令和元年9月30日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

猛暑が続いてあります。立秋は過ぎました。お変わりございませんでしょうか。 奨学生の皆様から頂く近況報告を読ませて頂きながら感激し、又私の人生の反省をさせて頂きながら、残り少ない私の人生、もっともっと奉仕を推し進め相手様に如何に喜んで頂けるかが私の1日1日のお務めです。あなた様の学生時代、気力体力は燃え盛りと申し上げて良いお年頃。いろいろ勉強でわからないことが1つでも多くわかった歓びを味わって下さい。

最初の方は解剖学を習い昨日実習が終わった報告です。では、

○今大学では解剖学を習い昨日実習が終わったところです。自分の祖父と同じような年齢の篤志家のお身体を頂いて勉強させて頂いたのですが約1ヶ月間、毎日のように顔を合わせていたので、ご献体も私達の班の一員のように感じられて親しみが湧いていたので、お別れするのは少し寂しいものでした。この解剖学実習を通して初めはただの大学生だった自分が医師になる医学生なのだという自覚が生まれました。解剖させて頂いた私達は今後一生勉強に励み歩み人を救っていく義務があるのだと思います。鹿児島大学医学部医学科では2年生の前期が一番忙しいといわれています。この3ヶ月で試験は20回以上ありました。毎週試験があり、皆精神をすり減らして頑張りました。睡眠だけでなく食事の時間さえ惜しいような休めない日々を過ごしましたが、今のところ全ての試験に合格し、順調に夏休みを迎えることができました。これも周囲の方々が私を励まし支えてくれたお陰です。奨学金もとても大きい支えでした。この忙しい前期にアルバイトをせず勉強に集中できる環境を作っていただいて本当にありがとうございました。今後も勉学に益々精進致します。

とおっしゃっておられます。
解剖実習1ヶ月のお陰で自分はただの大学生から医師になる医学生で今後一生人を救っていく義務の人間としての勉強に励むとおっしゃっておられます。素晴らしいお医者様。ありがとうございました。


次の方は奨学生5年生の方で不妊は男性にも問題ありとおっしゃる方の報告です。では、

○早いもので奨学金を頂いてから5年目になります。ちょうど薬学部の2年生の時に編入をした時から毎年頂いております。総額もかなりの金額になり、主に薬学の教科書や子どもが生まれたので育児用品や絵本に使わせて頂きました。この5年間で色々なことがありました。何といっても一番驚いたのは子供ができたことです。奨学生交付式の時にスピーチでお話させて頂いたのですが、実は不妊で悩んでいた時期があり、なかなか子供に恵まれませんでした。不妊というとまず女性側が産婦人科に行き色々と検査をしているのが通常かと思います。そこで子宮やその他異常があれば、それに対応した治療をしていくのが普通だと思いますが、意外と見落とされがちなのが男性側に何らかの問題がある場合が落とし穴になります。実は我が家も私の精子の数と運動率が自然妊娠をおこすには十分ではなかったのです。まさか自分がという思いと妻に申し訳ないという気持ちで苦しい時期がありました。不妊の問題はなった人しかわからないのですが、なかなか解決できる問題でもなく夫婦仲もどうしようもない状態になってしまいます。あとから妻に話を聞くと子供ができなかったら離婚までいったかもというくらいでした。頑張っても、頑張ってもどうすることもできないことが世の中どうしても起こりうるし、その時人はどうすれば良いものか、と運良く子供ができた今でもつい考えてしまいます。私はこれから薬剤師となる予定ですが、医療人として自分の経験をもとに男性側にも問題のある不妊という落とし穴にはまり込んでしまわないように、できるだけ世の中の男性にも若いうちから検査を受けた方が良いということを啓蒙してみたいなと思います。大変な思いもしましたが、苦労した分子供の成長がとても楽しみです。

とおっしゃっておられます。
勉強しながら学生さんなら殆ど無いこのご苦労、その分子供さんの成長がさぞ楽しみでございましょう。ありがとうございました。


次の方は笑顔の大切さを、身をもって体験なさったお話です。では、

○まずは私生活に関する報告をさせて頂きます。私が買い物に行った際、母親に抱っこされた赤ちゃんに出会いました。その子は店内で出会う人の目を見てニッコリと笑い可愛い笑顔を見せていました。そんな様子を見て私までも嬉しくなり思わずニコッと笑ってしまいました。なんだか赤ちゃんに幸せを分けてもらえた様な気持ちになりました。やはり笑顔は大切であるということを改めて感じさせられました。現在私は接客のアルバイトをしているのですが、お客さんの目を見て笑顔で挨拶をすることの重要さを認識したことがあります。私が笑顔でいることで周りの人も自然と笑顔になると思っています。将来薬剤師になり働く際にも笑顔は必要です。そんな私の姿を見て患者さんの不安な気持ちが少しでも和らぐと良いなと思っています。次に学業についてご報告させて頂きます。私は薬学部薬学科に通っています。近頃私が非常に興味を持っている科目は生理薬理学という科目です。生理学を詳しく学び理解することで、疾病を、薬物を用いて治療する仕組みを学ぶ科目です。講義の内容は難しいですが、勉強していく内に身体の仕組みを理解する重要性がわかり、学ぶことが楽しくなっていきました。薬剤の名称を覚えるのは大変ですが頑張ろうと思います。意欲的に勉強できるのは奨学金のお陰です。ありがとうございます。

とおっしゃっておられます。
立派な薬剤師を目指し難しい勉強が身についてくる喜び、そして笑顔こそ周りの人々そして患者さんに希望をもたせるお話、私も感激いたしました。ありがとうございました。


次の方は将来警察官になる為刑法を深く学べるゼミのお話です。では、

○近況報告をさせて頂きます。2年生へと進級し私は刑法について深く学ぶことのできるゼミに所属しました。ゼミとしての活動が始まり、最初の活動として裁判傍聴を行いました。法律の中でも刑法というものは規定の幅が大きく適用の際には適用者の人生を大きく変えてしまうものであるため実際にどのように使用されるのかまた使用する法律、法律の効果などをどのように決めているのかということを見て、聴いて学ぶことができました。その際に私が感じたことは、想像していたよりも裁判は淡々と進んでいたということでした。これは悪い意味ではなく、良い意味でということです。私は裁判を傍聴していた際、被告人に対して不快感や怒りに似た感情を抱いてしまいました。このような感情が裁判中に生まれてしまったら、量刑に大きな支障が生じてしまうはずです。しかし法曹三者である裁判官、検察官、弁護士の方たちは、声の調子を変化させることもなく、事実を吟味し、それぞれの立場からの結論を導いていました。感情に左右されることなく証拠や事実から被告人の量刑を適切に判断する三役に改めて敬意を表すると同時に感情に支配されてしまいそうになった自分をまだまだ未熟だと感じました。裁判傍聴を終え、それからは量刑がどのように判断されていくのかを学習しています。行為が正当防衛と見なされたら減刑となる。被告人の主体的事実、行為の客観的事実から厳罰とするか減刑とするかが争われる。犯罪行為と結果に因果関係があるのか構成要件は満たされているのかなど量刑を判断するにあたり、どのような点が刑事裁判また、学説では争われているのかについて学んでいます。今年度は裁判を通じて法律の実用例を学び、法律の適用を受けた人たちについて学んだ後、もう1度裁判傍聴を。うまくいけば最高裁で、という計画になっています。法律の最高法規である憲法に基づいて行われる裁判はいったいどのようなものか、どれ程の緊張感が漂うものであるのか、とても楽しみです。それまでに今年度は知識を深めていくということが目標でもあります。この目標を、自信をもって達成できたと言えるように頑張ります。季節は厳しい暑さの続く夏です。例年よりもと比喩される暑さの日々にやる気を削がれそうになるかもしれません。しかし目標を達成するため、夢を叶えるために暑さに負けず勉学に励んでいきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
裁判についてのお話私自身大変勉強になりました。ありがとうございました。


次の方のお話は寿命が30才程の方のお話など感動するお話を報告して下さいます。では、

○医学部5年生となり実際患者さんを担当して問診、診察をしたり、手術に立ち会ったりする病棟実習を行っています。先生方も実践的に臨床で役立つ知識を教えて下さいます。今年は、いわば医師になる前の助走のような期間です。今月の実習で印象的だったのは筋ジストロフィーの患者たちがおられる病棟の見学でした。筋ジストロフィーは生まれつきの疾患で次第に筋力が衰えていき、多くの方は30才前後で亡くなる病気です。ここから私は勝手に病棟には暗い雰囲気が漂っているのではと思っていました。しかし実際は違いました。患者さんたちは笑顔にあふれ医療者との信頼関係もあり、心地の良い空間がそこにありました。筋ジストロフィーという名前でラベリングされない個々人の人生そのものが逞しく輝いているように感じました。そこで1人の患者さんからお聞きした胸に残るお言葉を紹介します。「私は不運だったが、決して不幸ではない」今月読んだ中で印象深かったのは河合真著「極論で語る神経内科」でした。教科書の知識を超えた臨床で役立つ知識を学ぶことができました。このように昨年度に引き続き毎月印象深かった本をご紹介できればと考えています。1点反省なのは最近医学系の読書に偏ってしまっているので自分のバックボーンである社会科学の読書をもっとするようにしたいと考えています。

とおっしゃっておられます。
読書は人生に欠かせないもの。私も学生さんに負けないよう読書を続けます。ありがとうございました。


次の方は苦手なことをさせて頂くことが人間成長のチャンスとおっしゃる方の報告です。では、

○奨学生交付式では役員の方々の貴重なお話と他の奨学生の行動力あふれる近況報告を伺い自身も奨学生として恥じぬよう挑戦する心、と支えて下さっている方々への感謝の心を忘れず励んでいこうと改めて自覚した次第です。私事ですが家庭の状況が好ましくなく院進学にあたってアルバイトで生活費・活動費を賄う必要がある状況でしたが今回奨学生として採用して頂き、研究に専念することができます。改めて本当にありがとうございます。近況報告といたしましては、今月の頭にサマーリトリートセミナーという研究所主催の情報交換会に参加させて頂くことになり現在はそのための実験とプレゼンテーションの準備に追われる日々を過ごしています。私自身今回初めて英語でオーラルプレゼンテーションを行うこととなり英語で話すことが苦手ということもあいまって四苦八苦しておりますが、苦手なことを克服する貴重なチャンスを頂いたことに感謝して精一杯頑張りたいと思います。また英語繋がりなのですが金銭面と時間の関係で迷っていた英会話教室に通うことになりました。以前より研究室生活を通して、英語を読むことは勿論アウトプットする能力の必要性を感じておりました。そして今回自身の英語力・発信力の不足をひしひしと感じる機会(上記のプレゼンです)にも直面し、何か行動しないと変われないと思い決断いたしました。今年度は研究室に所属して2年目に突入したこともあり、慣れが目立ってくる時期です。現状に甘んじることなく、より向上していけるよう精進したいと思います。

とおっしゃっておられます。
人間苦手なことはやっても失敗する。やりたくない。普通の人のお考え。出来る方が又改めて英会話教室に通うことを決断なさる。凄い方。将来が楽しみな方だと思いました。ありがとうございました。


次の方は茶道のご指導をなさる方です。私の自宅にも茶室があり妻がお友達と楽しんでいました。では、

○私は熊本で迎える3度目の夏となりまして、毎度のことながら夏バテと戦う日々を送っております。近況報告としましては、つい先日7月7日に私の所属しております、熊本大学表千家茶道部の七夕茶会を無事終えることができました。毎年この七夕茶会では新入部員・1年生の初めてのお茶会ということで、お点前を披露しています。4月から5名の新入部員を迎え、幹部代として副部長を務める私も指導をしながら彼、彼女からの成長を間近で感じることができました。手とり足とりしながら作法を教えたり、着付けを教えたりする中で新入生達が一生懸命に取り組み、学ぼうとする姿や「先輩!」と慕ってくれる様子に本当に可愛い後輩だと幸せです。前期の期末試験も無事に終え、夏休みになりました。今年の夏休みの目標は5月から始めた新しいお仕事で結果を出すこと、研究のテーマを探るために本を読むこと、部活、サークルの仲間と夏の思い出を作ること。次のファイナンシャルプランナーの試験に向けて頑張っているので私も刺激をもらいながら努力していきたいと思います。

とおっしゃっておられます。
茶の湯のことで、申し上げますと、私がロータリーの地区のガバナー時代、世界で国際ロータリー本部があり10名ほどの役員がいます中で日本からは1人。そのお一人が、裏千家の千宗室様でガバナーとして育てて頂きました。この熊本大学は表千家も祖は千利休居士です。茶道ではいろいろと思い出があり、この茶道の先輩のお話に私感激いたしました。ありがとうございました。
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