平成24年2月22日
(財)寿崎育英財団奨学生への皆様へ
理事長   寿崎 肇

奨学生の皆様から頂いた中から私の勉強になった近況報告や奨学生の参考になるであろうものや自分も同感と思われる報告を載せさせて頂きます。平成24年1月に頂いた報告です。

○最初の方です。
今月26日に研究科の中間審査がありました。自分の研究の進捗具合を専門外の先生に説明し、審査いただく発表会でした。私はポスターを作成していましたが、どうしても腑に落ちない部分がありました。それは「何の為に研究を行っているのか」です。大学は基礎研究がメインであり、しばしば、この目的の部分が不明瞭になる場合があります。私の研究も、その1例です。この部分を明確にしないと、自分の研究の意義がなくなり、ただの自己満足になってしまいます。不明瞭なポスターしか作成できなかった為、審査の先生方に自分の研究を、あまり理解して頂けず、本当に悔しかったです。私は今まで指導教員の研究を手伝うだけの、ただの派遣さんと同じだったのです。その研究を説明しろと言われてもそこには自分の考えが殆ど出ないため、出来ないのです。私は年末年始そして1月中に文献を沢山読みこの分野だけでも、先生を超える知識をつけた後に、先生に研究のアイデアをどんどん提案できるようにします。そうやって、先生の研究を自分の研究に変えていきます。次は英語学習の面です。他の国籍の方々とのコミュニケーションや将来の仕事の為に英語を習得したいと強く思っています。現在の間近な目標は1月のTOEICで650点以上をとる事です。この点数を超えると、来年度から大学院の英語特別教育コースへ入ることが出来ます。このコースは日本人が国際社会で活躍できるための英語力を養う事を目的としています。将来の為に受講したいコースです。

と報告なさっておられます。失敗と思うことをバネにして建直していく。そして世界で活躍したい夢。頼もしい日本人(の感じ)を見せて頂きました。ありがとうございました。


○次の方の近況報告です。
新しい年を迎え大学生活も折り返しになります。私なりに一生懸命に勉学に励んだつもりですが、いろいろのことに手を出しすぎて中途半端になっていると気付きました。一体自分は何をやりたいのだろうかと迷いが生じて来ました。広く浅く学ぶことは、多くの教養を身につけるには、とても大切なことですが、しかし知識として知恵として、社会に還元することが出来るのか?に焦点を置きますと、難しい課題になります。介護など体験に行くと介護する職員の方々の大変さ、厳しさよりも、介護される入所者の方々の気持ちの方に入り込む私です。特別支援教育の講義を受けると、今の学校の受入れや障害をもつ子供よりも障害をもつ保護者の心身の苦労を思ってしまいます。本来の学ぶべき主旨から離れてしまい、人間の内面性に心がおもむいてしまします。

とお書きになっておられます。孔子さまが人間一生ふみ行う道を問われお示しになられた忠恕も仁の心もお持ちのお方の報告です。奨学生皆様お持ちの心のお話を代弁して頂きました。ありがとうございました。

○次の奨学生の報告はキリスト教の黄金律と言われるマタイ伝七章に「自分のしてもらいたいことを、他の人々にそのようにしてあげなさい」と私は教わりました。これと同じことをおっしゃっておられます。本文に入ります。
前期の反省として復習をしっかりとするよう努めていることもあり、知識や論理展開の定着度は前期より良くなっているように感じます。一方で法律を実務において「使いこなす」ことの難しさは、今も変わらず日々痛感しております。そこが面白いところであるとも思います。法律以外では日本語検定2級とトーイックの受験(トーイックは受験)結果が届き、いずれも良い結果を残すことができました。一年の締めくくりと来年へのジャンプ台として、この結果を受けとめております。2011年震災をきっかけに、友人や親戚とのつながりを改めて考えたり、大学院への進学を経て新たな仲間、新たな世界に出会ったり、自分とその周囲の人、環境に思いをいたし、それだけに、たくさん悩んで、迷った年であったと思います。毎日が楽しいことばかりではありませんでしたが、その全てを経た今、浮かぶ言葉は「感謝」の一言に尽きます。一瞬一瞬の積み重ねがあって、今こうして来年の希望を持てるのだ、考えれば、悩んだ日々も、決して無駄ではなかったと思えるし、そのような時に支えてくれた友人や家族には感謝の思いがあふれます。私は幸せだと思います。うまく表現できませんが、来年は私が今年受け取った優しさを、他の人々に分けたいと思います。常に意識していることではありますが今年よりも一層「自分のされて嬉しいことを、嬉しかったことを」自分が出来るよう心掛けようと思います。

とおっしゃっておられます。このお考えが一生行われる、ことを考えますと、素晴らしい人生をおくる事が出来る、幸せな人生を楽しむことが出来るだろうと羨ましくも思いました。


○次の方の報告です。
先日は私たちの為にあのような素晴らしい会を開いていただき、本当にありがとうございました。先生方のお話は、とてもためになるものばかりで、私自身励まされました。また、他校の奨学生の方々のスピーチも素晴らしく、私も負けないように、頑張らなくては、と心に強く思いました。最近は、とても忙しい日々を送っています。各教科からの、レポートやテストなど、やるべきことが沢山あり、めげてしまいそうです。しかし今の苦しみは強さに変わり、自分が成長出来るチャンスだと思って最後までやり遂げていきたいと思います。やればやるだけ、結果はついて来る筈です。自分を信じて努力していきたいと思います。


 とおっしゃっておられます。「苦労することが自分を成長させるチャンス」この奨学生の方が私の年になるまで成功、成功の連続の方だと思いました。私自身が教えられた報告書でした。ありがとうございました。


○次の奨学生の報告です。
就職活動が例年より2ヶ月遅れのスタートとなり、少々あせりも感じますが自分を見つめ直す良い機会ととらえ楽しんでいるところです。就職活動で宮崎と福岡をこんなに行き来する生活ははじめてです。就職活動とともに、私の大切にしているのが、家族との時間です。私は大学の為、家族と離れて1人暮らしですが、三週間に一度は必ず実家に帰るようにしています。実家は現在病気の治療中の父と高齢な祖母の2人暮らしです。「育ての母」である私の祖母は88才です。母のかわりになり、家族を支え働き者だった祖母ですが、最近急に年をとったように感じます。認知症の症状も出て来ているのですが、私達家族は決して悲観的には考えていません。祖母の突拍子もない発言は、かえって父と私を笑顔にしてくれます。私の大学生活で実現したいことの1つ目は「ニュージーランド旅行」です。大学の比較政治学の講義で女性の権利が尊重されているニュージーランドに興味をもち、自分の目で、いきいきとした女性の姿を見てみたいと思うようになりました。これまで2度友人と海外旅行しましたが、今回は1人旅に挑戦したいと考えています。2つ目は卒業式で総代を務めるということです。私の在学する大学では首席が総代として代表で卒業証書を授けとります。私が総代にこだわるのは、理由があります。高校の卒業式は父は治療で入院中であったため、私の卒業する姿を見届けることができませんでした。卒業式後のホームルームでクラスメイト1人ひとりが両親に感謝の言葉を伝えて、花束を渡すのにクラスで私1人だけが、その花束を自分で持って帰りました。父に感謝の気持ちを伝えられなかった、そのときの言葉にならない悔しさが3年経った今でも忘れられません。
大学の卒業式=最後の卒業式で総代を務める姿を、どうしても父に見てもらいたいです。それが私にできる親孝行の一つでもある、と考えています。昨年は年間の成績を評価して頂き、学生表彰を受賞しました。夢に一歩近づけたように思います。今後も就職活動と学業を両立させるべく努力してまいります。

 と結んでおられます。高校の卒業式の口惜しさ就職での面接の時にお話なさると良いと思います。どんな試験官もホロリとして合格間違いなしと思います。私はしばらく涙がとまりませんでした。このような心意気で人生を渡る方は思ったことはすべて成功だと思います。私の知人の若い経営者に是非お伝えいたします。


○最後の方の報告です。
先日は奨学生指導会に参加し、皆様から厳しいながらもあたたかい励ましのお言葉をいただきました。支えて頂いているんだ、と心から感じることができました。
ありがとうございました。奨学生指導会に行くまで私は、自分の弱さに甘んじていました。日々の生活に追われていました。学生としての生活、家庭人としての生活があるということを、言い訳にしていたように思います。振り返ってみますと、全てのことに対して、自ら取組む、と言うよりも過ごす行為になっていて、どこか心が置きざりになっておりました。近況報告にそぐわない内容だと思いますが、私の心の内を聞いていただきたいと思いました。自ら進んで学生生活をスタートしたはずなのに“忙しい“と言い訳して、自分の思うままに「このぐらいでいいだろう」という気持ちでいたのだと思います。学生の皆さんの一生懸命な姿を見て、先生方のバイタリティーあふれるお人柄にふれ、自分のことを恥ずかしいと思いました。精一杯、1日1日を過ごすこと、日常に喜びを感じることを目標にもう一度スタートしたいと思いました。あたり前の日常を大切にできていなかった分、感謝の気持ちを改めた次第です。そして今、自分の弱さと向き合っていこう!と感じています。本当に良い機会をいただいたと感謝しています。ご迷惑おかけしまして申し訳ありません。次の近況報告では、もっと前向きな学生生活を送っている報告ができるように、気を引きしめていきます。

 とおっしゃっております。ホームページに掲載して良いかと迷いました。この奨学生の方の勇気を呼んで頂きたかった。私はこの近況報告を読まして頂きながら、海外視察で有名な教会に行きますと懺悔の部屋があります。同時に、この方の生活ではなく私のことをおっしゃっておられるように受取りました。どの本で読んだか覚えませんが、その中で懺悔は治病の妙薬であり、開運の秘法、とありました。この奨学生の方の人生は幸福を戦いとっておかれる素晴らしい人生だと確信いたします。ありがとうございました。


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