平成26年7月17日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 

皆様お変わりありませんでしょうか。この度ホームページの掲載が遅れましてご迷惑をおかけしました。お詫びの申し上げようもございません。お許し下さい。平成25年度が終わりました。卒業なさる奨学生の方の最後の近況報告を読まして頂き在学中の感謝のお言葉と新しい社会生活への決意など読みながら目頭が熱くなるばかりの感激の、この年度末の、ご報告でございました。日本の将来は大丈夫と声を大にして申上げるものばかりでした。ありがとうございました。


最初の方の報告です。

早速近況報告させて頂きます。今回は3期目の実習地が発表されたことと、大学でのゼミ活動について報告します。
1つ目の実習地発表についてですが、京都になりました。本州の病院は初めてであり新たな病院で勉強させて頂ける嬉しさと、また多くの貴重な経験をさせて頂ける喜びで一杯です。しかしその反面遠方になったことで費用の負担が大きくなり母と心配していました。その中で寿崎育英財団様からの支援のありがたさを、改めて強く感じました。また母と費用についてお話した際に、母が今度のボーナスを学費に充てると言いました。その瞬間涙が止まらなくなり、今までの母の苦労と私達子供の為に多くのことを、我慢してくれていたということ考えると感謝の気持ちで一杯になりました。今まで勉強を頑張ることが親孝行であると考えてきましたが、もちろん勉強も親孝行なのですが、自分で働いたお金で母にしっかりと恩を返したいと強く思いました。焦らず1つ1つ確実に積み重ねていきたいと思います。2つ目のゼミ活動はつい先日活動が始まり、先生に研究の方法などについて説明して頂きました。とても楽しそうで大変ですが、これから同じゼミの人たちと一緒に自分たちの研究を築き上げていきます。最後に実習や奨学金などで回りの方々の支えの大事さを感じることが増え、感謝の気持ちや相手に伝えたい言葉を毎月もしくは言えるときに言うということを私は今大事にしています。私1人では生きていけないことを知り、また私の人生は、いつ終わるのかわからないので伝えたいことを言えずに終わってしまうのは、必ず後悔するのでこの姿勢を大事にしています。こういう考え方を持つことができたのは周りの方やその支えも大きいのですが特に友達が教えてくれました。友達は母を亡くし感謝の気持ちや、たくさんの気持ちを伝えることができなかったことを後悔し、私に言えるうちに気持ちは伝えろという言葉をくれました。後悔をしないという事は難しい事ではあると思うのですが全力で努力して少しでも後悔しないよう頑張りたいと思います。

とおっしゃっています。私この手紙を読まして頂き目頭が熱くなりました。親孝行な方とはこのように思いやりのある心優しいお方なのだなと感激いたしました。末永くお幸せでありますよう心からお祈りいたします。ありがとうございました。


次の方です。

先日博多で行われました「発達障害とトラウマ」という研修会に参加させて頂きました。前日から出発し大分県に住む弟のアパートに一泊し翌日博多に向かいました。弟に再開し、お話も十分聞くことができました。充実した旅でした。研修会では発達障害とトラウマにどのような関係があるのかを学びました。この問題に専門家が気付くようになったのは、ごく最近のことだそうです。成人の発達障害の治療に困難が生じるのは様々な二次障害を抱えたためでさらに背後のある発達障害が見えないと「誤診」が起きてきます。このような場合トラウマへの治療が必要になります。このトラウマとなり得る出来事として最も多いものがやはり虐待です。発達障害を持つ子供は目を合わさない物事に没頭するとそれしか見えなくなるなどの特徴があり、育てにくさもあります。しかし本来愛を注ぎ成長を支えるはずの人物から受ける虐待はその人の心に一生の傷を与えるだけでなく脳の形さえも変えてしまします。さらに言えば健常児でも虐待により、脳の形が変わり、発達障害のような症状が現れることもあり、これは第4の発達障害とも呼ばれています。この第4の発達障害はトラウマをケアすることにより、症状が治まります。しかしこのトラウマケアがまだ日本には普及されておりません。年々児童虐待は増加しており、このトラウマケアを行うことは、これからのとても重大なテーマになり得るのでは、と感じた研修会でありました。
この研修会に参加し私が現在行っているトラウマの研究意義というものをより深く見いだせたと感じております。私の研究が虐待を受けた子供達に少しでも役立つように精進していきます。

とおっしゃっておられます。私の子供の頃は今で言う虐待を受けたなと思います。しかし私が母に嘘を言ったり、誤魔化そうとしたり、した時2尺(60センチ)のものさしでお尻を叩かれたものでした。母はよく当時昭和の始めですから東海道一番の親分と言われた清水の次郎長の正しさとはなど話してくれていた時です。小学校に上がる前から1〜2年生の頃でした。よく叩かれましたが私が悪いのですから当然だと思い虐待ではなかったのです。後日話?20才過ぎて幕末の学者で平田篤胤の詩で「正しきによりて滅ぶる国あらば滅びても良し断じて滅びず」の言葉に感動し、以後の事業の座右の銘のようにして判断の基準にして来ました。私事で恐縮です。病気にならないためには日頃子供さんに納得のいく話をし続けておることも大切なのかな、など思いながら読まして頂きました。発達障害の子供さんは病気はもっと深い処にあるとのご報告だったようにありました。ありがとうございました。

次の方は医師国家試験に合格なさった方の最後の報告です。
6年間の大学生活が終わっての思い出を綴ったものですが寿崎育英財団に対しての感謝の文面です。理事長としては大変面映ゆい気持ちですが書き写させて頂きます。

ついに6年間の大学生活が終了いたしました。そのうち寿崎育英財団にお世話になったのは4年間の長きにわたり、学生生活を見守り、支援くださったことを心より感謝申し上げます。そしてご報告が大変遅くなり申訳ございませんでした。第108回医師国家試験に無事合格いたしました。晴れて4月より研修医として新しい第一歩を踏み出すことができました。6年間の道のりは長く、また想像よりはるかに険しいものでした。3日間続いた国家試験の最中でもプレッシャーで押しつぶされそうになりました。しかしそこでふんばって自分自身を励まし壁に挑むことができたのはやはり、自分のことを支え応援してくれる存在があってのことだと思います。両親をはじめとする家族。友人。先生方そして寿崎育英財団の方々。皆様のおかげで歩んでこれた6年間だと改めて感じます。4月から1人の医師として目の前の患者さんに向き合っていきます。夢が現実となった喜びよりも緊張や不安が日に日に大きくなっていきます。どんな医師になりたいか、まだそのイメージもおぼろげではありますが、まずは、患者さんに真摯に向き合い信頼関係を築くこと、医師としてのスキルアップのための努力を惜しまず、常にひたむきであること、そして宮崎の偉人高木兼寛の言葉「病気を見ずして病人を見よ」の言葉を胸に2年間がむしゃらに精進していきたいと思います。寿崎理事長と初めてお会いしたのは私の3年生の時でしたが、毎年お会いするたびに暖かいお言葉をかけていただき理事長のあたたかく力強い手と握手をするのがとても楽しみでございました。私を含め多くの学生が夢や希望を語る姿を見つめる慈悲に満ちた眼差しが目に浮かんできます。直接合格のご報告をできず残念な気持ちでいっぱいですが、必ずまたお目にかかりたいと思います。4年間本当にありがとうございました。
くれぐれもご自愛下さいませ。

とおっしゃっておられます。この手紙最後の近況報告を読まして頂きながら、吾々人間の命の恩人としてのお仕事に携わられる、そして4年間の感謝のお言葉、財団の理事長としてこれに過ぎる光栄の歓びはありません。私の方こそこのような奨学生の方々に御礼申上げます。ありがとうございます。
奨学生の皆様方の感謝のお言葉を読まして頂きながら私自身ありがとうの言葉が足りないのではないかと反省し今では大体1日1000回は「ありがとうございます」を言えるクセがついたようにあります。このお医者様になられたこの方はじめご縁を頂いた方々に改めて心からお礼申上げます。ありがとうございました。

次の方は「縁」を大事にしようと弁護士志望の奨学生の方の報告です。
年度末は別れと始まりに向けて準備する時です。縁の深い人との時間は別れ際まで深く充実した味わい深いものでした。このような人たちとの時間が、私の人生をより深く味わい深いものにしてくれているのだなとしみじみ感じ有難いと思いました。そして私も縁ある人達に幸せを与えられるよう生きようと思いました。また縁の不思議についても考えることがありました。これからも関係を続けていきたい人とは、連絡先を交換したりして今後も縁を切らないよう努力する必要があるなと思うと同時に、一度できた縁は切ろうと思ってもなかなか切れるものではないように思いました。私には人との縁が人生の内容に大きく関わっているもののように思えてなりませんでした。これからも人との縁を大切にして生きたいと思う1か月になりました。思えば寿崎育英財団でも毎年新たな縁ができます。今回も奨学生として選んで頂いてできた縁を大切にしたいと思うとき是非とも夢であるところの弁護士になり恩に報い将来の奨学生に還元したいと強く思った次第です。勉強面では着々と新年度に向けた準備を進めることができています。新年度から本格的に継続していくゼミや論文指導の計画が完成し、今月はプレゼミのようにして仲間たちと答案作成をし、先生に添削して頂きました。いよいよ大学院最後の1年を目前に控え、司法試験お実践を見据えた難度の高い答案作成を毎日のようにして過ごす日々に耐えられるか、不安もありますが、しっかりと地に足をつけて、毎日を一生懸命に生きたいと思います。最後になりましたがこの1年間本当にありがとうございました。私が今年勉学や人間性の向上に集中して取り組むことができたのは、金銭的サポートをして下さった寿崎育英財団の皆様のお蔭です。必ずこのご恩をお返しできるよう今後も精進して参ります。ありがとうございました。

と結んでおられます。この方の将来は、ご縁を大事になさる弁護士様です。どうぞ初志貫徹をなさって世の為人の為に喜んでもらえるよう人生でありますよう、心よりお祈り申し上げます。ありがとうございました。

次の方のお手紙を読まして頂きながらパナソニックを創業なさいました松下幸之助様が素直な心を持てとよく講演でおっしゃっておられました。つまり聞く耳を持てとおっしゃっておられたのです。この方も他の方の経験談やアドバイスを頂くことが成功の1つだと悟られたお話など私も反省させて頂きました。

お手紙は、先生お元気でしょうか。毎月お手紙を書くことを、とても楽しみにしています。
平成25年度のお手紙は最後になってしまいました。1年間寿崎育英財団のご支援によって学生生活を1年間終えることが出来ました。特に今年はゼミでの受託研究や就職活動、アルバイト、合宿など多くのやるべきことや、予定がある中で効率的にやっていけたのはご支援のお蔭です。本当に1年間お世話になりました。最近は就職活動では62社エントリーして5社エントリーシートもしくは試験を受けています。この中で外資系のIT企業が最終面接まで進んでいます。来月この試験が最後になるので全力を尽くして取り組みます。企業になぜ入りたいのか、その企業になぜなのかと訴える時に根底に何があるのかよく考えました。本当に自分は何に望みがあるのだろうかとよく自問しました。実際に面接官は細かい部分にまで深く質問してきました。自分は本当にそれでいいのか悩んだりしました。自分が感じたことを素直に伝えていくこととエントリーシートの内容と一貫性があることも大切だということも学びました。またこの活動の期間いろいろな人の経験やアドバイスをもらいながら自分のスタイルに合わせていくことです。就活や企業の情報が溢れている中で一番必要であるとわかりました。さらに出会う企業にも何かしらの縁があるのでその縁を大切にしていくことです。仕事をして最初からパーフェクトになんでもやっていける人はいないので働きながら学び本当の意味で社会に役立つことを学んでいけると思います。就職活動の後半戦も頑張ります。学業の方では2013年度後期の成績が発表されましたが1つの単位も落とすことなく全部単位を取得出来ました。ゼミの卒業論文と教職の科目と教育実習のみを残すところです。授業を無駄にしないで最後までやりきります。今年中には社会調査士(見込み)社会福祉主事(見込み)教員免許状も取得できます。2年におよぶ受託研究も3月に論文と調査発表会があり、すべて無事に終わりました。結果としては地域振興のためにも地域にある資源の再活用と、若者の取り組み、学術のフィールドとして村内の交流などが提案し、今後取り組んでいくことになりました。とても有意義なものとなりました。

と結んでおられます。成績も良くおめでとうございます。就職も大丈夫と思います。近況報告を書くのが楽しみとおっしゃっておられますが、何か悟られたものと思います。ありがとうございました。

この方で今年度最後ホームページに載せて頂きます。1年間毎月130通ほどの近況報告を読ませて頂きました。凄いと申し上げて良い奨学生の方々の夢、希望、難問への挑戦、寿崎育英財団の奨学生の方々の素晴らしさ、理事長として誠に光栄の極みです。ありがとうございます。私89歳の人間として私が寿屋を現役として働いていたとすれば失礼かもしれませんが奨学生の皆様には全員入社して頂きたいと思う方々ばかりです。人生の終わり近い私として申上げておきたいことは(失礼ですが)相手から喜んで頂く相手を喜ばし続けることをやり続けては如何でしょうか。もう1つ挑戦をやり続けてはいかがでしょうか挑戦するから失敗をする。その失敗が成功の源になります。もう1つは大分県と熊本県がロータリーの2720地区です。そのガバナーに就く時何をすれば良いか中津の元国際ロータリー会長向笠広次先生にお伺いしましたら「ガバナーしながらガバナーになる心配するな」と。そのとおりでした。そして挑戦の1年の任期でした。又次年度も寿崎育英財団の奨学生としてお会いできる日を楽しみにしております。
この1年間誠にありがとうございました。  合掌

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