平成25年4月1日
(財)寿崎育英財団奨学生への皆様へ
理事長   寿崎 肇
3月4月の皆様からの近況報告は私の知らなかった事やお読みになった方が何かのヒントにして頂きたいことと将来文集を作る為にも大切なことではないかと思い匿名とはいえ報告書に了解を得ないまま載せて頂いております。お許しを頂きますようお願い申し上げます。

最初の奨学生の方は熊本市内の大学の方です。私はチャペル委員会というものに所属しています。学長から委嘱される委員会で、毎日行われる礼拝を守ることが仕事です。この度そのチャペル委員会の讃美部門のひとつオルガニストの代表になりました。今でこそオルガニストの代表ですが、私は最初オルガニストになるつもりは、ありませんでした。ピアノを習い始めたのは高校生の時でしたし、あまり上手ではありませんでした。チャペルに入る時係の希望を聞かれ、何とはなしに、第2希望の「オルガニスト」と書いたのでした。いつの間にか第一希望の係と共にオルガニストにもなっていたのです。断ろうかとも思いましたが挑戦してみようと思いそのまま決定しました。先月は少しバイトを頑張りすぎてしまい、心のバランスを崩してしまって、ひどく落ち込んでいました。久し振りにオルガンを弾いてみました。オルガンを弾いていたら、自分はオルガンの音色を欲していたことを知りました。驚く程オルガンが心に響いて、バラバラになっていた心が自然とひとつにまとまっていくように感じました。自分の中でオルガンを弾くことが、そんなに大きなものになっていたなんて私は知りませんでした。苦手だと思っていたのに、いつの間にか私を救ってくれるなっていました。最初は気まぐれのようなキッカケだったのに自分なりに頑張って、しがみついていたら、こういう風に自分に良いものとして結果が返って来るのだな、と素直に感動できました。前畧中略後略と勝手にチョン切って書かして頂きました。あまり興味なさそうに思えたピアノが自分を救ってくれたお話だけにピントを合わせて報告書を写させて頂きました。人生はこんな事の連続ではないかと思います。ありがとうございました。

次の方の報告です。学校の掲示板に寿崎育英財団の奨学生募集があり1年の早さを感じるこの頃です。交付式や指導会では私の大学からは私一人だったので行く前は不安だったのですが、同じような状況で勉学に励む学生さんや違う分野を学んでいる学生さん、そして人生経験豊富な先生方のお話を聞くことができたのは、私にとって大きな刺激でした。思うと入学してからは同じ学校生としか話す機会がなかったので、あんなに、たくさんの学校の学生さんと触れあえるなんて、普段は絶対に話せないような先生方とお話出来る機会は貴重な時間だったのだと思います。とても素敵な場面を私達のために作って頂きありがとうございました。私はアルバイトと就職活動に明け暮れております。忙しい毎日で、月初めには体調を崩し、新型インフルエンザにかかってしまい大変でした。ベッドの中で1週間は辛く体調だけは、なんとしても管理をしようと心に決めました。ホームページに自分の報告を見た時は感動いたしました。更に精進しなければ、と意識が変わりました。ホームページにのっている他の学生さんの近況報告を読むのも毎日楽しみでした、と。そしてこの学生さん「1年間本当に、本当に、本当にありがとうございました」と書いておられる文字を読み胸にグッと来ました。そして私自身までこのようなお礼を申し上げたことが無いのを反省と同時真似させて頂こうと思いました。ありがとうございました。

次の奨学生の方は桜の春の少し前に頂いたものです。早いもので3月も終わりを告げようとしています。この1年勉強に尽力すう日々を過す中で1つ気付いたことがあります。それはこのような勉強だけに取り組むことが出来るのは、周りの人のおかげだということです。「勉強」自体は自分1人で取組むものですが、切磋琢磨しあいながら、同じ道を歩む友人たち、ご指導下さる先生方、そして成人してもなお勉強に専念することを許し、支えてくれる家族があってこそ、今の私は、いられるのだと思います。このことを決して忘れず「人の心を救える弁護士になる」という夢を叶えることに代えて、この恩を返せるようにしたいと強く思います。とおっしゃっておられます。私の割と長い人生をふり返って成功しておられる方は全部と言って良い感謝、ありがとう、お陰です、の多い方だとお見受けいたします。

次の方の報告です。私がこの1年で出来たことと言うと自分のことだけで精一杯で恥ずかしいのですが、新聞記事の学生特派員として、学生にインタビューをしたり、沢山の方々に読まれる記事として文章を練ったり、という経験をしました。またスポーツと健康に関わる活動をするためのサークル立ち上げに関わり、ねんりんぴっくでのボランティア活動も行いました。最近、私が病気や生理学などを勉強していることを知った人から「こんな異常があるのだけどどうしたらいいか」とか「この痛みは何が原因か」など聞かれることがあります。診断はできないので、東洋医学的にはどうかなどを考えて「こういう場合がある」と言ってみるのですが、聞いた人の考えには「これが原因ではないか」と自分で見当をつけている所があり自分の考えていることが正しいと肯定してもらいたいと思う場面があります。私は学生として勉強中で私の考えが正しい可能性は低い。私の反省は自分の言ったことが他人にどう受け止められておるか、自分の言いたいことが伝わったか、などコミュニケーションとることの難しさを感じています。コミュニケーションをとる為に、必要だと思うことは、慶弔だと言われますがまさに早とちり、や決めつけをすることなく、思っています。この奨学生の方は人の話をよくきくことを悟ったものと思います。話し上手は聞き上手と私は教わりました。しかし最初は相手が2つ話す間私は8つ話す、今は漸
く耳学問をさせて頂いております。近況報告は私の反省の言葉がいっぱいです。ありがとうございます。


次の方の近況報告です。先日進級判定結果も発表されて無事4年生へと進級することができました。現在はアルバイトに励む毎日です。学校で講義がない分アルバイトで働く時間を多くしているので逆に学校に行っている時よりもかなり忙しいです。そんなバタバタした生活の中で6月に行われる学生最後の実習の要項の作成と研究のテーマの決定を同時に行っています。研究のテーマは先日やっと決定し、悩みに悩んだ結果“レジスタント、トレーニングがメンタルに及ぼす効果”というテーマに決定しました。筋力トレーニングがどのような精神的効果を及ぼすかについて研究することにしました。私は身体を動かすことが好きなので、このテーマにとても満足しています。今から研究がとても楽しみです。綜合実習の要項の作成は予想以上に困難を極めています。忙しい時間を縫ってねらい、目標を立てるのですがなかなか合格をもらえません。最後の実習だけあって、そう簡単にはいかないようです。本当に忙しい日々に心折れそうな時もありますが、周りの力を借りながら少しずつ頑張っていきたいと考えています。と結んでいます。出来上がった論文を読まして頂きたと思いました。実習要項ですから無理かなとも思いました。若い方々の挑戦の喜び素晴らしいとも思い羨ましい限りです。 ありがとうございました。

次の方の報告です。今月5日より私は障害児施設での実習が始まり、忙しい毎日を過ごしています。先月の保育園実習とは違い、障害をもつ子どもに対する接し方などがとても難しくあまり上手く出来ない自分にもどかしさを感じたりしています。特に目に見えない障害であると言われる、発達障害を持つ子どもに対するフォローの方法など、実際に職員の先生方の動きや言葉かけを観察しながら、本当にたくさんの事を学ばせて頂き本を読むだけでは見えなかったことが見えて来たり、保育士になるためにとても貴重な経験をさせて頂いております。今回の実習を通じて障害をもっている子もいない子も関わってみると「どの子も皆可愛くてたまらない」と思える自分に気付き、やはり自分は保育士と言う子どもと関わっていく仕事の魅力を改めて感じ、絶対に保育士になりたいと強く思いました。あと残り1年なるべく多くの知識や技術を身につけ一人前の保育士として、羽ばたけるよう頑張って参ります。と結んでおられます。母性愛と申して良いのか子供を思いやる愛情の深さに目頭が熱くなりました。保育士のお手本と言われる方になるお方でしょう。 ありがとうございました。

次の方は留学についての決意を語っておられます。海外の留学に行かれていた先輩たちが日本に帰って来られて、たくさんのおみやげ話を聞くことができました。カナダに行かれた先輩の話ではホームシックもあまりなく、英語での生活に慣れていくにつれ、言葉の壁を逆に楽しむようになったとおっしゃていました。言葉の壁に悩まされている私としては理解できませんでいたが、自分も1年後同じことがいえるようになりたいなとも思いました。また日本に帰ってきて、さらに日本の良さが分かった。と言っておられたのを聞いて、さらに留学への期待感が大きくなりました。そんな風に語っていた先輩の姿を見て留学はたくさんのことを経験でき成長できる機会なんだと思いました。もちろん自分の努力次第ですし、母親にもお金の面で多大な負担をかけてしまうことになりますがお金のことは心配しなくていい。と言ってくれたので本当に感謝しています。ですから、この留学の機会を絶対無駄にしないように、今のうちにTOEICテストのスコアをあげるなどの努力をしたいと思います。と結んでおられます。 お母様の並々ならぬ決意が見えて来ます。娘の一生一度の願いと思ってのことでしょう。美しい親娘の姿を読まして頂きました。
ありがとうございました。

次の方もお母さんのことのお話もあります。 先日は4日間肢体不自由者の心理、生理、病理という集中講義を受けました。その講義は体験を混じえて行われたので、とてもわかりやすかったです。肢体不自由の方にとって体を動かすことはとても大切であり、その中でも教師がその人にとって、楽な動かし方を知っておくことがまた重要なことであることを学びました。今月は4日間、母が心臓のカテーテル手術を受け入院生活を過ごしておりました。母が手術を受けている間、私は1人で病室で待っていました。その時同じような症状で入院されている同じ部屋の方々に「お母さんは大丈夫だからね。心配しなくていいからね」と言う言葉を頂きました。あまり緊張していなかったつもりでしたが、なんとなく方の荷がおりるような気持ちになりました。その出来事から周りの方々からの、支えは本当に心強いものだということを実感しました。また感謝の気持ちも決して忘れてはならない、と思いました。知り合って間もない方々だったには関わらず親切にして頂いたことは一生忘れることができません。ですから私もそのような方々のように、誰に対しても親切心を忘れないように生きていきたいと考えました。母の手術は無事成功し、今日からまた仕事復帰をします。これからは母にも少しずつ恩返しをしていきたいです。と結んでおられます。お母さんのこともあってでしょうが壽崎様の健康を心よりお祈り申し上げます。とおっしゃて頂いております。 ありがとうございました。

次の方もお母様への感謝のお手紙です。私は専攻科に母に無理を言って進学させてもらいました。1年に学費は77万円、その他の費用はアルバイトで稼いだお金で払うことが出来ましたが、77万円との大金は、さすがに学生の私にはありません。なので母が出してくれています。それは母が「社会人になるまでは、しっかりと自分で育てあげる」と言う離婚した時の母の思いでもあります。なので特に今年はしっかりと学ばなければならない義務が私にはありました。必死で勉強することで、たくさん学び素敵な学友とも出会う事ができました。音楽療法認定(補)試験の合格や、サークル活動での頑張りは母も喜んでくれ、自分にとっても大きな自信となりました。そして一番はずっと目標である「音楽に携わる職に就く」というのも叶えることができ、とても嬉しかったです。無事に3月19日短大の専攻科を卒業することができました。そこでは本科生と専攻科の中から8名だけ選ばれる学長賞まで頂く事ができ最高の形で学生生活を終えることができました。これから私も4月から社会人になります。大好きな音楽にふれながらの仕事です。きっとたくさんの悩みや苦労をし、全て投げ出したくなるような事もあると思います。しかしちゃんとしっかりと前を向いて立派な社会人として生きていきたいです。働きながら貯金をし、専攻科の学費77万円を母に返してあげる事を目標にして、少しずつですが、親孝行が出来たら良いなと思います。きっと私が立派な社会人となってたくましくまた幸せな人生を送ることが唯一出来る恩返しだと思いますので自分の人生を一生懸命生きていきます。本当にありがとうございました。とおっしゃておられます。細筋ひとつで育てあげた娘のこの手紙を読んだお母さんを想像しました。きっとあなたと抱きしめて泣きながらお喜びになることでございましょう。素晴らしい最後の近況報告誠にありがとうございました。

今回の分はこれで終わらして頂きます。感涙にむせびながら読まして頂いた私の方こそ御礼を申し上げます。 ありがとうございました。




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