平成29年4月28日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

待ちに待った、と言えば少しオーバーですが、桜の花が楽しめる時が参りました。毎日事務所に通う為に本妙寺の参道、つまり加藤清正公の参道を往復します。早く咲いて楽しませてくれる木とゆっくり楽しませてくれる木があり、毎日花見が楽しめます。今回の皆様の近況報告は卒業月です。私は70年程前に卒業できませんでしたので、たいへん楽しみに近況報告を読ませて頂いております。除籍処分を受けた退学せざるを得なかったのは父が亡くなり授業料を払ってくれる人がいなくなったからです。今のようにアルバイト先な当時はありませんでした。

では、早速卒業生の方の近況報告です。

○とうとう明日大学の卒業式(学位授与式)を迎えることとなり、また先生に宛てる近況報告も最後となりました。前置きは一旦おき、今月の近況報告をさせて頂きたいと思います。去る3月11日に私は異文化経営会九州部会におきまして、大学の先生のすすめで学会発表をさせて頂きました。これは私の卒業研究が好評であり、先生方に学内だけではもったいないと言われ、発表することになったのがきっかけです。卒業研究論文をいうと、大学生活の集大成であり、それがこのような評価をして頂けたことは、ただただ驚きと嬉しさ同時に、部外での発表という不安が入り混じった気持ちでした。学会当日が卒業一週間前であり、慌ただしい日々を3月は過ごしながらも無事発表を終えることができました。私は企業就職ですので、院進学の方々には至らない点もあったと思います。ですが、自分なりには精一杯勉強した証を学会という舞台で公表し評価を得られたことは自信となりました。それと同時にこのような機会を頂けたことはもちろん、勉学で取り組む環境に身を置けたことは、この奨学金を受給していたことも関係すると思います。最後に勉学に全力で取り組んだ結果を先生にお伝えすることができ、自分なりに恩返しができたかなと感じております。昨年の近況報告で諸事情で高校を中退し、文科省の高卒認定(旧大検)を取得して大学に入学した事を書かせて頂きましたが、このような私でも、ここまで必死に大学生活を送れたこと、最後に評価して頂けたこと、我ながら頑張った大学4年間であった、と胸を張り明日の卒業式に出席してまいります。これから私は、社会人として生まれ育った宮崎県内で働くことになりました。地元で学んできたことを生かし、郷土の発展に寄与することがこれから私ができる壽崎育英財団への恩返しだと思っています。精一杯頑張ります。本当にありがとうございました。

とおっしゃっております。諸事情で高校中退したこの方、そして再起された方、読ませて頂きながら涙をいただきました。感謝の心の深い方、就職し若いうちに貴重な技術を身につけ、独立なさった方が自分の思うように宮崎の為、世の為、人々のお役に立つことができるのではないか、と思います。おめでとうございます。ありがとうございました。


次の方は中学校でのインターンシップでご苦労なさった毎日の報告です。教師と言われる先生は生徒から大好きな先生と言われ尊敬される先生になることのようにお見受けいたします。では、

○今月は先週行われた中学校でのインターンシップについて報告させて頂きます。今回のインターンシップの目的は5日間の日程の中で、教員が日常行っている授業以外の業務を実際に体験し、教育実習前に「教員」という職業について理解することとされています。実際に体験した活動は、朝の挨拶運動への参加、授業参観、給食、清掃活動等の業務です。これ等の業務を体験し、今までは見えていなかった教員の仕事を知ることができた、と同時に自らの力不足を痛感する場面が多々ありました。今回のインターンシップに参加するにあたって目標としていたことがあります。それは生徒としっかりコミュニケーションをとることです。私には配当学級が決められており、その学級で朝の会や、給食を食べるなどの時間を過ごすのですが、インターンシップ初日に学級の名簿をもらい、2日目には名前を全員分暗記しました。ここまでは順調だったのですが、自らの人見知りをする性格が原因で、なかなか生徒と会話することが出来ず、さらには日々の業務に追われて気づけば3日目もまともに生徒と会話することが出来ずに1日を終えてしまいました。このような自らの状況をようやく認識したのは学級担任の先生から「授業は下手でも構わないから生徒とコミュニケーションをとることが大事だよ。このことは教育実習に行っても同じだからね」と言われたときでした。それから残り2日間は積極的に生徒の輪に入っていき、クラス全員と会話することができました。生徒指導係の先生が「生徒1人1人と積極的に関わっていけば、少しずつその生徒の家庭環境や生徒自身が考えていることが分かるんだよ。こういうことが生徒を指導するうえでは重要なんだよね」と仰られていたことがとても印象に残りました。私が教職となった際に、どうやって生徒と接していくことが重要かということを学ぶことができた良い経験となりました。教師の仕事の中で特に多くの時間を費やすのは、やはり授業だと思います。学校は勉強をする場であり、教師は責任を自覚して授業を行わなければならないからです。インターンシップでは様々な教科の先生方の授業を見学したのですが、全ての先生方に共通していることがありました。それは「自信」をもって指導していることです。話し方や板書の仕方がとてもスムーズで、テンポの良い授業が行われていました。プロの授業を目のあたりにして、正直の私は不安な気持ちで一杯です。知識や経験が圧倒的に不足していることは認識していても、来年度に予定される教育実習が心配でたまりません。ですが、心の隅に自分で自分を応援している気持ちがありことを感じています。不安な気持ちを全て取り除く事はできませんが、心の隅にある小さな自分を応援する気持ちをできるだけ大きく大きくしていくことができれば、教育実習も納得のいく結果を残せるのではないかと思います。最後に今回のインターンシップでは様々な活動をする中で自分と向き合うことができた良い機会となりました。もう1度これまでの自分を振り返り、より目標へ近づくことができるように努力していきたいと思います。

と結んでおられます。この近況報告はすべての商業に当てはまるように思います。教えることは全産業に共通することです。コミュニケーションは仕事をしていくうえで、これを疎かにできません。ありがとうございました。


次の方は講演でご自身が感激した近況報告でして3月に実施された報告ではありませんが、報告者の感動してたものを写させて頂きました。

○講演者は中村文昭さんという方で「お金でなく人の縁ででっかく生きろ!」という本を書かれた方です。18才で家を飛び出し東京で初めてできた友人1号はなんと補導した警察官。その警察官に可愛がってもらい連れていってもらった焼き鳥屋で、人生の進路に大きな影響を与える師匠と出会い、師匠の仕事(行商)を手伝いながら生き様を学んできた、という方です。中村さんは師匠から「何のために」を考えて生きることを学んだといいます。何のためにやるのか、何のために働くのか、何のために・・・何のために・・・自分に置き換えて考えてみると何のために大学院に行くのか、何のために動物の勉強をするのか。何のために・・・それは言いかえれば「初心にかえる」ということではないでしょうか。その行動を起こそうとしたきっかけ、目標や夢を追いかけはじめたあの頃の気持ち。その熱意や思いを忘れることなく堅実に誠実に努力し続けること、その大切さを中村さんの話から考えさせられました。また中村さんは師匠から@返事は0.2秒A頼まれごとは試されごとB出来ない理由をいわないC今できることをやる。この4点を教えられたといいます。何か命じられたとき、頼まれたとき私たちはそれが自分にとって得なのか、損なのかを考えてしまいがちですが、何を言われても、今自分にできるベストを尽くす、そのことが大切なのだ、ということをおっしゃっておられました。惰性で生きるのは簡単なことです。いつも同じことをして、昨日と変わらない1日を生きるのはとても楽です。でもそれでは人生は面白くない。毎日を面白く、未来に希望をもって昨日よりも良い人生は1日1日刻んでいくこと、より良い人生を生きるために考えること、そして行動すること。それこそが人生の面白味であり、趣きではないでしょうか。中村先生の話を聞きもっと人生を一生懸命生きていこう、社会に貢献していこう、そう思った1カ月となりました。

とおっしゃっておられます。「何のために」私はこの言葉の楽しみを味わうことのできない20代でした。しかし今はこの言葉を楽しませて頂いております。ありがとうございます。


次の方は勉強は頑張る程楽しい、お話です。では、

○後期試験の成績も発表され前期後期ともに恥ずかしくない成績を修めることができました。仕事をしていた頃は頑張ってもなかなか成果が出なかったり、きちんとした評価を受けることができなかったりすることもあり、悲しくなることもありましたが、勉強というものは、頑張れば頑張っただけ結果も出るし、何よりも自分の身についていくのを実感することが出来るので、とても楽しいです。新しい知識を得ることが、こんなにもわくわくすることを、大学に入り知ることができたことは、私の人生にとって本当に大きな発見であり、素晴らしい経験として、日々積み重ねられています。春休みは来年度の卒業研究に使う先行研究の論文を集めて読む、生活費を補うために進学塾で講師のアルバイト。どちらもまだ私の人生においては未経験です。とても楽しみです。

とおっしゃっておられます。勉強とは苦しいものと思っていました私は勘違いしておったのです。この方は仕事の経験ができているからかなど考えましたが、頑張れば結果としてついてくる、この方のおっしゃるとおり、あらためて勉強させて頂きました。ありがとうございました。


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