平成29年3月21日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

お元気で学業にいそしんでおられることでございましょう。何はさておいても心からお歓び申しあげます。2月とは申せ寒い日が続きます。大寒の氷が小寒にとけると言われています。寒さとの戦い、時間との戦いの毎日でしょう。頑張って下さい。もうすぐ桜が楽しめます。

最初の方は看護学の勉強をなさっておられます。

○私は成人領域実習として血液内科病棟にて三週間実習をさせて頂きました。血液内科病棟では血液、リンパ系のがんの内科的治療が行われており、入院されているほとんどの方が抗がん剤治療や放射線治療を行っておられます。抗がん剤は多くの種類があり、がん細胞だけを標的として作用する分子標的治療薬と細胞分裂同類の各段階を阻害する作用をもつ数種類の薬剤を組み合わせた多剤併用療法が一般的に行われており、3〜4週間を1コースとして全部で6〜8コースの長くてきつい治療を受けておられました。抗がん剤治療ではがん細胞だけでなく正常な細胞も傷害されてしまうため消化器症状、血液減少による免疫力低下、脱毛、抹消神経障害など、さまざまな副作用が現れてきます。私が受け持たせて頂いた方は現在3コース目を行っておられる高齢の方でした。その方は1コース目を受けられた時、著しく食欲減退したことがとてもきつかったそうで「こんなにきつい思いをしなければならないのなら、もう治療はしない」と一時思われたそうです。しかしやはり治りたいという気持ちとまだまだ生きたいという希望が勝り治療を続けられていました。その方は1コース目よりも2コース目、3コース目の方がきつさは軽減してきたと言われ4コース目からは在宅で治療を受けられるとのことで笑顔で退院されました。入院治療を受けられる方は1コースが終わると数日退院され、次のコースに合わせて入院される方が多く、顔なじみの入院患者さん同士が励まし合っておられる姿をみて、同じ治療を受けておられる方々の支え合いの力の大きさを感じました。また入院され治療を受けておられる方々に共通して感じられたのは、どの方もとても真面目に生きてこられ、他人の気遣いもされるがゆえにストレスを溜め込んでしまう傾向にあるのではないか、ということでした。ストレスは全くないのもいけませんが、ありすぎることはやはり心身によくない影響を与えているのだと思います。健康的な生活を送るためには、ストレスを日々癒す暮し方をすることが大切だと改めて思いました。

とおっしゃっておられます。現役時代がんにならなくて良かったとしみじみ思いました。私は40歳位から日赤の人間ドックに毎年入り、悪い処は毎年治してきました。今も人間ドックは続けておりますが、今は100歳まで元気で海外旅行もできるようにとドックで検査を受けております。ほんとうに私の人生、この近況を読ませて頂きながら有難い人生だと思いました。ありがとうございます。


次の学生さん、今在学の大学で自分の希望は高校教師。でも仲間が居ない。と悩んでおられる方の近況報告です。では、

○私は将来の夢である高校教師になるため本格的に採用試験の勉強をしています。悩んだ末に独学で勉強しているのですが、心配していることがあります。それは同じ教員採用試験に向けて勉強する仲間が見つからないことです。私の通う大学は教員養成の学部は存在せず、教職課程を履修することで、教員免許を取得する仕組みになっています。そのため教職課程を履修している他の学生の中には教員免許は取るが教師になるつもりはないという学生もおり、教員養成の学部がない大学に入学した運命であると痛感しております。しかしようやく定まった夢をここであきらめるわけにはいきません。独学であろうとも、孤独との戦いであろうとも、最後までやり遂げます。また幸いにも周りには母親をはじめとする私の夢を応援してくれる方がいらっしゃいます。その方々の期待に応えるためにも必ず教師になるという夢を叶えることが私の使命である、と自負しております。

とおっしゃっておられます。夢は必ず叶います。私もそうでしたが世の成功された方々は皆さんそのようにおっしゃいます。途中でやめないことです。高校教師になって苦労なさった事を話してあげることです。高校生が喜びます。ありがとうございました。


次の方はお休みを利用して実家で大掃除をしたお話です。私も勉強になりました。

○冬季休暇で帰省をし実家の大掃除を行いました。大掃除では普段なかなか掃除が行き届かない細部までも綺麗にするため家の中のいたる所を綺麗にするチャンスです。家の中を綺麗にして住みやすくすることも重要ですが、心を成長せるためにも大きな意味を持つと思います。海外に比べ日本では学校生活の中で自ら掃除をする習慣があります。日本では当たり前のように掃除時間が学校で設定されている理由を調べてみると、そのうちの1つに仏教の教えが関係していることが分かりました。仏教の開祖であるお釈迦様は掃除の5功徳として、掃除をする意義を次のように説いたといわれています。「1、自分の心が清らかになる 2、他の人の心を清らかにする 3、この世のすべての存在が生き生きとする 4、すっきりと美しい行為の種がまかれる 5、死後必ず天上に生を受ける」ここから禅宗のお寺では掃除は心を磨く修行の1つとされ、江戸時代の寺小屋でも子ども達が掃除を行っていました。これがそのまま明治以降の学校教育に受け継がれたそうです。また掃除をすることで、身につくこともあります。掃除をする際、物を動かした後、掃き掃除、拭き掃除といった順番を覚え、より効率的な掃除を工夫することで、段取りの力が身につきます。次は普段見逃している場所まで掃除をすることで、意外な場所に汚れが溜まっていることや掃除の大変さに気が付くことができます。加えて複数人で掃除を行う場合、それぞれに役割分担をして協力しながら掃除をすることで協調性を育てることができます。このように掃除を通して身につけた力が勉強や生活の中で活かされ、社会に出てからも役立つ学びとなるのだと思います。清潔に掃除された家で新年を迎える準備ができたので、大掃除を行った甲斐があったと思います。今後も掃除に込められた日本の良き心を大切にしていきたいです。

とおっしゃって頂きました。掃除が寺子屋から明治の学校教育に受け継がれたお話やお釈迦様の教え禅宗の修行の1つなどからお掃除博士の講義を頂き、私の講演の時に使わせて頂きます。ありがとうございました。


次の方は大学で現代社会の課題という分野の講義で心理学のお話です。では、

○私が面白いなと思ったのは「動機づけ」というテーマについてです。モチベーションをあげるには1つ目には考え方を変えてみることです。例えばモチベーションがあがらないからやらないのではなく、やらないからモチベーションがあがらないのだと考えてみることです。体を先に動かすと脳が後からついてくるケースも割りとあるそうです。また人は決断の回数が多ければ多いほど、精神的に疲れていき決断疲れが生じモチベーションの低下につながるらしいです。なので環境を変えて新鮮な気持ちになり、睡眠をとって体の休養をとることも大切だということがわかりました。あともう2つ紹介したいキーワードがあります。1つ目は心理的リアクタンスです。これは人は自分の行動は自分で決めたいという欲求を持っており、そのために人からこうだと決めつけられるとそれがプラスの提案であっても反抗したくなるというものです。小さい頃に親に宿題をしなさいと言われて、今やろうと思っていたのに、やる気をなくしたなと思った経験があります。これは心理的リアクタンスによるものだということです。もう1つのキーワード幸せ四因子というものです。1つ目が自己実現と成長といって夢や、やりがいに対して努力するときに人は幸福感を感じるそうです。2つ目はつながりと感謝といって他人に感謝することで自分も他人も幸せになることができるということです。3つ目が前向きと楽観といってネガティブよりもポジティブなモチベーションの方が幸福感が高いのは想像しやすいと思います。最後は独立とマイペースと言って、自分と他人を比べすぎないことです。人は自分にないものを他人に見つけてそれによって、負のアクションが起こることがあるので自分は自分と考えて自分のペースで物事に取り組むということです。自分の幸せとは何か、人の幸せとは何か、なかなか答えが出にくい問題だとは思うけれど、こういった講義を通じて少しでも自分の考えを深められたら良いなと思いました。

とおっしゃっておられます。心理学の講義を頂き前者のお掃除の哲学の話、大学生の皆様は我々の経験したこと注意事項として講義を受けておられ我々としては原点に戻れ、基本を大切にせよ、と改めて教えられたと受け止めます。ありがとうございました。


トップページ
寿崎育英財団とは
理事長挨拶
募集要項
お問い合わせ
寿崎育英財団各県案内
私を語る
 商業界

 寿屋OB会

 ロータリー

 理事長からの
 メッセージ


寿崎育英財団
住所 熊本市中央区水前寺6−1−38
TEL/FAX 096-340-8520

Copyright(C)2010 寿崎育英財団 All rights reserved.