令和元年11月12日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

拝啓 朝晩は冷え込みが強くなってきました。お元気でしょうか。風邪をひかないようお気を付け下さい。大変な被害をもたらした台風大雨もようやく水道も電気も普通の生活に戻って来たなど喜んでおる市民の顔をテレビで見ると何もできず申し訳ない私もホッとして良かったと思うこの頃です。しかし山積みされた廃棄物を見ると新しく買うのは大変だろうと、自分だったら1人だから買えないだろうと思いました。被災なさった方も頑張って下さい。奨学生からの近況報告皆さん立派です。全部ホームページに載せたらと思いながら奨学生の方々が参考になるだろうと思うものから書き写しております。先生方のひと言や友達の経験談。ご自分のプラス、皆さんにも知ってもらいたいものです。

最初の方卒業論文のアドバイスやアルバイトでは責任者に褒められ、自信につながったお話などの近況報告です。では、

○この度は学術面、アルバイト、日常生活の3つのことについてご報告させて頂きます。まずは、学術面では深い探求心と少々の焦りを募らせながら卒業論文に取り組んでおります。先日現在作成中の論文について担当教員より添削とご指摘を頂きました。1つは論文のアウトラインを作成するということです。以前の論文では、論文のアウトラインが不明確なことから、文章がとても読みにくく意見に一貫性がないと指摘を頂きました。2つ目は私自身が持っている情報をとにかく文章に書きアウトプットするということです。このアドバイスに関しては、担当教員が「はじめて卒業論文を書くあなたたちが一度で完全な論文を作成することはできません。一度でできなくて当然です。ですから論文に関わる情報はどのような情報であっても文章に書き起こしなさい」と発言されました。私はこのアドバイスを通して、大きな問題解決を一度に達成しようと試みるのではなく、小さな問題解決を地道に積み重ねることが重要であることを学びました。3つ目は不足している情報を十分に補うことです。現段階の論文では論じるために必要な情報が不足しておりました。そして的確な根拠や論文の立ち位置が明確に提示できておりませんでした。そのため、これまでの論文に使用した情報を深く理解しつつ新たに先行研究や調査データを行い質、量ともに十分な情報を得たいと考えます。次にアルバイトについて報告させて頂きます。現在の店舗への勤務も1年を過ぎて、ようやく勤務先の助けとなれる者と成長できたのではないかと感じております。昨日は店舗責任者より勤務態度や接客についてお褒めの言葉と感謝の言葉をいただきました。これまでは責任者より厳しい指摘を幾度となく頂いておりましたが感謝の言葉を頂けるようになったことで、達成感と自信を得ることが出来ました。現在の日常生活では自身の弱さを知り、その克服に励んでおります。特に自身への甘さや危機管理の低さが目立ち、計画した優先順位を遂行できないことが多い点です。しかしこのような弱さがあれば、自身の成長や人々からの信頼を失うのではないかと考えました。私がこれから社会において人のために活躍するためには、正確な優先順位に従い自信を律する必要があると考えます。

とおっしゃっておられます。
深くご自身を見つめ反省なさるお言葉、謙虚なお心には感動いたしました。ありがとうございました。


次はインドからの留学生で日本語もお上手、日本で就職するお考えのようです。では、

○この奨学金のお陰で私は自分の毎日の生活に費用をカバーできております。アルバイトの時間も減らすことができます。今、4回生の学生として私は学校でマーケティング専門の授業をとっています。その授業で私たちは様々なプロジェクトをやっています。例えば今私たちはヤマト運輸と一緒に再配達の問題を解決するために国際学生や観光客の人の荷物の受け取り方などをお知らせする活動をしています。さらに授業以外で私は福岡天神のアプルストアでインターンシップをしています。現在私は毎週3日間福岡に行って実際にアップルストアにて授業で学んだ様々なマーケティング理論を活かせています。そのお陰で、私はクラスで学んだことをもっともよく理解することができています。これからも私は自分のインターンシップを続けていき、さらに就職活動を始めたいと思います。また12月から私は就職活動を始めます。東京に行って様々な会社のインタビューを受けてみたいです。その後卒業したら決めた会社で働きたいと思います。

とおっしゃっておられます。
留学生の方々の目標は長い人生、日本で学んだことを母国で生かし、経営に生かしていくお気持ちだろうと拝察いたします。ありがとうございました。


次の方、自分は医学を志しておる身、足の具合が悪く入院、入院中の看護師の素晴らしさに感動し、患者の立場に立っての医療職のお話です。では、

○今月は後期の授業実習が始まって早々、足の具合が悪くなってしまい、一週間ほど整形外科に入院していました。しばらく実習をお休みすることなり実習班の他のメンバーには迷惑をかけましたが皆優しい言葉をかけてくれてとても励まされ救われました。入院は主に看護師さんに身の周りのお世話をして頂きました。とても優しくきめ細かい心遣いをして頂き同じ医療に就く予定の自分としては「こんなふうに患者さんに接しよう」と思う場面が多く大変勉強になりました。自分が患者になってみると普段医療を学んでいる学生として視点とはまた違った景色が見えてきます。医学を学んでいるとどうしても患者さんを「症例」として促えてしまいそうになる。そんな視野が狭くなってしまうときがあります。今回の経験を忘れず患者さんお一人お一人としっかり向き合っていけるよう頑張ります。

とおっしゃっておられます。
お医者さまが患者さんのお気持ちを察する。世の成功者すべて利己でなく利他です。私が三人で始めた商売もお客様の要望・苦情を叶える。1人1人の社員がお客様の喜ぶことが毎日の仕事。自分旅に毎日続けた結果社員数が一万五千名になりました。このお医者のとおりです。ありがとうございました。


次の方は法医学の学生です。ゼミで刑務所見学の報告です。じっくりお読み頂いて刑務所のことを参考にして下さい。では、

○それでは近況報告です。10月中旬ゼミの活動として宮崎刑務所へ見学に行きました。宮崎刑務所は1年から10年の懲役、または禁錮という実刑判決を受けた人たちが収容されている刑務所です。265人が現在収容中で40才代以降の男性が大半を占めているとのことでした。事前学習で宮崎刑務所がどのような場所であるか、どのような人たちを収容しているかなど理解はできていましたが、実際に行ってみると全く雰囲気が違いました。始めに事務棟にて簡単な説明が行われた後、受刑者が収容されている施設へと案内されました。敷地に入った瞬間、思わず姿勢を正してしまうほど空気がピリついているのを強く感じました。表情を崩してはいけない。姿勢は崩れてはいけない、気を緩めてはいけない、などと一瞬で考えてしまうほどでした。案内して下さった方は、やさしい口調だったのですが刑務官同士のやりとりなど、すぐに真剣な表情に変わりました。特に作業場へと進んだ時はとても大きい声で逐一人数報告が行われ、それにひるまないようにするのがやっととなりました。作業場の空気はとても重く、与えられた業務を監視下の元ただ黙々と続けていました。勝手な小休憩もできず、周りに遅れをとることがないように作業させられていると考えると、辛いものなのかなと感じました。移動中、被収容者の移動の様子を随所で見かけましたが、移動中も監視下のもと行進となっていたため、全てにおいて行動の制限がされているのだと思いました。被収容者の部屋も見せてもらえました。5人部屋なのに7、8畳。1人部屋でも3畳ほどしかなく、部屋にいたとしても自由と感じられる場所ではなさそうでした。それぞれの部屋にテレビがあり疑問に思いましたが、厳しい視聴制限があるようで娯楽としての機能はあまりないと理解しました。一通り施設内を見学して感じたことは、完全に外界と切り離された場所だ、ということでした。例えば公園という施設に居たとしても町の一部だと感じられるし出国手続きが済んだ空港のロビーでも法的には日本外だけど日本に居ると感じられるはずです。しかし刑務所の中は刑務所だとしか感じられず、宮崎に居るということを忘れそうでした。高い壁で囲まれ、外部との接触は全て制限され、世界は刑務所の中だけとなってしまう。そんな感じに思いました。三食しっかり食べられる労働時間のブラック企業のようなことは一切無い、睡眠は9時間近くとれるなどと、罪を犯したのに優遇された環境だと思っていましたが、やはりそれ相応の罰が与えられている場所だと考え直しました。今後の学習に大きく活かすことができる体験をすることが出来たと思うので、より一層刑法学習に力を入れていきたいと思います。

刑務所での経験(体験?)をなさった事を詳しく教えて頂きました。世間とは関係ない所が刑務所。ありがとうございました。


次の方は自己PRで苦戦しておる。先生は卒業生で丁寧に教えて下さり、教訓もお示し下さったお話です。では、

○私の大学ではエントリーシートの書き方講座や自己PRのための自己分析講座などが開催されるようになりました。私はすべての講座に参加しているのですが、その講座は大学の卒業生の方がお話をしてくれるもので、とても分かりやすく楽しい講座です。しかしその講座の中で私が一番苦戦したものは自己PRの書き方でした。短所はたくさん思いつくものの長所がなかなか書けずにいました。そんな中卒業生の方が私に優しく書き方を教えてくださり、私はなんとか自己PRを書き終えることができました。その際卒業生の方が私に「短所は長所に変えられることもある。短所で終わらせるだけでなくてまだ就活まで時間があるのだから、その短所をなくすこともできる。」とアドバイスをくださりました。私はその言葉を聞いて、これから就活までに自分が取り組むべき課題を見つけました。私はあまり自分の意見を人に言えず、黙ってしまうことが多くありました。大学の授業でのグループワークの際でも、他の人はちゃんと発言しているのに、なかなか自分から言い出せないことが多くありました。私自身もこの部分を治したいと思っていたので、毎日最低1回は自分から話かける。または発言するという目標を立てました。私はこの目標を立ててから最初は自分から発言することに少し緊張していましたが最近ではあまり緊張することなく発言することができている気がします。自分の思っていることをきちんと相手に伝えるということは当たり前ですが、人間関係の構築にもつながっていくことをこの経験から学びました。これからもこの課題を怠ることなくクリアし、克服していきたいです。

とおっしゃっておられます。
この先生になる方の教え方は素晴らしいと思います。また教わった学生さんこれをヒントにご自身の欠点を長所に変えていき、見違える人間となり就活に成功なさるだろうと思います。ありがとうございました。

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