平成26年3月7日
公益財団法人 壽崎育英財団の奨学生の皆様へ
理事長   寿崎 肇
 
 
新しい年平成26年を迎えました。新年おめでとうございます。
お変わりございませんでしょうか。昨年は皆様から頂く近況報告を毎日のように読まして頂きました。ありがとうございました。お陰様でお一人お一人から若さを頂き、勉強させて頂きました。ありがとうございました。ホームページに載せて頂いた方はほんの僅かでした。漏れた方々には深くお詫び申上げます。お許しください。全体を申上げますと、学生の時にしか出来ない事を探し求めて勉強なさっておられるお姿。研究・実験に夜も昼もない貴重な時間を割いて近況報告をなさっておられる方々。最初は近況報告なんて。とお考えの方が見方を変え、プラス発想と言って良いのでしょうか、これはご自身の1ヶ月やって来たことを振り返るチャンスと捉えて、楽しんで、と思われる近況公告を頂く方々。ほんとにこの1年時間との闘い筆舌に尽せぬ皆様のご苦労に深く深く御礼申し上げます。ありがとうございました。新しい年も病気をなさいませんように健康にご留意なさり、毎日が夢と希望と喜びに満ちた笑顔の絶えない1年でありますようお祈り申上げます。

では最初の方の近況報告です。
○私は教科領域教育実践開発コース(音楽)で勉強中の者です。音楽と美術と合同で「芸術系教科」ということで研究を行っています。その1つとして現在美術と音楽の授業を融合させた授業づくりというものに取組んでいます。半期を半分に分け前半では美術をベースに、後半は音楽をベースに授業を構成しています。美術は空間芸術、音楽は時間芸術と言われますが、それぞれの長所や短所をお互いにカバーし合いながら、先進的な授業づくりに取組んでいます。このような視点で授業を組み立てたことはありませんし、ましてや音楽以外の教科の授業を行うことはありませんので、苦労する部分は多くありますが、とても新鮮な気持ちでいます。学校外では「寺子屋」という事業にボランティアとして参加しています。自習期間中は参加できなかったのですが、今は再開し参加させていただいています。1ヶ月間生徒と会っていなかったので少し不安はありましたが、授業がスタートしたら生徒から積極的に質問などしてくれ、楽しい授業が終わりました。この寺子屋では生徒への指導力をつけるだけでなく、生徒との関わりを勉強させていただいています。生徒1人1人に合わせて説明の仕方や、勉強以外の話や、生徒指導面のアプローチの仕方など学ばせてもらっていると感じています。このことは実習だけでは学べませんし、寺子屋のように長いスパンで生徒と接していく中で分かることも多くあるので、ぜひこの寺子屋事業を通して身につけたいと思います。今月からも多くのことに目を向けて自分の研究に向けて慢心していきたいと思います。

と結んでおられます。芸術系教科をつくる研究。その為に目に見えるもの、耳で聞くことなど全てが研究の材料になる。昔私の若い頃、小売業をやり始めた頃は小売業は尊敬される職業ではありませんでした。その時教わった事今でも覚えています「あなたの職業に自信と誇りをお持ちなさい。これ程健康と頭脳と品性と勇気を必要とする職業はありません」毎日自分に言い、言葉で声を出して唱えることで尊敬される職業にもっていくべしと思い信じて続けて参りました。この言葉を、今の職業のすべてに当てはまるようにも思えます。自信を無くしたらこの言葉を声を出して毎日言い続けると良いのではないかと思います。畑違いとも思える音楽と芸術を融合させた授業作り、唯々凄い研究をなさっておられるのだとご尊敬申上げるものでございます。ありがとうございました。


次の方は看護科の3年生の方の報告です。
○実習について産婦人科、精神科での実習を通じてそれぞれの科の特色や求められる看護について学んでまいりました。まず、産婦人科の実習では、人生で初めてのお産の場面に何度も立ち合うことが出来、非常に貴重な体験をすることが出来ました。妊娠期から分娩、産褥まで、一貫して患者を受け持つ事が出来、それぞれの時期ごとに患者に必要となる看護や、心理的変化について感じ取ることが出来ました。妊娠期は、まだ見ぬわが子に対して「無事に生まれて来るだろうか」という不安や、待ち遠しいと思う喜びの感情がある対象者が多いことから妊婦自身が望むお産をすることが出来るように、出産前から傍らに寄り添い、話に耳を傾けて不安の軽減に努める必要があると思い、実践に到りました。次に分娩時には、立会いを希望する対象者が多く、退院後に生まれた子どもと共に生活することとなる夫が実際に出産場面に立ち合うことで、今後の夫婦関係が円滑になる一助になると考えました。産褥期には赤ちゃんと母親の双方の健康状態について管理する他、赤ちゃんと母親のふれあいを積極的促す事や、退院後の生活についての指導を行うことで母親としての自覚を目覚めさせる意味があると思いました。産婦人科での実習は看護師として新しい視野を持つことが出来、更に学びを深めたいと思える分野を発見することが出来ました。そして精神科病棟の実習です。患者さんは自身の疾患について、しっかりと向き合い病気との付き合い方を心得ている方が多いと言う印象を受けました。精神障害者社会復帰施設での実習は、初めての体験が多く、貴重な学びが出来たと感じております。自分の生活する地域に精神障害者を支援する為の施設があるということを知る事が出来たほか役割やニーズ、制度の問題点などについて知ることが出来ました。仮に自分が看護学生ではなかった場合はこれらのことを知ることは、なかったと言っても過言ではないと思われ、精神疾患に対する一般的な情報の普及が不十分であると思いました。

とおっしゃっておられます。母親になるまでの体験した母と赤ちゃんのお話。何はさておき赤ちゃんが無事出産出来た事を読まして頂きながら私の長男が生まれるとき帝王切開で生まれ、泣かないので水につけたりお湯につけたりして漸く小さい声で泣いたので安心した時を思い出し、元気で無事に生まれてくる母子を見学?することが出来て良かったと目頭が熱くなりました。ありがとうございました。


次の方の報告では「マザーテレサ」の言葉についてマイナス発想をやめプラス発想のクセをつけるお言葉など事業での思い出も多く。これを拡大解釈して若い頃うまくいかない事があるとあれが悪いこれが悪いと言っていました。この言葉と出会って仕事がうまくいかないのは、自分のどこが悪かったのかなど反省してみますと、全てが自分の悪さが指摘され、考えを訂正するようになりました。部下が失敗しますとそれに対し自分の教え方が悪かったので失敗したのだ。など考え方を変えることが成功の秘訣。何でもかんでもトップの私が悪い。など考えるようになって、物事がうまく捗るようになりました。そんな意味でこの方の近況報告を載せさせていただきます。では。

○さて今月私は素敵な言葉と出会いました。ある時私は書店に立ち寄り本を見ることに。卒業論文も終わったことだし本でも読もう、何気なしに手に取った本がマザーテレサの本でした。私は大学2回生のときにMGOのインターンとしてバングラデシェへ行き教育支援の活動をしていました。その際一度隣国へ出国して再度ビザの手続きをしなければなりませんでした。私は隣のインド、コルカタ(カルカッタ)へ行くことに。ビザの為だけに行くにはもったいないと思った私は、コルカタのマザーハウスでボランティアすることに。マザーハウスとはマザーテレサが設立した7つのボランティア施設を総称したものです。私は「死をまつ人の家」という施設でボランティアをしたのですが、毎日考えさせられる日々でした。今日、私と元気に話をしていたのに翌日には亡くなっている。そういう日が何日かあり、私は命の尊さや日本という恵まれた環境に生まれた喜びを改めて感じ考えさせられました。そのマザーテレサの本の中で書いてあった言葉。「暗いと不平を言うよりも、あなたが進んで明かりをつけなさい」近年、多くの若者は不平をいい、他人任せにしているように思えます。ごみが落ちていて気付いたとしても、誰かが拾うであろうと自分から拾おうとせず不平や不満だけはいう。私はこの言葉と出会ったとき「私は今まで人生何をやっていたのであろう」と思いました。時には不平や不満をいい、他人任せで逃げる。マザーハウスでボランティアをしていた時、各国のボランティアの人達は不平や不満を言わずに進んで活動をしていました。私自身、1週間の予定でボランティアをする予定でしたが月日がたち1ヶ月間施設でボランティアをしていました。マザーハウスでボランティアをして3年。再び書店でマザーテレサと出会い素晴らしい言葉と出会うことが出来ました。これからの人生に対して不平や不満が多くあると思いますが、私自身が進んで行動し希望の明かりを灯していけるようにいたします。

とおっしゃっておられます。若い内に素晴らしい人間としての勉強をなさったのだなと思いました。私の現役時代は小売業でしたからお客様への奉仕が仕事でした。奉仕とはお客様に喜んで頂くことを毎日続けることです。そのときによく使っていた言葉に「小さきローソクよ、燃えつくすまで燃え尽せ世のあかりとなるため」この言葉はマザーテレサの言葉だったのだろうと、この報告書を見ながら思いました。ありがとうございました。

次の方は看護職を目指す学生であり又人間としていろいろの実習がご自身を成長させて下さると実習の中で感謝をしておられるお方です。
○前回の報告は慢性期病棟、急性期病棟での実習の様子でした。今回は小児科病棟と産婦人科病棟について報告します。小児科病棟の実習は知的発達障害を持った子どもや身体的障害がある子供達と接し、必要な看護について考えました。子供達は発達障害や身体的障害があっても笑顔で明るく生活を送っていました。この子供達に自分は看護職を目指すものとして何が出来るのだろうかと考えました。そうして考えた結果、子どもたちは今後の将来に大きな可能性を持って現在を生きている。現在の関わり方で今後の可能性が小さくなったり、逆に可能性を今よりも大きくすることができる。そのためにも現在の子供達の発達段階に合わせた関わりを行っていくことが大事である。と考えました。もちろんこのことは年令に関係することではありません。全ての人に対してこの考えを忘れずに接することが大事です。しかしその中でも大人になるために成長をしている子どもの時期にこの考えがより重要になってくると考えました。それは、この時期の接し方が今後の生き方に関わってくるからです。子どもたちと接する中で、この時期が今後の将来の為にもいかに大切な時期であるか、そしてどのようにして関わっていくかという難しさを学ぶことができました。次の実習は母性実習ということで、産婦人科での実習を行いました。そこで実際に妊娠期、分娩期、産褥期という一連を通して関わることができました。また実際に出産をする様子を見学させていただきました。そして赤ちゃんが生まれると全員が笑顔になり、全員で喜びました。生命誕生の苦労と素晴らしさを目の当りにすることで、命の尊さを改めて実感することができました。このことが看護職を目指す学生として、また1人の人間として自分を成長させてくれたと思いました。残り少ないですがまだ実習は続きます。日々の学びを大切にし、いろいろの人から様々なことを学んで成長していきたいと思います。そのためにも、体調管理をしっかりして実習に臨もうと思います。

と結んでおられます。お医者様になるために人間の色々な出来事を学んでいく姿には頭が下がります。赤ちゃんの生まれてくる項目を読まして頂きながら無事で良かったと目頭が熱くなりました。私の一生、どんなお医者様のお世話になるかわかりません。どうぞすべての人間の為に頑張って頂きたいと思いました。ありがとうございました。


次の方も医療の関係の学生さんです。自分が勉強することで故郷にご恩がえしをしたいとおっしゃっておられる報告です。
○先月末無事に島根で行われました日本高次脳機能障害学会が終わりました。島根に向かう雪景色。鹿児島で育った私にとって、白銀の雪景色は心躍るものがありました。学会自体は、いざ演台にあがると不思議な程、その時間を楽しむことができました。質疑応答もある程度予測していたものがきたので落ち着いて対応することができました。加えてこれまで研究していくなかで、自分にはなかった視点を頂くことができて改めて自分の研究を見つめ直すと面白いものだなと思い、一つの研究で何度も楽しませてもらえる自分は幸せだなと思っています。その感覚が味わえるのは、学会で意見をもらえたことは大きいことですが、元々は見ず知らずの一学生の研究にご協力くださった県、施設、回答者の方々の存在あってこそだと、どのように感謝しても足りないですが、この論文を公の場で形にしていくことで、介護における厳しい現実を1人でも多くの人に意識してもらうことが第一歩になるのではないかと思い、今は査読通過に励んでいます。またもう一つとても大切なご報告があります。就職の正式内定をいただきました。以前もご報告させていただいたことのある内容ですが京都の名刺を交換させて頂いた先生とご縁がありまして、そちらの先生がリーダーを努められているプロジェクトの研究補助員として入職いたします。これまで他には目もくれず認知症を研究してきたことでもあり、プロジェクトメンバーとしてのみでなく認知症疾患センターの心理士としても仕事をさせていただけることになり、このように目標が叶うとは夢のようです。思い返せば去年から財団より頂いた奨学金を貯めたもので、京都の勉強会に参加させて頂き、その時の出会いがこのような形で私の念願叶うことになりました。あれから1年、私の生活は大きく変わり、目標を強く持ち、そこに向かおうとする努力をしていると、たくさんの方々との巡り合わせに恵まれ、いつか手にすることができるという自信と幸せを得ました。このような幸せに喜ぶだけでなく、次に見える目標にまた一歩一歩進みたいと思っています。生まれ育った鹿児島、我が家を離れることへの不安や寂しさもありますが、外に出ないと見えないものを見て、感じ、そして学び、いつか自分をここまで育ててくれた鹿児島に恩返しをしたいと思っています。親にはしばらくの間、もう少し甘えさせてもらい、親が老後といわれるまでには、今頭の中にあるものが形として世に出ているように善処したいと思っています。

とおっしゃっておられます。生まれ故郷鹿児島にご恩返しをやるんだ。と。私の年令ならいざ知らずまだ20歳前後の学生さんのお話です。素晴らしい。と言うより凄いと感服いたしました。思いは叶う。と教えられた近況報告でした。ありがとうございました。

平成26年に入って写し始めた近況報告でした。今年もお元気で夢を叶える為の毎日のご努力でありますよう心よりお祈り申上げております。ありがとうございました。

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