平成24年4月10日
(財)寿崎育英財団奨学生への皆様へ
理事長   寿崎 肇
皆様から頂ました近況報告は甲乙つけ難く素晴らしいものばかりです。
中でも奨学生の代表をなさっておる報告や奨学生の皆様の参考になるものであろうもの、そして私の感動した方々のものを載せて頂きました。どうぞご自信の勉強の参考にして下されば幸です。私は妙な癖が若いときからありました。口惜しかったこと、恥ずかしかったことなどの失敗を無数にやって来ましたが必ず「有難とう」と言う癖を自らに課しておりましたら、それが習い性になり失敗を喜ぶ癖が当り前になりました。ご自身の失敗とも反省とも思える近況報告を読まして頂きますと自分のことのように楽しくなります。変な人間の私をお許し下さい。

○最初の方の報告です。
就職活動に全力を注ぎ多くの企業説明会に足を運びました。それぞれの企業には皆特徴があり企業人として、どのように成長出来るのか、に皆それぞれありました。説明を聞いて私は土木分野の現場において、実際の構造物を造る仕事がしたいと言う気持ちが強くなりました。私がこの分野を志したのは橋や空港などの、大きなものに興味をもち、何とか携わりたい、と考えていたからです。多くの人の話を聞き、心に残ったのは「土木は目に見えない芸術だ」と言われたことです。私はこれまで、橋やダムなど目に見えて実感できるものを造りたいと考えていました、がその言葉を聞いて、土木と言う仕事の存在意義と言うものを感じました。普段は人の目に触れない地下などで技術を用いて構造物を造り水害や地震などの時に人知れず活躍し、人命を守る。これが土木に携わることだと感じ、私はやはりこの分野で働きたいのだ、と言うことを再確認することが出来ました。

とおっしゃっておられます。
よく勉強なさるお姿が行間にあふれていました。「土木は見えない芸術」私は門外漢ですが素晴らしい哲学を再確信なさった奨学生の方。今後の人生が楽しみなお方だと思いました。 ありがとうございました。

次の方のご報告です。
先日は貴重な会にお招き頂き、ありがとうございました。先生方のお話はこれから社会人になろうとする自分にとって、大変勉強になるお話ばかりでした。身にしみました。特に印象に残っているのは「最近の子供はぬるすぎる」と言ったことです。ご自身の体験をおり交ぜながら、お話された本田先生と「夢をもって努力せよ」と言う米澤先生のお話です。戦時中を経験された方々にくらべ、現代しか知らない我々は、夢を持たずに、ただただその日を楽しく生きればよい、と言う軽い気持ちで何も考えずに過ごしていたり、夢を持っていても、いつも忙しいからと言って夢現実に必要なことを、蔑ろにしたり。と人生を無駄に過ごしてしまいがちです。今回の話を聞いてまず夢をもち、日々一所懸命に生き、何においても、夢に向かって努力することと、夢を実現する過程で必要なことは、全力で取組み、出来ない理由を探すのではなく、まず出来ることからどんどん進めていく事が非常に重要だと言うことを再確認させられました。このようなことは、ごく当たり前のことですが、そう言った意識が少し欠けていたため、就職活動を控える、あるいはこれから社会人になろうとする私にとって再認識できて良かったです。現在私は材料学を専攻する学生で「日本の材料界を守る」と言った夢をもっています。この夢に向かって自分がどの方面から、この夢を実現させたいのかあるいは、させることが出来そうなのか、自分の夢実現に何が足りないのか、今後どのような能力を身につけなければならないのか、もっと必死に考えて就職活動に臨んでいこうと思います。

と結んでおられます。
いつか新聞に世界で特許をとった強い鋼を大学で完成させた記事がありましたが、あの研究員の方ではないだろうかと思いました。ご自身の目標の為にどんなお話も聞き逃さず貪欲
にその目標の為に取組むお姿には感動いたしました。ありがとうございました。


○次の方の近況報告です。
今月は学生最後の課題である修士論文の作成に追われる日々でした。これまでの研究の内容や成果を1つ1つ図や言葉で表すということは、あまり慣れておらず、大変苦労しました。しかし実際に論文を書いている内に自分がどういった考えで研究を進めてきたのか。どういった結果が出たのか、を客観的に把握することができ、他人にもわかるような言葉を探して文章を構成することを通じて、論理的思考力を身につけることができたように思います。また今月は奨学金返還免除の書類提出がありました。奨学金返還免除制度では大学院でしてきた内容が特に優れた人のみが選出される為、様々なことに挑戦しようと思いました。しかし結果的に確実に返還免除されるという程に達することが出来ませんでした。その理由は私が途中で目標を見失い、自分自身に挫折してしまう瞬間があったからだと思います。人生においても、今まで生きてきた成果が問われる瞬間があるのだと思います。その瞬間に、あの時に、ああしておけば良かったと思われないよう反省しました。財団の先生方がおっしゃたように、目標を高く掲げ、常に忘れないように工夫し、行動し、後悔することの少ない人生になるよう努力していきたいと思います。


奨学金返還免除されず誠に残念だったことでしょう。貴重な懺悔録のようにお見受けします。素直なお心の持主です。昔教わったことで経営の神様と言われた松下幸之助翁は常々「素直になれ素直になれ」とおっしゃっておられたとのことです。成功のコツは素直な心なのでしょうか。又失敗を踏み台にして成功へ導こうとなさる気概には感動いたしました。ありがとうございました。


○次の奨学生の方です。先日病院実習がありました。受持ちの患者さんを一人決めて援助に主にさせて頂きました。入学からこの1年学んだことを使って援助しました。初めの内は患者さんとのコミュニケーションをとるのも大変でした。しかし日が経つにつれて患者さんとの会話が出来るようになりました。そして患者さんからも話しかけて、もらえるようになりました。また患者さんのリハビリの補助や患者さんの清拭を行いました。清拭後患者さんから「ありがとう気持ち良かったよ」と言う言葉はとても嬉しいものでした。受持たせて頂いた患者さんは、実習中に退院していきました。その時の患者さんの嬉しそうな顔を見て、自分のことのように嬉しくなりました。今回の実習で見つかった課題を次の実習までに、克服していきたいと思います。実習では多くの人にお世話になりました。受持たせて頂いた患者さんや、実習させて頂いた病院、指導して下さった看護師さんなど多くの人の協力があって実習が出来ました。ほんとに感謝の気持ちでいっぱいです。もうすぐ私は次の学年へ、下の学年の人達が入学してきます。良いお手本になれるように頑張りたいと思います。

とおっしゃっています。心の優しい方、きっと後輩のお手本になる方だと思いました。
ありがとうございました。


○次の奨学生の方からは自叙伝のような長い報告書を頂きました。本文です。
前回の指導会に伺った時本田節子先生が「恋をしなさい」とおっしゃいました。今回の本田先生は世界で一番尊敬できる人に会ってみては。とのお話でした。私は現在母と2人で暮らしています。私が今一番尊敬して愛してやまない人は、まさに母だと断言できます。年齢50才ですが、いくつになっても変わらない好奇心や探究心、家族に対しては身を削ってでも守ってくれる人です。私にはとても大きく、かなわない魅力ある女性です。母のようになりたいと思いますし、夢を夢のままもち続けている彼女(母)を見ているので、夢を追いかける素晴らしさと憧れは人一倍あると私は自負しています。私の就職先は造園の会社ですが、私はとっても建築が大好きです。私が将来つくべき職業は何だろうか。私にも判断のつかないところがあり業界の現状など、もっと学んでいくべきだ、と反省しています。建築を学ぶ時に一番良いお話に「その建築の中で目覚めること」とお聞きしており、一般的な方法は、直接その空間に触れて感じることだ、と教わりました。私の夢は世界を旅すること、社会に出て、社会勉強をしながら、お金を貯めて旅をして、世界の建築を学んで、その後も学んでいける仕事を探そうと思います。他にも趣味の夢があります。音楽でピアノを家において、毎日弾いて過ごしたい。建築以外にも絵画にも興味があります。又最近趣味になりそうなのが登山です。仕事、趣味、家庭、すべてに夢があります。どの夢も私は諦めると言う選択肢はなく、どうやって叶えるか、考え行動しています。これからの人生がとても楽しみです。


とおっしゃっておられます。お書きになったことに中略などを入れるべきでした。お許しください。就職とちがった夢に向かって幅広く多くのことを身につける。このような人生も又人生です。ありがとうございました。


○次の方は医学部5年生の方の近況報告です。
私は現在「病理学」と云う分野の実習をしています。「病理学」とは一般になじみの薄い言葉ですが医業を行う上で重要な役割を担っています。直接患者と接する医師を「臨床医」と言いますが、臨床の診察だけでは病気が特定できない場合が多々あります。そこで病理医が顕微鏡で病気を観察し、病気の診断に大きく貢献するわけです。病院には病理医のように患者さんに直接関わるわけではないが、重要な役割を担っている職業が沢山あります、彼等は日頃、直接感謝されることもなく、縁の下の力持ちとして一生懸命働いています。「病理学」の分野の実習は、日によっては朝6時頃から夜8時過ぎまでかかり、体力的に疲れはて、体調を崩してしまいましたが、5年生最後の実習でもあり、残りの時間も精いっぱい頑張りたいと思います。さて先日同級生数人を連れて登山に行きました。皆平日には、なかなか運動する機会がなく、私が登山経験者と言うこともあり週末一緒に登山することになりました。私以外は皆登山経験がありません。近隣の低い山でもあり本格的な登山ほど危険がない、とはいえ、過去には遭難者や死者も出ている山でもあるためリーダーの私には無事に皆の登山をコーディネイトすると言う大きな責任がありました。数日前から入念なルート確認や準備をして当日の時間配分や皆の体力などに注意をしたので、何事もなく登山を成功することが出来ました。皆も私も楽しむことが出来たので大成功でした。

経験のないことばかりで私も楽しく勉強させて頂きました。お医者様は私には命の恩人でもあり、奨学生の中に医学生のおられることで有難い情報を頂いておいます。楽しい近況報告誠にありがとうございました。

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