平成25年4月1日
公益法人寿崎育英財団奨学生への皆様へ
理事長   寿崎 肇
 皆様から頂く毎月130通の近況報告は奨学生の皆様にすべてお読み頂きたいものばかりです。申し訳ありまでんが独断と偏見で、のせさせて頂きます。もう1つ申し訳ないことはご了解なしの記載ですから学校と実のお名前は書いておりません。お許し下さい。

 最初のお方は自分の言いたいことを相手に十分理解してもらうことの難しさをお話なさって下さいました。私はリチュームイオン電池の正極材の合成について研究しています。先日研究の中間報告を提出しました。中間報告は研究内容を書類にまとめて提出します。今まで行って来たことを整理し考察することは、とても大変な作業でした。しかしそれ以上に労力を使ったのは文章の書き方です。言い回しや表現の仕方、話の流れなど普段いかにできていないのかを思い知らされました。自分の言いたいことを正確に、かつ、わかり易く伝えることは、社会に出てからも重要なことです。なかなか身に付けることは難しいですが、学生の間に地道な努力を重ねて、力をつけたいです。また私は陸上部に所属しており、今年最後の試合に出場しました。競技は100mで記録は自己ベストには及びませんでしたが、気温が低いことを考慮すると妥当なものでした。これからは冬季の練習になります。今年は筋力アップをメインにして妥協を許さず鍛えたいと思います。と。スポーツをなさっておられる為でしょうか。挑戦、挑戦又挑戦の人生の感じがいたします。社会に出てからが大へん楽しみな人生をお創りになることでしょう。頑張って下さい。 ありがとうございます。

 次の方は病院実習で感謝と謙虚と素直を学んだお話です。3ケ月の病院実習も先日終了しました。ご指導にあたって下さった教員はもちろんですが、受け持たせて頂いた全ての患者さん、実習を受けいれて下さった病院関係者の方、支えてくれた家族、全ての方の力なしでは、この実習を全とうすることは出来ませんでした。支えてくれた全ての方、関わらせて頂いた全ての方に対して感謝の気持ちがいっぱいです。この3ケ月間の実習の学びは数多くありますが、一番の学びは「周囲に対する感謝の心」かも知れません。今までは自分1人で何でも出来るような、そんなおごった気持で生活していましたが実習を通して謙虚であることや、素直であることの大切さについて、学ばせて頂きました。人生は完成やゴールなどなく、常によりよい人間でありたい。そのために努力することが必要なのではないかと感じました。或る経営者ののお話も同じで、ものごとを成し遂げるのはこの3つが秘訣とも おっしゃっておられました。ありがとうございました。

 次の方は夜間部の学生さんで昼働いて、夜学校で学んでおる方です。来年平成25年4月からの就職先で研修させて頂いております。希望だった販売のお仕事です。2年半、夜は学校で学び昼は働いていたので、自分としては半社会人?のような気分だったのですが、実際に本当に社会に出てみると、全々違います。社会の当り前が自分には分からない部分もあり最初の頃は小さなことで、ミスをしっぱなしでした。正しい敬語や電話の仕方など自分がいたらないばかりに難しく感じておりました。それでも最近は少し慣れてきて、やりがいもありますし、研修がすごく楽しいです。学校は、と言いますと、卒業論文の提出でみんな研究に大忙しです。私は仕事にも生かせるように、VMD(ビジュアル、マーチャンダイジング)やディスプレイについて研究をしています。とてもやりがいはあって、為になるのですが論文そのものが追いついていなく、今必死の努力の最中です。このようにばたばたはしていますが毎日充実しています。とおっしゃっておられます。社会での当り前が学生の自分には分からない部分がある。と小売業の世界ではそんなこともあるのかなと思ったりしました。ありがとうございました。

 次の方は保育実習などで散々苦労をし改めて子ども達の傍で成長をサポートする保育士の魅力を知ることが出来たと喜んでおられる報告です。二週間にわたる学生最後の保育実習がありました。子どもの姿を学ぶことから保育に実践の内容を習得出来るように、積極的に実習に参加させて頂きました。私が行かせて頂いた実習先は子どもの数が県内で一番のマンモス校で、近代的な保育実習をさせて頂けたと思います。今回の実習では研究保育という、1時間20分程の主活動を1人で行う課題でありました。私が担当させて頂いたクラスは3.4.5才児が混ざった異年会児クラスであり、研究保育で行う内容に大変悩みました。簡単なものを選ぶと5才児の子どもには退屈になってしまうし、反対に難しいものを選んでしまっては、3才児の子どもが参加できなくなってしまいます。悩んだ結果「配達屋さんになって荷物を運ぼう」というテーマでチームで協力してボールやプレゼントを運ぶという運動遊びの活動を選びました。研究保育の当日、思ったより緊張していない自分がいました。保育中には園の職員が交替で活動の内容を見に来られます。先生方の鋭い視線が子ども達にも伝わり、子ども達の方が、少し緊張しているようでした。活動は2つの運動遊びを中心に進めていき、それぞれで、子ども達はチームで考え、協力して達成してくれていました。1時間20分はあっという間に終わっていました。最後に子ども達に宛てた「配達してくれてありがとう」という手紙を読むと、皆、清々しい顔して聞いてくれました。その顔を見れたことで、今回させて頂いた活動に自信がもてました。子ども達には難しい部分もあったかも知れませんが、チャレンジして協力して成し遂げられた達成感を味わってくれたと思うので、自分では成功だったと思います。今回の実習で、1つの活動を自分1人で考え、その準備をし、子ども達の動きや、考えを想像したり、ハプニングが起きた際の予測をしたり、様々な視点で、物事を考えなければならないことを学びました。また子どもたちの素直な心に触れ、改めて子どもたちの傍で成長をサポートする保育士の魅力を知ることが出来ました。卒業までの残された時間で、今回の実習で見つかった課題点を少しでも達成して、得意だと言える程にしていきたいです。実習で体調を崩してしまいました。体調管理も仕事の内だと思います。しっかりと体調を整えて、周りの迷惑にならないよう、体を鍛えておきたいと思います。と結んでおられます。私の現役時代365日休み無しです。風邪で主治医の処にアップアップしながら参りますと、よく言われましたのは「休むのも仕事の内」とよく叱られたものでしたが、この方はご自分で悟っておられます。おそらく、近況報告を頂く奨学生皆様も同じお考えで悟られた方々ばかりだと思いました。

次の方は教育学部の学生さんで児童に達成感を与える研究発表についてのお話です。後期が始まって東京音楽大学において日本音楽教育学会第43回大会が行われました。今回、初めてこの全国学会で、私の研究を発表しました。研究テーマは「小学校音楽科において、すべての児童に達成感を与えるための教師の手だて」です。発表後は先生方から多くのご意見を頂きました。そしてまだまだ多くの問題点があることを自覚しました。例えばテーマにもある「達成感」とはどのようなことか、どうやって計るのか。これについては早速大学に帰ってから、先行研究を読み、定義づけを行いました。「達成感」とは「ある物事において、成功を収めたとき、自分の中にある自尊心が高まり、自己満足が得られること」と定義づけました。この「達成感」の定義をもとにその後の実習では音楽の授業後に子どもたちにアンケート調査を行いました。そして子ども達の達成感が高まるような指導、授業展開を行っていきます。全国学会で発表したことで、研究の目的や内容を整理することができ、本当に良い機会となりました。それから4週間最後の実習が市内の小学校であります。実習は今回で6回目になりますが回数を増すごとに不安が大きくなります。実習に向けて準備を整え体調を万全にして実習に望みたいと思います。とおっっしゃっておられます。読まして頂きながら私の現役時代の40年達成感はなんだったのたろうか1つのことが何とかうまくいくとすぐ次の難関が待っておった感じでした。この感成感の定義。遣わして頂きます。勉強になりました。 ありがとうございました。

次の方の報告は獣医学部生として生体に侵襲をおかすことの意味を自問自答する毎日です。というご報告です。基礎科目はほとんど終わり、今は臨床に近い講義と実習も追われる毎日です。生命を扱う職業に就きたいと、この道を選び努力して入学したのに、学ぶほど、生命は尊く、崇高でそれを目の当たりにすると、畏怖の念ばかりが浮かんできます。動物を救うことで、人を救いたい、その志は入学当時と変わらないのに、生命の重さを知ってしまった今はそれを業とすることが、怖くて仕方ありません。それでも畏怖の念と同じくらい、生命が愛しいものである、ということを私は4年間で学びました。日々の生活は、そんないろんな思いとの葛藤ですが、今はただただ、必死に目の前の生命と向き合うばかりです。それでも、これから先どれだけの生命にふれ、どれだけの生死を経験しても生命と真摯に向き合う獣医でありたいと思っています。そして私の町では口蹄疫復興イベントである「水平線と花火」に参加してきました。このイベントは口蹄疫の悪夢から今年でその開催は3度目を迎えます。発起人は泉谷しげる、その運営は県民のボランティアによって成立っています。私が大学2年の時に経験した口蹄疫。あの戦禍を忘れることはありません。今回も「水平線と花火」では口蹄疫を振り返る映像が幾度も放映され、当時のことを振り返り、ただただ胸がいっぱいでした。それでもこのようなイベントが善意に支えられ、毎年続いていること、そしてこのイベントを通じて多くの人が口蹄疫を思い出してくれること。人間とはなんと温かいものであるのか、と、ただただ感動を覚えました。当時、飼っていた家畜を殺さなければならない、身を切られるような決断をした農家の方々。危険は承知の上、灼熱地獄の中、いつもなら助ける家畜たちを、その手で殺さなければならなかった獣医師たち。そして罪もないのに、その生命の火を消すこととなった多くの家畜たち。忘れてはなりません。そして二度と繰り返してはならない。そのことを深く心に刻んだイベントとなりました。来年もその先も参加を続けようと思っています。と結んでおられました。この奨学生は女性で獣医師を志す方、医師として動物を助けなければならない立場の人が自らの手でその家畜を殺す。イベントに参加なさって涙が止まらなかった近況報告とお見受けいたしました。私も、手塩にかけて育てた農家の方のお気持ちを考え目頭が熱くなりました。人間としての美しさを読まして頂きありがとうございました。

次の方はいろいろに挑戦なさって自分を磨き見つめておられる近況報告です。ご自身は3回生です。 先月7日に2回生を対象にしたゼミガイダンスを行いました。私の大学ではゼミの履修は必須では無く、ゼミを選択しない学生が一定数存在しています。さらに、今年度はカリキュラムの変更も重なり、多くの学生が、前の見えないままゼミを履修するとかしないとう選択をとることが予想されました。そこでゼミを選択する前に、ゼミに入っている学生と本音で話合える場を作り、そこで情報交換を行っていきました。それにより、ゼミを選択した後に、「思っていたのと違った」という勝手なイメージによる落胆を軽減させ、納得性の高い選択につなげてもらいました。今後もこのような、活動を行うことで、もっと多くの学生に、納得性の高い選択をおこなってもらえればと思います。次に先月の18日には日商簿記2級を受験しました。同時進行ではイベントの準備があり、25日にはキックボクシングの大会に向けた練習などで、ほとんど勉強する時間がありませんでした。しかし大学の授業で既に学習した内容だったこともあり、短期に集中して学習することで検定に合格することができました。そして25日のキックボクシングの大会に出場しました。海外から帰国してあまり練習しておらず、基礎体力から作り直さないといけなかった為、早朝ランニングをするなど、運動量を増やしていきました。さらに、体重制度もあり、1ケ月と少しで5キロ以上の減量を行いました。人生で初めての減量であったため、最初はなかなか体重が落ちず苦戦しましたが、一度体重が落ち始めてからは、すんなりと落とすことができました。試合自体は負けてしましましたが、試合までのプロセスを通じて、多くのことを、学ぶことができました。毎月学ぶことの多い月ですが今月の活動を通して学んだことは、日頃から学習の大切さ。たった3分のためにどれだけ頑張れるのか、イベントを行う上で、誰に何を伝えたいのか、ということです。日頃からの学習の大切さは、簿記検定2級で感じました。時間が無い中での学習を強いられた時、どれだけ日頃の学習を行い、常に行った学習を完了させていくという姿勢が重要であると思います。完了させるということは、理解するということであり、本質を学ぶことにつながるため分からなくても、本質に立ち返り、自分で答えを出すことができます。今回、検定で合格できたのも常に本質を大切にしてきた結果であると思います。さらに、たった3分のために、どれだけ頑張れるのかということに関してはキックボクシングの練習を通じて学ぶことができました。試合時間がたった3分であり、その為に、体重を5キロも落として臨む。話を聞くだけでは、そんなに頑張らないといけないの、と思う人も居ると思います。しかし、その3分にどれだけ練習で頑張れるのか、ということが、本番でどれだけ頑張れるかということにつながります。本番を意識して常に全力で臨むことが重要なのだと改めて感じるに至りました。
最後に、誰に何を伝えたいのかということです。コンセプトの重要性と言い換えることができると思います。これはイベントを通じて、本当に伝えたい人は誰なのか、そして何を伝えたいのか、ということを、はっきりさせておかないと、伝わらない、ということです。人に対して話す機会が多くなればなる程、コンセプトが重要になってきます。常にコンセプトが何なのかということを意識する必要があると感じました。これから就職活動が始まります。現在では、多くの学生が、ほとんどの企業も人を見ないで、インターネットを通じ就職活動を行います。どんどん目の前が見えなくなっているように感じます。常に開けた視点を持つことを意識し、就職活動を通じて多くのことを学んでいこうと思います。と結んでおられます。長い近況報告でしたが私自身勉強させて頂きました。日商簿記2級の合格を淡々と述べられておられますがこれもキックボクシングの試合時間3分に如何に自分の持てる力を100%出し切るか、そのプロセスはどうあるべきかなど私もこうあったらモット大き事業が出来たのではないか反省させて頂、次の人達に伝えたいと思いました。ありがとうございました。

 お詫びを申し上げねばなりませんことは昨年4月1日に熊本の壽崎育英財団が公益財団法人に認可されました。公益財団法人の期限が今年11月までです。出来れば今年の新年度が始る4月1日に認可された公益財団法人に鹿児島も宮崎も大分も移行して頂きたい。と事務局の松下さんが日夜頑張ったお陰で各県から3月に認可され4月1日の登記が完了しました。これで寿崎育英財団が南九州四県共に公益財団法人なりました松下事務局員の日夜の努力。先程のキックボクシングの試合3分間への日々のプロセス。ふりかえってみますと皆様のお力添えの賜でございました。ホームページの取組みがこの間おろそかになりました。昨年12月頃からの皆様から近況報告がストップしておりました。今後は出来るだけ早く追いつくように努力いたします。卒業なさった方々にはお読み頂くチャンスがなくなってしまい心よりお詫び申上げます。
公益財団法人化で新しい財団法人の道が拓けたものと思いますので、引き続きホームページをご覧頂けますようお願い申上げます。 ありがとうございます。


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