試の2大イベントでいつの間にか9月も終わろうという時を迎えました。では、

○今月は教育実習と大学院入試の2大イベントがございまして、夏から秋に移ろう風景も感じないまま、あっという間に9月が終わろうとしております。教育実習は2週間という短い期間となってしまいましたが、このご時世に快く受けてくださった実習先の玉名中学校様に感謝の気持ちを常に抱き先生の卵として一所懸命実習に励みました。最初は生徒とふれあう時、とても緊張していましたが、学年問わず沢山の生徒が声をかけてくれ、とても元気のよい挨拶を受けて、私も負けていられまいとより一層元気とやる気を出して生徒たちと積極的に関わることができました。それらを踏まえて、最終日道徳と美術の授業を行いました。道徳も美術もたくさんの時間をかけて、どのように授業を構成するか、担当の先生と何度も相談し、訂正を重ねて今までで一番の授業を行うことができました。実習期間は短くはありましたが、1日1日がとても勉強になり先生の苦労や忙しさも理解したうえでやはり「先生」という職業はやりがいのある素敵な仕事であると改めて認識することができました。この2週間自分自身を成長させることができたように感じます。これからも夢を実現させるためにたくさん努力していきたいです。

とおっしゃっておられます。
大学の美術家の方の報告でした。教育実習でこれ程見学をし、先輩の先生にお知恵を頂き、ご自身でお考え込まれで先生になる素晴らしい教育実習でした。私は昭和18年第二次大戦中に小学校の代用教員をしました。先生の勉強もさせて頂きましたが、何といっても先輩の先生方にご指導を頂き、おひとりおひとりの先生にご相談して授業を。今日の方は大学4年生。私の場合は工業学校卒業生。今の高校卒業生です。田舎の小学校でしたが名物の先生でした。自分のことは申し訳ありません。お許しください。ありがとうございました。
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