平成26年11月30日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 


私は10月に米国小売業の視察にニューヨークとその近くの都市に行って参りました。
競争は日本より激しいと言われる米国の小売業で生き残っているのはどのような秘策があるのだろうかなど考えながら見学したものでした。この報告は皆様からの近況報告を頂いて読まして頂きホームページに載せて頂くのが大変遅れておりますのでホームページは皆様も方を先にさせて頂き、一段らくしてから報告させて頂きます。 

最初の方は教員採用試験が残念な結果で終わったことを反省し今からの1年間全力を尽くす為の計画をお書きになっています。
教員採用試験の結果は残念でした。しかし自分への努力不足を実感した機会にもなりました。この悔しさをバネに残りの約1年を来年度の採用試験に費やしたいと思います。そこでさっそく勉強を計画的に行う為スケジュールを立てました。今回の結果から最も感じた事が計画性のない勉強、対策からは結果は得難いということでした。また計画があることで、先の結果も予想しやすくなると考えました。計画通りに努力を続けることを基礎とし、合格を目指します。具体的には、最初の3カ月に基礎力を固める為参考書、答申、学習指導要領等を熟読します。それと同時に過去問を解き、大まかに出題傾向を分析、把握します。次の3カ月は応用問題にチャレンジし、弱点を見つけ、補強します。一次試験では膨大な知識が必要となるので、一年をかけて自分の中で定着させていきたいと思います。
私が目指している小学校教員は他にも水泳、ピアノ、体育と全教科に関する、実技試験もあります。
実技試験にも対応できるよう、今からまた練習を積みたいと思います。この手紙の中で公言したとおり計画的に対策をしていきたいと思います。そして来年こそ教員として教壇に立ちたいと思います。実は、教員採用試験の二次では、模擬授業やグループディスカッションが実施されます。どちらも授業の中であまり対策はありませんでした。おそらく自ら学ぶべき能力であり、具体的な例は人それぞれ違う為授業の中ではあまり対策をしなかったのだ、と思います。しかし一次試験の際、出会った先生が、二次試験対策講座を開いて下さり、実践をまじえながら勉強することができました。終日行われたその対策講座の中で大学の友人と先生方と、ミニ模擬授業をしては、互いにアドバイスをし、そのアドバイスをふまえ再実演をしました。時には実習の話を親身に聞いて頂き、逆に先生方の実習日誌やお話を聞かせて頂きました。実際に教壇に立たれている先生の話を聞くと今の教育現場は様々な生徒、親、教師がいて“協力”が求められていることを深く感じることができました。二次対策をできただけでなく、現場の声を聞きより対策に集中することができました。この様に支えて下さる方々にも感謝し、自分にできる努力をしていきたいです。
と結んでおられます。
失敗は成功の基と言われますがこれを読まして頂きながら、失敗したことが人生にとって大変有難い体験になったなと思いました。おめでとうございます。ありがとうございます。

次の方は食物栄養専攻で実習先が障害者福祉施設のため病院や学校給食センターでの実習とは違い施設の利用者は食事を最後まで食べ切ろうと一生懸命で自分の普通に食事がとれることの有難さなど体験なさったお話です。
私は先週までの栄養士実習を終え達成感を感じております。私の通う食物栄養専攻では1年次から通算3度にわたる学外実習があります。今回私が行わせて頂いた学外実習は栄養士免許を取得する為の集大成になる実習でした。これまでの実習では、主に厨房業務をさせて頂き、現場に慣れることを目的としていました。しかし今回の実習では初めて自分自身で立てた献立を実際の給食として提供させて頂きました。その際には、食材の発注から作業工程表作成、調理員の方々への指示等実際の栄養士業務を経験させて頂きました。また私の実習先が障害者福祉施設だったこともあり、これまで病院や学校給食センターで学ばせて頂いた時時とは違った学びをさせて頂くことができました。施設の利用者の方々は食事をとること自体が大変なことでした。それでも提供された食事を最後まで食べ切ろうと一生懸命で、私は普通に食事がとれることの有難さを強く感じました。さらにそのような施設での身体障害者を対象とした食育は、私がこれまで授業で学んできた食育とは全く違うものになるという事に気づかされました。このような素晴らしい実習の機会を頂いて、栄養士を目指す学生として、また1人の人間として成長できたことをとても感謝しています。
とおっしゃっています。
これを読まして頂きながら私自身五体満足に生活が出来ることが誠に有難く感謝を忘れていたのではないかと反省いたしました。ありがとうございました。

次の方は災害にあった福島、山形、宮城にボランティア活動に参加なさった報告です。
お店に桃や梨、ぶどうがいっぱい並んでいます。夜は虫の音、読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、先月の十五夜の月はとってもきれいでした。私は福島でお月見をしました。私は12日間東北にボランティアに行っていました。福島県、山形県、宮城県の三県で活動してきました。福島県では仮設住宅に住むおじいさん、おばあさんとお話をしたり警戒避難が解除された地区の家の草刈やビニールハウスの解体をしたりしました。また福島原発から10キロ圏内の浪江町に入り震災後3年半経っても今だに復興の進んでいない被災地の現状を見てきました。傾いた家々、人気のない空っぽの町、まるで映画のセットの中にいるような、とても現実の世界とは思えないような光景が広がっていました。海に近いところに行くと、そこには家1つなく、海から流されてきた船があちこちにありました。がれきも山積みでショベルカーがゴミの選別作業をしていました。放射線量計のピピピという音が、そこに見えない放射線があることを知らせて、大きなストレスと恐怖を感じました。私が立っている目の前で津波によって多くの方の命が奪われ、放射線によって苦しんでいる方々がいるという事実に言葉を失い涙が溢れてきました。福島に住む方々の生の声を聞くことができ、1つ1つが重く衝撃的でした。私が宮崎からボランティアに来たことを言うと「そんなに遠くからありがとう」と皆様に温かく迎えて頂きました。今回のボランティアでは、たくさんの方との出会いがありました。福島、山形、宮城の人の温かさにふれ、私にとって大好きな土地となりました。東北のボランティアを終え、これからは私が実際に見て、聞いて、感じて、考えて体験したことを、周囲の人々に伝える活動をしたいです。震災の被害はまだ続いていること、多くの人々が苦しい生活を強いられていること、3年半経った現在でも復興は進んでいないこと、そのような中で復興に向けて努力しておられる、ボランティアをはじめ多くの方がいらっしゃること、東北から離れた地域に住む私達は、どうしても関心が薄くなってしまう傾向があります。私は「福島のことを忘れないでほしい」という被災者の方からのメッセージを多くの人に伝えたいです。そのために、これからも、宮崎で東北ボランティアをしているNPOと関わりながら、自分で出来ることを続けていく所存です。私が東北で過ごした12日間は毎日が充実しており、この手紙には書ききることができません。私のボランティアの活動の様子につきましては、NPO法人アースウォーカーズのブログをご覧になって頂きたいです。共にボランティアに参加した学生の毎日の日記も写真を添えて投稿しております。ぜひご覧ください。
とおっしゃっておられます。
12日間朝から晩まで同じ日本人でこれ程の苦労しい生活を3年半しておる。何とかならないか。と切歯扼腕しておられる文面に感動いたしました。是非このプロセスをご覧になられますよう、お読み頂く方にお願いを私からも申上げさせて頂きます。ありがとうございました。

次の方は留学先のカナダからのもので英語で話せる幸せ、英語を聞ける幸せ、英語で考える幸せ、自分の好きな英語の勉強が出来る幸せを毎日楽しんでおられる方の報告です。
私は大学の公費留学生として選んで頂くことが出来ました。そして今カナダのバンクーバーアイランド、ユニバーシティでESLの授業を受けさせてもらっています。中学生の頃から憧れていた留学生活を、今カナダで実現出来ています。8月28日からカナダでの生活が始まりました。学校が始まって3週間授業が始まって2週間です。私の想い描いた数年間の学部留学とは違い4カ月のESL授業という、とても短く、学べることも限られていますがそれでも私にとっては大きな大きな一歩となりました。自分の好きな英語の勉強のできる幸せ、英語を聞ける幸せ、話せる幸せ、英語で考える幸せ。全てが本当に幸せに感じます。私の友人のように1年や3年といった長期の留学はできませんが、ここでの4カ月を存分に生かしていこうと思っていますそして私は私の大学で異文化間コミュニケーションを専攻しているので、この国際色豊かな、この大学で学んだことを、日本の大学に戻った時に生かしたいと思います。こちらのホストファミリーは本当に素晴らしく親切な方で恵まれた環境にいるな、と常に感じます。いつもどこかに、連れて行こうとしてくれ、ビーチ、ショッピング、祭り、とすでにいろいろな経験をさせて頂きました。同じ家に一緒にホームステイしている中国人の女の子とも、とてもうまく過ごせています。学校のクラスも同じになり、時に助け合いながら、毎日楽しく過ごしています。こうやって全ての日本人と中国人や韓国人がお互いを理解し合えたら、どんなに素晴らしい事かといつも考えています。こちらの生活は、日本とは全く違うものなので、初めの頃はバスを降りそこねたりと、色々とトラブルはありましたが、今では楽しめるようになってきました。残りも3月たらずになってきましたが、カナダで出来ることを少しでも多く体験して日本に帰りたいと思います。
とカナダからの報告です。
中学生からの夢が叶いカナダでの楽しい勉強をなさっておられるお話は、私も楽しくさせて頂きました。ありがとうございました。

次の方はアルバイトやボランティアで嫌なことは世間の常と悟っての毎日のように見受けられる報告です。
私のアルバイトはアパレルと飲食店のかけもちをしています。夜は両親が心配する為働く事が出来ないので朝から夕方までの間一生懸命働いています。働く中で「いやだな」と思うこともたくさんあります。やめてしまったらどんなに楽だろうかと思うこともあります。しかしここでやめてしまったらこれからも何か辛いことがある度に逃げてしまう癖がついてしまうと思い「あと1日」「1日がんばれたから今度はさらにあと1週間」というふうに、自分を励ましながら頑張っています。来年から社会人になります。そんな中で、いやなことがあったからやめる、では社会ではやっていくことはできません。まだ社会人にはなっていませんが、社会人の大変さ、両親の偉大さなどをすでに感じさせられる日々です。またアパレルでは商品の入れ替えなど裏方の仕事もたくさんあり、華やかなことばかりではないことを知り、どんなことでもいい面ばかりではなく、悪い面があることも知りました。そこで悪い面をいかにして上手く乗り越えていけるのかが仕事を辞める人と続けていける人の違いなのだと思いました。飲食店ではホールで働いていますが観光でいらっしゃった海外の方や県外の方、お祝い事でいらっしゃる方、ランチにいらっしゃる方、などさまざまな方がいらっしゃいます。中にはクレームをおっしゃる方もいらっしゃいます。その時はもちろんそのお客様を担当した者がお客様にも、店長にも怒られます。たとえ担当者に非が無かったとしても。一見こんな理不尽なことはないと思います。しかしそれも受け入れて“世間”なのかなと最近思うようになりました。サービスする立場としてお客様に満足して頂けなかったら、それはサービスする側の私どもが悪いことになる。それが社会だと私は思いました。こういうことに、いちいちへこまず、腐れないで、次に活かすことが大切だと思います。私の長所である少しのことではへこまない、何事も意味があって決して無駄にはならないという考えでこれからもたくさんの困難に立ち向かっていきたいと思います。
とおっしゃっておられます。
ご自分の長所「少しのことではへこまない」これはいろいろの苦難を体験して得られた悟りではないかと思います。苦労した方は失敗は成功の基だから大丈夫。苦難は打ち当っても自分を磨いてくれる有難い。何でも大丈夫。何でも有難い。難あり有難し。事業などで成功なさった方のおっしゃるお言葉です。この考えの奨学生の方、たしかにご自身の長所です。20年30年先が楽しみです。頑張ってください。ありがとうございました。

次の方の研究なさっておられるお話を伺いますと今の若い方が“生きづらい”ために「生きづらさを抱えた若者が生きやすくなる支援を考える」というシンポジウムがあり論文に取入れる。とのこと。考えると私の若い頃は想像もつかなかった事。写させて頂きながら教育だろうか豊かすぎるからなんだろうか考えます。では
今私はと申しますと先月末横浜で行われた日本心理臨床学会に参加して参りました。これは心理系の学会の中で一番会員数の多い、大きな学会です。この学会には昨年も参加したのですが、現在私の進めている修士論文の一部を、来年この学会で発表する為、今年も勉強の為、参加しました。中でも大変興味深く感じたものは「生きづらさを抱えた若者が生きやすくなる支援を考える。―― 子供からの出口と社会への入り口 ――」というタイトルの自殺対策のシンポジウムでした。そのシンポジウムの中でふと“生きづらさ”という言葉が言われ始めたのはいつごろからかという議論が起こりました。近年、心理臨床の世界では、生きづらさという言葉が、よく用いられるようになりました。私も発達障碍児の世界を理解しようとする場合や検査結果をまとめる際によく用いる言葉でした。何気なく使っていましたが、よくよく考えると、ここ10年くらいの言葉ではないか、そして生きること大変だった時代にはなかった言葉ではないか、という疑問が会場の中で起こりました。シンポジウムが終わる5分程前に生まれた疑問で、十分な議論が出来ず会は終了となってしまいましたがその分”生きづらさ“という言葉の持つ背景について、自分なりに考えることが出来たように思います。現代は物が溢れ、大変豊かな時代となりました。しかし時代の流れとともに、なくなっていく問題もあれば、新たに生まれて来る問題もあります。例えば今、日本が直面している少子高齢化の問題で考えた場合、核家族で、加えて1人っ子のご家族が多くあります。そういった家族の場合、子供への期待が高まり、子供が重圧を感じることで発生する心の問題や子供が亡くなってしまった場合の両親のトラウマなど社会や環境が変わることで、生じてくる可能性のある問題は多くあるのではないかと感じます。心理臨床の世界は、時代の流れや、社会と切っても切り離せないものだと感じました。心理の仕事は、人の心に注目する学問ですが人の成長は育ってきた環境や時代背景も大きく関係しあいます。クライエントの理解を深めるためには、社会や一般常識なども理解していく必要があると考えます。私は政治、経済など人の心とは程遠いように感じていましたし、また苦手意識もあってか敬遠してしまうところがあったのですが関心を持って学んでいかなければならないと痛感しました。奨学生交付式での先生方の話なども普段拝聴することの出来ないような内容ばかりです。こういった機会も数少ない経験の1つで有難く思います。同職種だけでなく、多くの人や違う職種の人と触れ合うことで、様々な世界を学び見識を高めていきたいと感じました。来月末から3日間福岡で行われる日本精神分析学会へ参加予定です。次はどういった人や考えに触れることができるのか今からとても楽しみです。来月のお手紙で学んだことを報告できればと思います。
とおっしゃっておられます。
心理学、人間の心の動きを総合して研究をなさっておられる。同じことがあっても人により幸せと思う人、不幸と思う人。同じことです。幸せとは何だろうと考えた時、極論かも知れませんが何にでも感謝、ありがとうと言える人が幸せなのではなかろうかと89才の私は思います。ご批判下さい。

次の方は幼児の教育に携わる学生さんです。
私は昨日実習を終えることができました。施設実習から始まり保育園実習、そして昨日まで幼稚園児集、合計30日間で本当に数えることができない程のことを学ぶことができました。園の環境整備は、子供たちが毎日気持ちよく過ごせるように清掃をして、子供たちが風邪など病気にならないように、丁寧に行うことも学びました。子供の為や子供が楽しんで遊ぶ姿を想像すると自然とやる気が出て清掃をすることに対し、嫌だという気持ちは全く生まれませんでした。家に帰ると疲れが溜まっており疲労感を感じる日々でしたが、園にいる時は子供の笑顔や保育者という仕事のやりがいを感じ疲労感を全く感じませんでした。改めて自分はこの仕事に就きたいと強く考える期間となりました。自動車学校の方にも実習の合間を見て、少しずつ行き、やっとですが仮免許試験を控えているのでしっかりと学科の勉強もしていきたいです。
とおっしゃっておられます。
毎日の業務がきついつらいと思うと疲れがたまってきますが、仕事が楽しいと疲れが出にくい、これは誰もが感じることです。楽しい仕事について世の為人の為に幸せな人生を送ってください。ありがとうございます。

 

 

 

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