平成24年4月30日
(財)寿崎育英財団奨学生への皆様へ
理事長   寿崎 肇

毎月奨学生130名の近況報告を全部読まして頂きます。皆さん素晴らしい報告ですから全部載せたいと思いますが、そうもいきませんので、お読みになった奨学生の方が何かのご参考になるのではないかと思うものを最初に書き写します。6〜7人分まとまりますと事務局に渡す為浄書します。今回は2月から3月にかけて頂いた近況報告の中で差上げた私の著書についてのものを少しホームページに載せさせて頂きます。この本は熊本日日新聞社に46日間連載された「私を語る」でタイトルは商い一途「成長と挫折」の分に寿屋創業40周年の別冊として鞄d通さんのおつくりになったものと寿屋OBの方30名程の方のお書きになったものを一冊の本として「ありがとう寿屋」で出版したものです。この本のことと年に2回行われる奨学生指導会のうちの1回の出席なさった奨学生の方の感想など載せて頂きます。

○最初の方の報告です。
先日の学生指導会は豪華な食事や書籍「ありがとう寿屋」を頂ましてありがとうございました。書籍の内容は自分にとって、又将来の為にも役立つものばかりが詰まっている書籍だと実感しました。そして財団の先生方にお会いできて良かったです。その先生方のお話や、同じ奨学生からの近況報告を聞くことが出来てとてもよかった、と思うと同時に、なるほどだなと思う話、感心したりする内容の話もあって、とても勉強になる時間でした。私は大学ではマイコンカーの製作や調整を行っています。マイコンカーの方は、前の近況報告の際にお話したように順調に進んでいます。サッカーロボットの方もほぼ間違いなく進んでいます。学業の方は、今まで学んだことを十分に発揮できるように、勉強しなければならない、と同時に大学2年生の総まとめをして、試験に臨みたいと思います。今年は成人を迎え友人や仲間の居るという大切さやありがたさというものを心から実感しました。今回の奨学生指導会の時にお隣にマリンパレスの会長の二宮先生から「友人は大事だから今の時期に作っておくのは必ず将来の役に立つものだよ」と言うお話を頂きました。成人式や同窓会で久しぶりに会った友人や仲間を含めて二宮先生のお言葉の意味を再確認させられたと同時に今回の指導会でお会いできた先生方や奨学生のご縁に感謝し、このような一期一会を大事に大学生活を有意義に過ごし充実した人生をおくりたいと今回の奨学生指導会で学びました。


○次の方の近況報告は奨学生の皆様に差上げた著書「ありがとう寿屋」を読まれた感想です。本文は・・奨学生指導会で頂いた本を拝見しました。まだすべてに目を通しておりませんが、社会をあまり知らない私にとって大変勉強になることばかりでした。まず読んでいて思ったことは人生山あり谷あり、つまりいいこともあれば悪いこともあるということです。
また特に印象に残った言葉は「若い時の苦労は買ってでもせよ」と「まねぶ」という言葉です。実際に寿崎理事長がこれ等の言葉どおり、税務署で決算書の見方を学んだり、問屋で礼儀作法を学んだり、日本一の売上を誇る化粧品店を真似たり、など色々な経験を積まれており、そこからいろんなことを吸収し、事業に生かしてこられたことを羨ましく思いました。現代っ子の私には到底考えられないような、経験をされており、理事長が大変苦労されていた時代を私は生きてみたかったなぁと読みながらつくづく思いました。

とお書きになっておられるのを読まして頂き面映い思いでした。私にとってこの本は、ご迷惑をおかけした寿屋の債権者へのお詫びの気持ちがいっぱいで懺悔録のつもりで書いたものです。読む人によって見方のちがいに驚きます。でもお役に立てて頂けそうで感謝申上げるものです。近況報告の最後の方に「私が5才の誕生日の時に寿屋でサッカーボールとシューズを購入してもらい、そのボールとシューズで父とサッカーをしたことです。今では懐かしい思い出です。いい思い出です」と結んでおられます。少しホッとした気持ちでした。お褒めを頂いたり、有難いお買上げを頂いたり、ほんとにありがとうございました。


○次の方の報告です。
さっそく近況報告します。先月は後期試験がありました。結果は納得のいくものにはならず、とても悔しかったです。今月に入り大学は春休みです。私は殆どをバイトをして過ごしています。ほんとは実家に帰りたかったのですが、交通費もかかりますし、なにより母がまだ落着いていない様子だったので、もう少し様子を見ようと思いました。来年は実家に帰り家族と沢山話をしたいです。早く家族の顔が見たいです。奨学生指導会に出席した際に頂いた「ありがとう寿屋」を読まして頂きました。先生が、これまでどんな人生を歩んできたのか垣間見ることができました。本を読んでいると私の中で沢山の変化がありました。
1つは今のバイトのことです。私は今ディスカウントショップでバイトをしています。バイトの皆さんは皆いい人ばかりで楽しいのですが、私は店長や次長と気が合わなく、いつも怒られたり、八つ当たりされていました。なぜだろう?と考えていたのですが、分かりませんでした。しかし先生の本を読んでいると分かったことがありました。店長や次長は私が見ているには、お客様に対する誠意というものが私とは違うのだと気付いたのです。私が今まで不快に感じていたのは、このせいだったのか、と分かってからはバイトが嫌でなくなりました。嫌ではなくなりましたが、残念な気持ちには変わりありません。私が今まで悩んでいたのがばかばかしいくらいです。生まれ育った記憶や環境の違う人によって、こんなにも、人の考え方が変わってしまうのかと思うと複雑な気持ちです。私はバイトをするのは初めての経験でしたし、バイトを始めてまだ半年ですが沢山のことを学ぶことが出来ました。半年貯めたバイト代は原付を買う資金になりました。大学までの坂を毎日自転車で登校するのは大変でした。2年からは実習もあるので帰りが遅くなることを考え、原付を買うことにしたのです。これで登下校が楽になるのでとても嬉しいです。
2つ目は私の今の生活です。本を読んでいると先生が本当に苦労なさったことが分かります。それに比べ私は毎日安心した生活をしています。昨年の震災で被災された人々や毎日を一生懸命に生きている人に申し訳なく感じます。今年一年は色々なことを考えさせられた一年でした。今の私には何の力もありませんが、これから先、私が自分の力で周りの人を幸せにできるような人になれたらいいなと思っています。今は葛藤の日々ですが先生のように自分の人生を振り返った時に、あの時があったから、今があるのだと思えるように、後悔のない日々を過ごしたいです。これからも人生の先輩として助言や生き方など変わらずご指導くださいますようお願い致します。

と結んでおられます。差上げた本をお読みいただきこのようにご自信のお考えの変化なさるお姿を読まして頂き私の方こそ感謝申上げるべきです。ありがとうございました。


○最後の方の報告です。
近況報告させて頂きます。大学生活1年目が終り、春休みに入りました。後期はアルバイトを始めたり、授業数が少し多くなったりしましたが、前期の反省を生かし、日々の学習時間を確保していきました。後期試験は前期と比べて落着いて臨むことが出来ました。ほんの小さな積み重ねでも、毎日継続することの大切さを実感できる後期となりました。また春休みの期間は実家に帰省しています。今回の帰省では、自分のことを話すことに挑戦していきました。これまで両親には、学校や生活の出来事については、よく話していましたが、そのことを通して何を感じたのか、今どんなことを思っているかなど自分の内面的な部分はあまり口に出してきませんでした。でも親は子供のことを知りたくて話を聞くだけでうれしいのだ、という話を聞く機会があって、実行に移しました。初めは驚かれましたが、本当に嬉しそうに聞いてくれる姿に、私も嬉しくなりました。つい強がってしまったり、恥ずかしさから自分のことはあまり表現してきませんでしたが、ありのままでいることは、すごく喜びだなと感じました。大変遅くなりましたが「ありがとう寿屋」を拝見させて頂きました。プレゼントして下さり、本当にありがとうございます。様々な困難もありながら、どこまでも、お客様の喜びの為に、という姿勢に本当に感銘を受けました。たった3人から始まったお店がどんどん繁栄したのは、見返りを求めずに相手の喜びために、という思いやりの心に、人々が引き寄せられたからだと思います。思いやりの心って、本当に大切だな、と思いました。また目標を達成しても現状に満足せず、さらに周囲から学んで、より高い目標を目指していかれた、理事長先生の歩みは本当に刺激的でした。私は少し上手くいくと、つい傲慢になってしまう所があるので理事長先生のように謙虚で回りから学んでいける私になりたいと思いました。また本の中でも育英財団のことが紹介されていました。理事長先生や奥様の思いやりの心によって今私が大学生活を送ることができている感謝を決して忘れずに、私も将来恩返ししていきたいなと思いました。この1年間寿崎育英財団の奨学生であれたことに本当に感謝します。指導会での先生方のお話を聞く中で感謝することの大切さを改めて知ることができ、また自分の将来の夢についても真剣に向き合える年となりました。そして今自分は色々な方に支えてもらいながら、生活できています。今の私の学業の成績はまだまだ報告できるものではありませんが、将来社会に出たとき支えて下さった皆さんに恩返しができるよう喜んで勉学に励みたいと思います。

と結んでおられます。
年2回行われる奨学生指導会をこんなにも評価頂くことは、寿崎育英財団の誇りです。又本のことでも懺悔録のつもりの本でしたが、お役に立てて頂きましたことを唯々感謝の外はありません。ありがとうございました。




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