平成28年3月3日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

新年おめでとうございます。 新しい年を迎え決意新たにお過ごしの事と存じます。昨年1年間を振り返って思うようになった1年の方、おめでとうございます。思うようにいかなかった残念な1年の方、この方にもおめでとうございます。と申しあげます。失敗は成功のもと。その分厚みも深さも出来ました。遠回りをした道のように見えますが、将来に向かっては近道なのです。今年以降が楽しみです。いくらご無理をなさっても1つしかない我が身、健康には十分お気をつけた今年1年でありますよう祈ります。1月になったばかりでホームページに載せさせて頂くのは昨年頂いたものです。きっと奨学生のあなたに参考になるものばかりです。楽しみにお読み下さい。

○私は先日「全国心臓病の子どもを守る会」主催の「長期療養児ボランティア研修会」に参加させて頂きました。長期療養児とは心疾患、がんなど様々な疾病のより長期間に及び療養が必要な子どもたちのことです。そのような子供達やご家族の方々がこれまでどのような気持ちで病気と向かいあって生活してこられたか、そして病状の変化に伴う気持ちの移り変わり。また医療従事者への思いなども伺い知ることができました。なかでも心臓に障害をもって生れてきた子どもさんのご家族の方のお話からは貴重な学びをたくさん頂きました。その方が出産されたとき、ほんとうは家族が喜びに包まれるはずのところへ、突然先天的な心疾患のあることや、健康な子どもと同じように生活するのは難しいこと、長くは生きられないことなどを告げられ、わけが解らないという不安や自責の念、子どもを失うのではないかという絶望感で苦しめられた事。それから手術室へわが子を送り出すときの自分への無力感や、わが子が生きて戻ってくるかという不安感、そして手術が成功し酸素マスクもとれて6才にしてようやく歩けるようになった時の当たり前の幸せをしみじみとかみしめた時、しかしご家族の方々の気持ちは子どもさんのちょっとした体調や症状の変化に揺れ動き、気持ちの休まることは少なく、いつも不安を抱えながら生活しておられることを知りました。その子どもさんは今、医師から生存が不可能といわれていた年齢を超え元気に中学校に通っておられるそうです。ご家族の方々の心の中には子どもさんがいつまで生きていられるか、いつ急変するのかという不安は消えないそうですが、今はただわが子が楽しいことだけを考えようと決め、家族皆が楽しければわが子も楽しいはず、と自分流子育てを楽しんでおられるということでした。私はこれから医療従事者としてそのような方々と関わらせて頂く時、病気を抱えている方々だけでなく、ご家族の方々の気持ちもしっかり理解しようと努め、ご家族の方々の健康的な生活をも支えていく事が大切だと思いました。そして、その際講義などで学んだ知識からくる想像で相手の気持ちを決めつけてしまうようなことはせず、相手の話にしっかり耳を傾け本当に思いを引き出し、相手の思い描く夢の実現に向けて自分の持てる力をさしだしていけるようになりたいと思いました。

とおっしゃっておられます。
この方の近況報告を読ませて頂きながら、私の長男が生まれた時普通のように産めなくて急遽帝王切開をしました。しかし生まれてきた息子が泣きません。ダメかと思いましたが、お医者さんは水とお湯の中に入れたりつけたりしておるうちに弱々しい声で泣きました。ホッとしました。そして元気に育ってくれました。親として子供が無事に生まれ元気に育ってもらいたい。病気を抱える子供さんをもつ家族の方々の心の痛みは如何ばかりかとつい目頭が熱くなりました。ありがとうございました。


次の方のお話は資格試験に対する新しい情報のように見えましたので載せさせて頂きます。

○今月東京で臨床心理士の資格試験(一次試験)を受けてきました。去年は残念ながら二次試験で不合格でしたので、今年こそはと願っています。今年の受験者を見ていて感じたのが、去年に比べて比較的年令の高い方が多かったということです。おそらくこれは先月の国会において可決成立した「公認心理師法」の影響があるのではないかと思います。これまで日本では、心理士、心理カウンセラー、心理セラピストなどの心理職には国家試験がなく、臨床心理士が心の専門家として、最も知られた民間の資格でした。今回できた「公認心理師」は国家資格であり(H30年から施行予定)資格取得は大学から心理学を学んでいることなどの条件が課せられています。そのため、これまでは臨床心理士資格なしでもやっていた人が公認心理師資格を取ろうと思えば、先に臨床心理士資格を持っていた方が近道になるのではないかと見込んでのことではないかと思います。実際私もその1人です。とはいえ現在日本に約3万人近くいる臨床心理士が無条件に公認心理師なれるかというとそうでもなさそうで、その処遇についてはまだはっきりしておらず、まさに今が過渡期にあります。これまで国家情勢などで幾度も廃案になりましたが、今年ようやく日本でも心理職が国家資格となりました。欧米諸国はもとより、すでに中国・韓国にも心理職国家資格は整備されていた現状を見ると遅すぎたと言わざるを得ません。今後は日本でも個人が身体だけでなく精神面の予防という意識をもって、欧米のような「かかりつけカウンセラー」を身近に持つといった社会になればいいなと思います。

とおっしゃっておられます。 私自身があまりこのような勉強はしておりませんので資格について難しいことが多いのだなあ、勉強させて頂きました。ありがとうございました。


次の方は若い頃から教わった諺のような格言のようなお話を思い出して、ご自身を律しているお話です。

○私の近況報告といたしまして、今週は体調を崩してしまい、1週間程、学校を休んでしまいました。ここで高校時代の恩師が「風邪は心のすきま風」とおっしゃっていたのをよく思い出します。心に隙があるから風邪をひく、心に隙をつくらないように日常生活から心がけたら風邪をひかない。と教わりました。またその先生には日本の色彩豊かな四季を感じられなくなったら心が病んでる前兆だとも教わりました。そのように四季を感じられなくなったら、時には立ち止まり、周りを見渡す余裕が必要であるとも教わりました。最近は研究、学会発表あるいは論文執筆であったり、四季を感じる余裕がない程時間が著しく早く過ぎていきました。今回風邪を引くことにより、自分を見つめ直す良い機会になりました。私は高校を卒業してから既に7、8年が経過しておりますが、この恩師から教わったことは今でも明確に覚えております。高校時代に尊敬できる恩師に巡り会えたことが現在の学生生活においても活かされています。早く風邪を治し、今年中に論文を2報書きあげることを目標に励みたいと思います。

とおっしゃっておられます。何だかご本人でなく私が注意されている感じでした。風邪は心のすきま風 何も風邪に限りません、油断大敵です。経営での失敗を振り返ってみれば、この方の恩師のおっしゃったことは人生の教訓です。ありがとうございました。


次の方は資格取得に目が向いていた事に対する反省のお手紙です。

○2015年は年の初めから目指していた資格試験に落ちたり春には同じ研究室の先輩の急な不幸などがあり、この1年は自分の人生について色々考えさせられた、とても貴重な時間となりました。振り返ると去年からずっと資格取得ということだけに気をとられていて、視野が非常に狭くなっていたと思います。知らぬ間に資格を取ること自体が目的になってしまってそれを使って何がしたいのか、社会に貢献していくのかといった部分が完全に欠落していました。だから神様に「もう1度よく考えなさい」と落とされたのかもしれません。そして1年前はとても元気だった先輩が病気によって思い半ばで亡くなり、改めて「人生は何が起こるか分からない。いま自分は悔いのないように生きているのか」と自分の内なる声と対話する時間が増えました。まだ結論は出ていません。ただ、いくら資格があっても研究をしても、それをどう社会に貢献できるのかまで考えなければ何の意味もないということに気づかせてもらえた有難い1年でした。先月受けた資格試験の最終結果はまだ出ていませんが、前回のようにもう結果に振り回されることはない気がします。結果どうこうより、本質的な部分を見失わないことの方がずっと大事だと思えるようになったからかもしれません。その気持ちを忘れずに来年からの頑張りたいと思っています。

とおっしゃっています。人生はいろいろに突きあたります。同じ思いを繰り返すのが人生であったように私は思います。先ず最初の人生の難問を突破しました。コツがわかりました。次々としかも色々の問題に遭遇します。しかし基本である目的は踏みはずさなければ苦しみながら楽しい人生をつまり基本にかえれと悟られました。おめでとうございます。ありがとうございました。


次の方は事情があって高校を中退、独学で大学へ。ですから大学での先生方の講義で学べる喜び。当たり前のことが大変嬉しい、の学校生活の報告です。

○卒業研究に向けた下調べとしての調査学習など机と向き合う時間がいつもより多くあった月になりました。学生である以上勉強するのは当たり前だと思いますが、特にあと1年半足らずで卒業するのかと思うと、今必死になって勉強すべきだなと日々感じております。実は私は諸事情で高校を中退し、文部省の高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格し、大学へ入学をしました。その為独学の辛さが非常に身に染みており、今学校で先生方から学べる喜び、学生の中で受ける講義の楽しさは人一倍感じていると思っています。なので今は自分の志した学問をとことん追求し納得のいく卒業研究になればと考えています。そのために今できることをとことんやり遂げていきたいです。

とおっしゃっています。 高校中退の方、大検に合格の独学の努力。私の場合は父を亡くして授業料の納入ができずに除籍処分。学校を続けたかったです。当時残念で残念での毎日でしたが、生活の為の段々と残念さが薄れてきたのでした。
この学生さんは初志貫徹をなさった方です。私の出来なかった事をなし遂げてくださった方です。ありがとうございました。



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