平成30年1月18日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

皆様から頂く近況報告を書き写す為に読ませて頂きながら、どのお方も立派。私自身も勉強になることばかり、頂いた全員の近況報告を全部書き写してホームページにのせたらどうだろうか?など考えながら書き写しております。月々150通頂いた近況報告を全部書き写したらそれを打つ事務局が悲鳴をあげるかも、と思いながら写しております。勝手にのせたりのせなかったり申し訳なく思います。お許しください。
ホームページへのせる方の分が大変遅れております。アメリカへは2回、台湾へは3回、韓国1回と海外旅行の分も報告書を書きます。現地で書いてしまえば問題ありませんが帰国してメモを見ながら続きを書くのに忘れた部分があり、大変です。年寄りは大変です。何だか言い訳になってしまいました。

では、最初のお方の報告です。ご自分の病気が病院採用の原因になった感じの奨学生の報告のように思えます。そして「失敗こそが次につながるための財産」ともおっしゃっております。
では、

○先日は素晴らしい会にお招きいただき、また普段聞くことのできないようなありがたいお話を聞く機会をいただきありがとうございました。最近の日常としましては、産婦人科の病院に内定をいただき就職活動がひと段落つき一安心しています。大学に編入した年の夏に卵巣膿腫になっていることが分かり、手術したのですが、その頃から人工授精に興味を持ち、何らかの病気や原因で子供を自然に授かることのできない方々の力になりたいと考えておりました。その思いが病院の方々や院長先生に伝わって来年の4月から産婦人科で胚培養士として患者さんに寄り添ったお仕事ができるのが、とても楽しみでかつとてもありがたいです。大学の方は卒業研究がいよいよ忙しくなってきました。私の研究は糖尿病を改善する働きのある食品や薬のもととなる物質を探し出すことでありますが、現在実験が思うように進まず、スランプ状態にあります。しかし基礎研究とはうまくいかないもので、失敗こそが次へつなげるための財産であると考えスランプに耐えていきたいと思っております。また8月31日から高森町にある休暇村で行われる蛋白質と酵素の構造と機能に関する九州シンポジウムにポスター発表ではありますが、参加させて頂くことが決まりました。約1年間の自分の研究成果をたくさんの専門家の方々とディスカッションし、自分の知見を広げるとても良い機会であるので、緊張はしていますがとても楽しみです。

とおっしゃっておられます。私は「失敗は成功のもと」と教わり実行してきましたが財産とまでは気がつきませんでした。奨学生の方々から教わることの多いことで、心から感謝申し上げるものです。ありがとうございました。


次の方は社会人として民間企業にお勤めになっておられた方で昨年編入学なさった方で人文学科4年の方です。
では、

○昨年に引き続き、奨学生にご採用いただきありがとうございます。また、先月の懇談会にお招きいただいたことで、今年も勉学に取り組んでいくための非常に大きな励みとなりました。私は昨年度大学の人文学科に編入学し、この1年半、心理学を学んできました。人生を経験則で語ることに疑問を抱き、きちんとしたエビデンスにもとづいて語ることがとても重要ではないかと思い、大学進学を決めたのですが、この1年大学で学んできて、思った以上に勉学の道は厳しいと感じています。またこれまで民間企業に勤めながら築き上げてきた自分自身のアイデンティティーとアカデミアで求められる理想像の異なる部分に心が折れそうになることも多々あります。けれど月に一度こうして自分自身を振り返り、手紙でご報告することで、初心を思い出し、ここで挫けてはならないと自分を鼓舞することができているように思います。これまでの価値観では女性は若くに結婚し、子を産み育て、外で働くのは家計を助ける程度というのがスタンダードであり、現在もまだそのような生き方が多数派ではありますが、時代は確実に転換期にあり、近い未来これまでの価値観が大きく変わる日が必ずやってくると思います。私が今歩んでいる道は会社を辞めて結婚するのではなく、会社を辞めて大学に入るという、他の人とは違う道であり、人と違う道を歩むということはとても厳しく、ときには辛いこともありますが、いつか後ろに続く女性が現れることで、女性の生きる選択肢は広がればいいな、という願いを持ちながら今年も1年目標に向かって邁進していきたいと思います。

とおっしゃっておられます。私にとっていろいろなお考えの方の、奨学生の近況報告を写させていただいております。昭和の前の大正生まれの私にとって過去90年間の日本を見てまいりました。この奨学生のお父さん、お母さん何とおっしゃるのだろうかなど考えさせられました。勉強させて頂きまことにありがとうございました。


次の方は北アルプスの夏山診療所での勉強された近況報告です。
では

○私は2週間ほど前無事北アルプスから帰って参りました。行っていた5日間はずっと雨と霧で天候には恵まれませんでしたが、夏山診療所での活動は大変有意義で、とても勉強になりました。特に高山病アンケートやパルスオキシメーター(体内の酸素濃度を測る機器、高山病の指標として使える)の研究を手伝わせて頂いたことが良かったです。また患者として訪れる登山客への問診も勉強させて頂きました。まだ3年生なので普段は臨床現場を見ることはありませんが、今回はそういう場を直接見られて雰囲気を肌で感じることができ、勉強に対するモチベーションが上がり、将来のイメージも強くすることができました。また来年もこの夏山診療所のボランティアに参加したいと思いました。もちろん診療活動だけでなく夏山そのものも楽しんで参りました。今年は残雪が多かったお陰か花がまだ散らずに咲き乱れていました。特にチングマルという白い花を咲かせる高山植物が見ごろで辺り一面お花畑の所もありました。そこから顔をのぞかせている雷鳥の親子もいました。本当に綺麗な風景でした。山の上がそんな調子ですごく涼しかったので下山してからしばらくは暑さにバテておりました。やはり南九州は暑いです。

とおっしゃっておられます。鹿児島の大学から北の北アルプスに勉強に行かれ学科より早い勉強が出来る喜びと同時に南九州では味わえない北の国での楽しみもついでに味わえる楽しみ、九州育ちの私も楽しみの為、行ってみたいと思いました。ありがとうございました。


次の方は保育園での実習で学んでおられることが、企業経営にとって大切なことを身につけておられるなと私が勉強になりました。それは4才から5才の小児のことです。欠点が目につきますが、この方の悟ったことは「欠点」とは「欠けている点」ではなく、その子にとって「欠かせない点」として受け止め、本人の良いところを存分に伸ばしてあげられるような保育者になりたいとおっしゃるお方です。

では、

○今月は保育施設で10日間の実習を致しました。10日間で全てのクラスの入らせてもらい、それぞれの年令別に発達の違いが見られ、それに合わせた保育者の援助を学ぶことができました。中でも特に印象的だったことは私が4・5才児のクラスで学ばせてもらう際、特性のある子供への関わり方について保育者に相談した時の事です。その子どもが玩具での遊びから片付けに気持ちを切り替えられえず、私の「片付けしようね」という声掛けに対し、泣き叫んで手足をばたつかせて抵抗し、私はどうして良いのかわからず戸惑ってしまいました。その時に保育者から教えてもらったことは、まず話が出来る状態になるまで、パニックが落ち着くのを待つこと。抱っこしたりして落ち着かせ話が聞ける状態になったら子どもの気持ちを受け止めながら、こちらの想いをしっかりと伝える事が大切だと学びました。注意したり規制してばかりだと子どものストレスを溜めてしまうので、程よく許しながらも、してはいけないこと等はしっかり伝えていくことの重要さを教わりました。子どもと関わる中で欠点が目につきやすかったりもしますが「欠点」とは「欠けている点」ではなく、その子にとって「欠かせない点」として受け止め本人の良いところを存分に伸ばしてあげられるような保育者になりたいと改めて思いました。

とおっしゃっておられます。素晴らしい教訓です。「欠点」とは「欠けている点」ではなく「欠かせない点」として受け止める。大人も子どもも同じと感じました。例えば私と共に仕事をした人は数知れずでもありませんが、仕事をさせて遅い。これは長所です。確実に間違いなくやるとニブイ人と言われますが、正確にしてもらう仕事にはうってつけです。又慌ててやる人、早くできるが、失敗ばかりですが、急ぐ仕事はこの人に任せ。「間違わんようにやれよ」と言ってあげる。人間に欠点はない。と仕事を共にしながら思ったものでした。欠点とは欠かせない点。社長の心得るべきお言葉です。ありがとうございました。


次の方も教訓としてこの奨学生の方に感謝いたします。

では、

○今月は本県の豚病研究会があり、現在執筆中の論文について発表しました。本県の最前線で活躍されている養豚獣医師の先生方の前で発表するのはとても緊張しましたが、発表自体は特にミスもなく終えることができました。ただ、その後の質疑応答では先生方から厳しいご意見やご助言をたくさん頂戴し、まだまだ考察が足りなかった自分の甘さが露呈する結果となりました。先生方からの厳しい指摘に悔しさを覚え、つい言い訳や責任逃れをしたくなってしまいましたが、自分に足りない部分や弱いところであったときちんと反省し、頂戴したご意見を参考に新たに論文の方向性、着地点を考えなおしているところです。今夏中には海外のジャーナルに投稿できるよう、今は隙を見つけて論文を書き進める日々です。また今月はお盆でありましたので、1週間ほど実家に帰省しました。空気が澄んでいて静かな墓に行くのが、昔から私は大好きで、この帰省期間中には何度も墓を訪れました。墓を掃除し、迎え火をたき、毎食お供えや線香をあげる。ただそれだけのことですが、先祖に向き合うことはとても神聖な気持ちになり、心が洗われていくような気分でした。お盆という文化は日本人にとって、とても大切な行事であると同時に、古き良き日本の伝統であると考えます。先祖を敬い、そして同時に自分自身を省みて、過去から現在、そして未来へと人生を紡いでいけたら良いなとふと思いました。

とおっしゃっておられます。読ませていただきながら人生を哲学する。この方の人生のようにお見受けいたしました。私の人生に色々と教訓をお話いただいている感じでした。人生の深さ、厚さについて教えて頂きました。ありがとうございました。
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